3月3日の第1回区議会定例会の代表質問で、日本共産党は「2月19日、日本共産党をふくむ野党五党は、安保関連法の廃止法案を共同で国会に提出するとともに、戦争法廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回し立憲主義を回復し、安倍政権打倒を共通目標として、国会対応や国政選挙での協力を行うことで合意し、その実現に全力を挙げています」と表明。
また、長谷部区長に、貧困と格差が拡大するなかで、消費税10%増税中止を国に求めるよう要求しました。
税金のつかい方は、大企業のもうけより区民のくらし応援に切り換えを
財源は充分 ため込んだ735億円
長谷部区長は、庁舎建替えや宮下公園整備計画で三井不動産など大企業のもうけのために、区民の財産を差し出したり、渋谷駅周辺の大企業の開発事業に90億円もの区民の税金をつぎ込もうとしています。一方、区民には、わずかな予算の障害者の福祉タクシー券、生活保護世帯への見舞金を削減しようとしています。
日本共産党区議団はこうした逆立ちした予算案に対し、区民のくらし応援の予算に切り替える修正案を提案しています。
自民党・公明党
本会議の「質問」とは名ばかりの反共攻撃
第1回定例会の本会議で、自民党、公明党の議員が、日本共産党区議団が発信しているホームページや区議団ニュースを引用して、反共攻撃をおこないました。自民党議員は、区庁舎建替えに伴うホームページに対し「デマに等しいプロパガンダ」などと中傷し、ホームページの削除要請を長谷部区長に求めました。また公明党議員は、土壌汚染の幡ヶ谷2丁目の土地購入問題で、「区民を惑わせる悪行」などと攻撃し、区長に見解を述べさせるという、悪質極まりないやり口でした。
党区議団は、すべて事実に基づき、また、弁護士などの専門家や区民の意見を掲載しています。それを攻撃すること自体、大企業のための庁舎建替えや不明朗な土壌汚染土地購入問題を覆いかくすものです。区民の批判が高まっているなかで追い詰められての道理のない攻撃です。
日本共産党の提案
区庁舎建替え・宮下公園について、区民と専門家による「検討会」で練り上げを
安心できる福祉のまちづくり
・高齢者の医療費の無料化、国民健康保険料の減額
・介護保険料・利用料の軽減、特養ホームの増設
安心できる子育て支援
・認可保育園の増設で待機児解消
・高校生までの医療費を無料に
どの子もかがやく学校教育
・学校給食の無償化、30人学級の実現
商店街・中小業者応援
・商店街の街路灯電気代全額補助
・住宅リフォーム助成を増額、住宅の耐震補強促進
6人の共産党区議団は、区民のみなさんの切実な願いをかなえるため15本の条例を提案。予算をきりかえるための予算修正案を提出して、その実現に全力をあげています。見開きのページに詳しく掲載しました。ぜひご覧ください。
ため込んだ735億円 1年間で100億円増
大企業のもうけのための税金投入はやめ 税金は、苦難によりそい、くらし・福祉・教育第一に
日本共産党渋谷区議団
19年連続で予算修正案を提案
実施するための条例案を15本提出
日本共産党渋谷区議団は、毎年区民アンケートを実施。その内容を予算要望書にまとめ区長に提出し、その要望を実現するための予算修正案や必要な条例案を提案しています。
今年度の予算案は、長谷部健区長が初めて本格的に組んだものです。しかし、ほとんどが前桑原区政をひきつぎ、福祉切り捨て、住民不在の予算と言っても過言ではありません。
区民の生活苦はますます深刻となり、高齢者の保険料や医療費などの負担軽減、待機児解消のための保育園増設、子どもの貧困対策、商店街や中小業者の支援が求められています。
日本共産党区議団は、今年の第1回定例区議会に19年連続となる予算修正案(101事業)を提出しました。その内容は、大企業のもうけのための税金投入をやめ、区民のくらしと福祉、災害に強いまちづくりを最優先にする予算にきりかえるものです。
合わせて、修正案を実施するために15本の条例案を提出し、その実現のために頑張っています。
区長提案の予算の2.7%を修正すれば
多くの区民要求を実現できます
今回新たに提案した事業
●削減された福祉サービスの復活
・無料だった障害者の療養支援事業が有料となったため無料に戻す 136万円
・生活保護者への冬の見舞金4000円が削減されるので元に戻す 1,153万円
・切り下げられる障害者の福祉タクシー代を元に
戻し、精神障害者などにも給付を拡大する 2億1,633万円
●貧困と格差の拡大が深刻ななかで、暮らし応援のための予算案
