2024年度渋谷区予算は、敬老祝い金の大幅削減や奨学資金貸付制度の廃止など福祉、教育を切り捨て、国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料のトリプル値上げなど、物価高騰に苦しむ区民に追い打ちをかけるものです。
一方、渋谷駅周辺再開発や玉川上水旧水路緑道整備に巨額の税金投入、区民の声を聞かない学校整備など、大企業奉仕、トップダウンの区政をすすめています。
日本共産党区議団は、いのち、くらし、営業最優先への転換に全力をあげました。
全会一致採択
●現行の健康保険証とマイナ保険証の両立を求める意見書
●建設アスベスト対策の拡充を求める意見書
毎年75歳以上の全員に1万円給付してきた敬老祝い金を、区は24年度以降、対象者を約62%・1万5千人以上、予算は半額以下に削減します。
党区議団は、高齢者への敬老の意の切り捨てであり許されない。17年後も増える予算は4000万円程度であり、高齢者人口の増加は理由にならない。配布方法は切り離して検討し、全員への給付を継続すべきです。
区は24年度から3年間の介護保険料基準額を、平均3.5%・2,520円引上げ、年間74,040円にします。
党区議団は、介護給付費準備基金15億円のうち1億2千万円の活用で、全体の46%にあたる低所得世帯の保険料を据え置くことができるとして、値上げに反対しました。
区議団は、能登半島地震の支援募金にとりくむとともに、今回の教訓を活かして渋谷地域防災計画の抜本的見直しを提案しました。
日本共産党区議団の提案
●住宅の倒壊による死者ゼロへ
住宅耐震化の助成の大幅引き上げを
●避難所運営の改善と避難者支援について
1人当たりの面積やトイレ数の改善、備蓄の拡大など
●福祉避難所の拡大と在宅避難者支援体制整備
税金の使い方は、物価高騰に苦しむ区民に直接届く支援をはじめ、くらし、福祉、教育と中小業者の営業優先に転換することが求められています。日本共産党区議団は議案提案権を活用して、予算修正案やその実現に必要な条例提案を、27年連続で提案しました。
修正案の歳入では、大企業のための開発に支出する予算の削減、歳出では、区民のくらし・福祉・教育・中小業者支援の予算を増額し、さらに、無駄使いや不要不急の事業、大企業奉仕の予算を削減。それぞれの事業を積算して提案しています。
党区議団は2012年から、学校給食は義務教育無償の対象であり、保護者の負担軽減からも無償化が必要と、毎年予算修正案や条例提案をおこなってきました。
4月から区立小中学校給食の無償化が実現しますが、引き続き私立、国立、不登校の子どもにも同等の支援が実現するよう力をつくします。
住民のみなさんの運動と党区議団の提案で、子ども医療費無料化、高齢者の補聴器購入助成、国保料の子どもの均等割を半額になどが実現してきました。
●区は、高校生などを対象にした奨学資金貸付制度を廃止しました。
●党区議団は廃止ではなく、大学や大学院にまで対象を拡大し、返済困難な場合に返済を減免する条例案を提案しました。さらに、給付制奨学金の導入を求めます。
●国民健康保険料、子どもの均等割を無料に、均等割軽減世帯の軽減率を1割上乗…2億4571万円
●住民税非課税と均等割のみの世帯に1万円の支給…3億1031万円
●75歳以上全員への敬老金事業を継続…1億5258万円
●75歳以上の高齢者の医療費を無料に(住民税非課税世帯を対象に)…4億4627万円
●補聴器購入費助成制度の拡充…7829万円
●介護ヘルパーの賃上げ、包括支援センターの増員、家賃補助制度、福祉タクシーの拡充…2億4805万円
●小学校の全学年、中学校で35人以下学級に(小学校で7人、 中学校で6人の職員配置)…6855万円
●学校給食の無償化を、私立の小・中学まで拡大…3億4113万円
●廃止された旧渋谷図書館を改修し再開…4億5321万円
●就学援助の拡大、学校給食の直営化、放課後クラブの拡充、修学旅行費助成…4億5745万円
●災害用備蓄品の拡充、建物の耐震化促進、木造密集地域に消火器の増設など…4億9913万円
