10月30日の区議会総務区民委員会に、「河津さくらの里しぶや」の建物の耐震診断結果が報告されました。
党区議団は、二つ目の渋谷区の保養所を伊豆・河津町の旧旅館を買い取り、運営することについて、競売物件であったのを隠すなど取得経過が不明瞭で、築50年の旧館は不動産鑑定で数十か所の施設改善が指摘されており、今年度2億2800万円の多額な税金投入はすべきではないと反対してきました。
また、9月25日の第3回定例会の代表質問で、区長に対し、区がこの保養所を10月27日に開設しようとしていることに対し、旧館、体育館などの施設に対する多くの改善指導が指摘され、耐震診断の結果も明らかにせず、耐震補強工事もしていないことから、区民の命と安全を考えれば耐震補強工事や多数の指摘された施設の改善をせず開設すべきではないと区長に質しました。しかし、区長は、議会の議決を経て実施をしていると開設を変更する姿勢はありませんでした。
しかし、10月30日の総務区民委員会に報告された耐震診断の結果は、区民の安全を考えれば使用できるものではありませんでした。この耐震結果は10月15日にでているという報告でしたが、これも問題です。その事実を隠しての開設だったのです。
宿泊する本館は耐震上の問題はありませんが、東館、大浴場の耐震結果はCランクで、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高いという評価です。大浴場はもちろんのこと、脱衣所がある東館も危険性が高いのですから、区が危険な状態を知りながら使用するべきではありません。
区は、1月4日以降は使用中止としましたが、ただちに、使用を中止すべきです。
党区議団は、緊急に区長に以下の申し入れを行いました。
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「河津さくらの里しぶや」の耐震診断結果にもとづき、区民の安全のため、東館および大浴場の使用中止を求める申し入れ
10月27日に開設された「河津さくらの里しぶや」は、耐震診断結果で、東館の最小Is値が0.171、大浴場の最小Is値が0.003で、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し又は崩壊の危険性が高く、区民の命と安全が確保されていないことが明らかになりました。
大浴場そのものが危険であり、大浴場を使用するための脱衣場も危険な東館の1階にあり、宿泊客が大浴場に行くために東館の階段の使用を認めるなど、区民の命を危険にさらすことは重大問題です。使用はただちに中止すべきです。
しかし区は、来年1月4日以降の申し込み受付を中止することをホームページに掲載しましたが、すでに申し込みを済ませた11月の576人をはじめ、来年1月3日までの利用者について、東館、大浴場が危険な状態のまま、使用を続けさせることは、区民の命と安全を守る立場から認められるものではありません。
区は、「河津さくらの里しぶや」の耐震診断結果にもとづき、区民の安全のため、東館および大浴場の使用をただちに中止するよう求めるものです。
2014年11月5日
渋谷区長 桑原 敏武 殿
日本共産党渋谷区議会議員団