・国保加入者の低所得世帯に対し、均等割1割引き下げ
相当分の手当を支給し生活を支援する 5,697万円
・小・中学校の就学援助の対象を1.5倍に拡大する 7,974万円
●深刻な待機児対策と障害者(児)の支援
・本町第二保育園の廃止を中止し存続させる 1億1,192万円
・母子生活支援施設児童の学習支援のために指導員派遣 37万円
●不要不急、ムダづかいの事業を削減する
・議員のリオデジャネイロ・パラリンピック視察は削減する ▲2,431万円
・大企業のための渋谷駅周辺事業への区の税金投入と、
国と都の補助金を削減する ▲7億9,287万円
●区庁舎・宮下公園は区民参加で練り上げる経費を計上。新庁舎・宮下公園、幡ヶ谷防災公園計画は白紙に戻す
・新庁舎・宮下公園のあり方は区民参加で練り上げるため
検討会経費を計上する 758万円
・新庁舎建設・宮下公園は白紙に戻すため中止する ▲1億777万円
・幡ヶ谷防災公園内の複合施設は土壌汚染のため白紙に戻す。
補助金などを削減する ▲4億4,022万円
不要不急の事業を削減し、くらし・福祉・教育・子育て支援などを増額(主な事業)
●ムダづかい、不要不急の事業を中止する(17事業) ▲16億5,413万円
議長・区長交際費を減額する ▲150万円
河津保養所は不要不急なので運営費を削減する ▲1億1,069万円
●高齢者・障害者の福祉・介護を充実する(21事業) 13億8,011万円
低所得者の高齢者の医療費を無料にする(半年分) 3億3,187万円
障害者(児)の生活支援のために施設利用料などを軽減する(6事業) 3億7,065万円
配食サービスの復活など高齢者の生活を支援する(6事業) 2億4,900万円
●子育て支援の拡充(16事業) 6億1,090万円
こども医療費の無料化を高校生まで拡大する(10月から) 3,194万円
●商店街、中小業者を支援し充実する(12事業) 2億8,092万円
商店街街路灯の電気代を全額補助する 2,165万円
住宅リフォーム助成制度の拡大 1,280万円
●震災につよいまちづくりを促進する(7事業) 3億1,286万円
建設物の耐震化促進のために助成拡大 2億2,095万円
分譲マンション修繕計画調査費助成 372万円
●一人ひとりの児童に寄りそう教育の充実(17事業) 10億7,961万円
全小、中学校を30人学級にする(小37人、中15人の教職員配置) 2億6,427万円
小・中学校の給食費を無料にする 2億7,720万円
渋谷駅周辺は大企業の再開発ラッシュ
これが区の税金投入と便宜供与の実態です
「もうやめてください!」区民の強い声です
わかっているだけでも90億円の税金投入
東急グループが中心となってすすめる渋谷駅周辺再開発を皮切りに、公園通りのパルコ、さらに、渋谷区庁舎・宮下公園の三井不動産などによる、大企業の再開発ラッシュです。
区庁舎・公会堂の建替え
三井不動産のもうけのために土地を差し出す
渋谷区は三井不動産に区の土地を77年7ヶ月貸出し、三井不動産は区庁舎と公会堂を建替え、その見返りに、三井不動産は地上39階建ての超高層マンション(143メートル、507戸)を建て、莫大な利益を得るものです。
三井不動産
区の土地をもらった!?
2015年3月の不動産再生研究会で三井不動産が庁舎建替え計画を紹介。その報告(議事録)では「建物を建てる代わりに土地を下さいというような形である」と言っており、庁舎を建てる代わりに区の土地をもらったと同じです。三井不動産のもうけのためと言わずになんと言うのでしょうか。
区道をパルコに提供
公園通りのパルコの再開発で、渋谷区は、パルコパート1とパート3の間にある区道をパルコに提供するという計画です。パルコは、地上20階(110メートル)の大型ビルに建て替える計画を発表。
道玄坂1丁目再開発
区の持ち出し 10億円
道玄坂1丁目駅前地区市街地再開発は、東急プラザの跡地に地下5階地上17階120メートルの商業施設を建設し、さらに、京王井の頭線の渋谷駅につながる道路を整備するものです。
区道を廃止し、再認定するというのです。この準備組合の中心を担っているのは東急不動産です。
桜丘地区市街地再開発
区の持ち出し 40億円
東急不動産が中心を担っている桜丘口地区市街地再開発事業は、180メートルの事務所棟に国際医療施設、150メートルの住宅棟に外国人向けのアパートや子育て支援施設をつくる計画。外国企業を呼び込むための再開発事業となっています。
東急のホテルと高層ビルをつなぐ南口北側自由通路、区の持ち出し 20億円!?