●感染症対策のための保健所職員の増員、がん検診の二次検診を公費負担に、太陽光発電助成…1億1089万円
●二の平渋谷荘の改修、河津保養所廃止に伴う宿泊費補助の実施…1億5611万円
●若者向けの家賃補助制度の復活…
●奨学資金貸付制度を大学・大学院まで拡大し、新規貸し付けを継続する…
●燃料費や原材料費の高騰に苦しむ中小業者支援…16億1370万円
●紙製のプレミアム付き商品券事業を実施…2億1860万円
●商店街街路灯補助や住宅リフォーム助成制度を拡充…2868万円
●大企業のために渋谷駅再開発などへの税金投入をやめる…▲6億7934万円
議長交際費の減額、出張所の窓口業務などの民間委託、学校給食・保育園の給食や用務の民間委民間委託、無駄遣いや不要不急の予算を削減…15事業 ▲13億4477万円
●渋谷区長等の退職手当に関する条例の一部を改正する条例=高い退職金を減額する
●渋谷区公契約条例の一部を改正する条例=区の発注事業で働く労働者の労働条件を向上
●渋谷区立河津さくらの里しぶや条例を廃止する条例=税金の無駄づかいのため廃止する
●渋谷区特別区税条例の一部を改正する条例=区民の生活支援のため減免制度を拡充する
●渋谷区地球温暖化防止条例(制定)=地球温暖化対策を、区と区民、事業者の協力で推進する
●渋谷区高齢者の医療費の助成に関する条例(制定)=非課税世帯の高齢者の医療費負担を無料にする
●渋谷区奨学資金に関する条例の一部を改正する条例
●渋谷区こども条例(制定)=こどもの権利条約に基づく条例を制定る
渋谷区は、24年度の国民健康保険料を20年連続で引き上げ、一人平均年間1万8340円値上げします。均等割は5,500円値上げで、低所得者や多子世帯に重くのしかかります。
党区議団は、国や都の財政負担の拡大を求めるとともに、値上げに反対し区として低所得者の保険料引き下げと子どもの均等割の無料化を提案しました。
区が今後20年間で、22の区立小中学校を建て替える計画が、子どもの教育や住民無視で進められていることに、怒りの声が広がっています。
学校は、子どもの教育の場であり、コミュニティや防災の核であり、地域にとって「宝物」です。トップダウンはやめて、子ども、学校関係者、住民の声を最優先にすべきです。
区は、隣接するマンションの再開発のために神南小の容積率や区道を提供することで、再開発ビルは150mの高さに。子どもは風害やプライバシーの侵害の危険にさらされます。
区は、こうした住民の反対を無視しています。
広尾中学校建替え計画の内容は一部の住民にしか知らされていません。
しかも特別教室が減らされるため、部活の先生から、クラブの継続ができないのではと危惧する声が上がっています。
松濤中学校計画では、突然プールを設置しない案が示され、関係者は怒りの声をあげています。
区長は、今後プールを整備しない学校もあると発言。松濤中の場合、神南小のプールを利用するため、往復30分必要で、授業になりません。
千駄ヶ谷小と原宿外苑中、猿楽小と鉢山中は、24年度に統廃合のための基本設計を作成する計画です。
住民からは、「何も聞かされていない」「地域破壊だ」など、統廃合反対の声が上がっています。
区民には、負担増や敬老祝い金の削減を押し付けながら、住民合意のない事業に巨額の税金を投入することは許されません。
削減して、くらし、福祉に使うべきです。
●玉川上水旧水路緑道整備:14億5400万円
樹木伐採が大問題となっている玉川上水旧水路緑道整備は、大山、笹塚・幡ケ谷地区などの工事費を計上しています。
●加計塚小の隣に農園ハウス整備:1億2650万円
植物園のレストランの食材調達を目的に、加計塚小の隣接地に農園ハウスを整備しますが、本当に必要なのでしょうか?
●シブヤ・アロープロジェクト:4190万円
帰宅困難者を誘導する機能を果たさない事業は中止すべきです。
区長が提案した23年度補正予算(第9号)は、総額82億円のうち75億円を都市整備基金に積み立てるもので、党区議団は物価高騰対策にこそ活用すべきとして反対しました。
※詳しくは「ニュース」紙面のPDFファイルをご覧ください。
●「区議団ニュース」2024年区議会第1回定例会号(PDF1,009KB)