山手線を跨いで設置される渋谷駅南側自由通路。これは東横線跡地につくられる東急ホテルと桜丘地区につくられる高層ビルを結ぶ通路です。この経費は東急などの事業者が負担すべきなのに、渋谷区が事業主体となって設置する方針です。
渋谷駅南街区
東急電鉄が中心を担っている敷地面積7100平方メートル、ホテル、店舗などの複合施設建設計画。地下5階地上32階170メートルの高層ビルがたちます。
東急・ヒカリエの区道付け替え
2012年4月にオープンした東急電鉄の地下4階地上34階144メートルの超高層ビル「ヒカリエ」。区道を廃止し、便宜を図りました。
北側自由通路
区の持ち出し 20億円
渋谷駅基盤整備の北側自由通路整備費の総額は60億円。そのうちの3分の1の20億円を渋谷区が負担しなければなりません。
新宮下公園整備
商業スペースとホテル建設で大もうけ
一部の区民の意見をきいただけで説明会も開かず強行。35年の借地契約ですが、更新もできるとしています。これでは、三井不動産のもうけのために公園を半永久的に提供するものです。
こうした再開発に税金を湯水のようにつぎ込み
区民のくらしそっちのけは許せません。
長谷部区長の政治手法は──前区長の異常な区政運営を継承
住民不在と不要不急のムダづかい、
区民には福祉サービスの切り捨てと削減
区庁舎建替え
●三井不動産が建てる分譲マンション部分の初めての説明会
見直しを求める意見が相次ぐ
●説明会の対象は近隣住民
渋谷区は、庁舎・公会堂の建替え計画について5回の説明会を開きましたが、三井不動産の分譲マンション部分については、三井不動産がやることだから区は説明する立場にはないと隠してきました。そのマンション棟の説明会が初めて開かれました。事業者側に区の担当者がいたにもかかわらず、説明・答弁とも三井不動産まかせ。区に対する意見・質問に区は一言も発することなく終わりました。
庁舎と分譲マンション部分は一体の事業なのに、何ら説明しない渋谷区の姿勢は無責任。こんなやり方で、庁舎建替えを強行することは認められません。
宮下公園
●用地すべてを三井不動産に35年貸し出す─17階建てのホテルも
●区民への説明会は一度も開かず三井不動産にまるなげ
宮下公園は、渋谷駅前のビル街にあり、貴重な緑の公園です。これを三井不動産に35年も貸出し、3階建ての一大商業スペースにし、公園はその屋上に設置。また、公園の一部を切りはなして17階建てのホテルを建設する計画です。
区庁舎と同様に、区民の貴重な財産を、三井不動産のもうけのために差し出すやり方は認められません。
区民参加の「検討会」で練り上げを
党区議団は、区民が参加できる「新庁舎建設に関する検討会」と「宮下公園整備計画に関する検討会」の条例案を提案しました。
幡ヶ谷2丁目防災公園
●「土壌汚染処理で安全」と幕引きを図る長谷部区政
●重大な問題を一回こっきりの説明会で批判が続出
幡ヶ谷2丁目の防災公園用地取得表明から2年3か月。2月26日住民説明会が初めて開かれました。「どうして区民に土壌汚染問題を隠してたのか」「土壌汚染の土地を32億円も出して買ったのは納得できない」など、白紙に戻すよう求める発言が多くありました。しかし区は、その声にまったくこたえませんでした。
土壌汚染は土を入れ替えたから「安全」と明言した長谷部区長ですが、土壌汚染については除去後2年間のモニタリングが必要です。その結果も出さずに「安全」宣言は許されません。
そもそも土壌汚染の土地を購入して、子どもや多くの区民が利用する公園や保育園、高齢者住宅の建設そのものがあってはならないと思いませんか。
党区議団は、すぐ近くにある幡ヶ谷2丁目の旧都営住宅の跡地を取得して、保育園、高齢者住宅などの福祉施設を建設すべきと提案しています。
区議会議員の海外視察
区議会議員のブラジル・リオのパラリンピック海外視察費2,431万5千円(1人200万円超)
長谷部区長も参加 合計3,300万円
一昨年、庁舎建替えに向けて、議員の欧州視察について「無意味な公金支出」の批判が広がりました。今度は、リオデジャネイロのパラリンピックに区議を派遣、予算は2,431万5千円。一人当たり200万円超です。さらに、長谷部区長と職員4人がリオとロンドンを視察する予算として917万円を計上。「何のための視察か。視察に名を借りた海外旅行ではないか」と批判が出ています。
河津保養所
これまで5億円余 年間1億3,700万円の運営費
これまでつぎ込んだ税金は5億円余。運営費の予算は年間1億3,700万円です。さらに、今後、老朽化したエレベータや本館の大規模修繕など、多額の経費が見込まれます。「遠くて、交通費が高い」と区民から批判が出ている河津の保養所は、不要不急のもの。ただちに、廃止すべきです。
いっぽう 福祉予算バッサリ
●障害者の足・福祉タクシー券の削減
●障害児の療育支援事業を無料から有料へ
●生活保護者の見舞金バッサリ
障害者への福祉タクシー券を3,748万8千円も削減、これまで無料だった障害児の療育サービスの利用料を有料に(136万8千円、党区議団の試算)、生活保護世帯への冬の見舞金一世帯4,000円、1,153万2千円をバッサリ。
※詳しくは「ニュース」紙面のPDFファイルをご覧ください。
●「区議団ニュース」2016年春季号(PDF3,455KB)