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日本共産党渋谷区議会議員団

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日本共産党渋谷区議団は、10月31日、「くらし・区政アンケート2019」でお届けいただいている声や各団体の要望にもとづいて、区長に「2020年度渋谷区予算編成に関する要望書」を提出しました。要望書は、重点要求29項目を含め、1059項目に及びました。

 日本共産党渋谷区議団は、10月31日、「くらし・区政アンケート2019」でお届けいただいている声や各団体の要望にもとづいて、区長に「2020年度渋谷区予算編成に関する要望書」を提出しました。
 要望書は、重点要求29項目を含め、1059項目に及びました。


はじめに

 地球温暖化の影響で2019年、東京は2度におよぶ大型台風によって深刻な被害を受けました。強風と豪雨などへの備えの抜本的強化が求められています。
 安倍内閣は長期の消費不況の中で年金の引き下げや介護保険制度の改悪など社会保障の切捨てを強行したうえ、さらに消費税10%増税を断行し、区民生活をいっそう苦しい状況に陥らせています。
 区民のくらしは、昨年1年間の中小企業の倒産件数が103件、それによって職を失った従業員は454人にのぼり、生活保護利用者は2816世帯、3131人、国民健康保険料の滞納世帯は26・65%に達しています。日本共産党渋谷区議団が今年おこなった「区政アンケート」には、暮らしが「悪くなった」「悪いままで変わらない」が65%にのぼり、依然としてきびしい事態にあることが示されています。それだけに、渋谷区政には、区民のくらしを守る役割が求められています。
 しかし、渋谷区は、ことし4月からの国民健康保険料を15年連続で引き上げ、学校給食費を値上げするとともに、子どもたちの貴重な自然体験の場である富山臨海学園、山中高原学園の廃止を強行しました。
 一方、渋谷駅周辺再開発に166億円の税金投入を進め、区立公園を民間企業のもうけのために指定管理者制度やパークPFIを導入しました。また三井不動産には区役所の土地を77年貸し出し、高層マンション建設で大もうけさせるとともに、宮下公園の借地料を190億円も値引きするなど、大企業奉仕の区政をすすめています。
 さらに、官民連携で設立したしぶや未来デザインには、7000万円の税金を投入し、4人の区職員を派遣しています。
 こうした区政のあり方は、地方自治法に定められた住民福祉の増進と逆行するものであり、やめるべきです。
 日本共産党渋谷区議団は、住民生活第一で暮らし、福祉、教育を拡大していく自治体本来の責務にもとづく予算編成を求めます。
 高すぎる国民保険料を引き下げ、学校給食無償化、認可保育園の待機児ゼロ、特別擁護老人ホームの待機者ゼロ、子ども医療費の無料化を高校生まで拡大すること、低所得高齢者の医療費無料化を実施するとともに廃止した生活保護世帯への夏冬の見舞金などを復活すべきです。そのために、福祉・教育、くらし最優先の税金の使い方に切り替えるとともに、貯め込んだ1009億円の基金を活用すべきです。そのことを強く求め2020年度予算案に対しての要望といたします。

【重点要求】

1.今回の台風15号・19号被害を教訓に、正確な情報を確実に伝えるために、防災ラジオを無償配布するとともに、区のインターネットの容量を拡大すること。
 避難所運営については、政府の「避難所の生活環境の整備等について」の「通知」にもとづいて、適温食の提供やプライバシーの確保などが実施できるよう抜本的に見直すこと。また、路上生活者を排除しないこと。

2.自然災害が多発する中で、地域防災計画を、いのちを守ることを最優先にした予防重視の対策となるよう、抜本的に見直すこと。
 震災対策は、震度7の揺れも想定し、首都直下型地震等に対して、被害を最小限に食い止める計画にすること。
 都市型水害対策として想定基準を75㎜以上に引き上げ、浸水予想区域とともに、地下街などの浸水も想定した対策へと充実をはかること。
 木造住宅の耐震補強工事費助成制度の委任払いや補助額の引き上げ、助成要件の緩和など制度を拡充すること。分譲マンション等の耐震化をすすめるため、助成制度の拡充をはかること。また、危険なブロック塀を改修するための助成対象を拡大すること。
 帰宅困難者対策については、国や都、事業者と連携するとともに、中小事業者に対する備蓄品への助成など区独自にも強化すること。
 民間の病院や福祉施設などに、停電・断水対策の非常電源や備蓄品の確保について、国や都に助成を求めるとともに、区としても行うこと。

3.区の責任で、福祉避難所を地域ごとに整備するなど、災害時要援護者対策をさらに進めること。一人ひとりの障がい者の特性や生活に即した避難計画をたて避難所を確保すること。耐震補強の必要な民間福祉施設に対して、区の責任で早急に耐震補強工事を行い、備蓄品の配備や情報伝達手段を確保すること。

4.高すぎる国保料を「協会けんぽ」並みに引き下げるため、国と都に対し負担金の増額を求めること。また、区としても一般会計からの繰入れを増額し、保険料を引き下げること。
 国に対して均等割制度の廃止を求めるとともに、区として子どもの均等割を無料にし、低所得者に対する申請減免の基準を生活保護基準の1.15倍から引き上げること。
 保険料の徴収にあたっては、生活を破壊する強引な取り立てはやめること。

5.保育園の待機児対策は、区立保育園の計画的整備を軸にして、認可園の増設による待機児童ゼロを早期に実現するため、国・都有地、民有地の活用を行うこと。国、都に対しては、用地取得費の補助を求めること。
 私立保育園の職員の処遇を改善するために助成を拡大すること。また、認可外保育施設などに、全員有資格の職員を配置するため運営費を増額すること。

6.学校給食を無償化すること。
 子どもの貧困実態調査を、区独自に実施すること。
 就学援助は、区独自で生活保護基準の1.5倍に基準額を引き上げるとともに、PTA活動費についても給付すること。新入学学用品費の支給は、対象者全員の基準額を6歳児で算定し、全員就学前に支給するとともに支給額を増額すること。
 渋谷区の奨学資金貸付制度に給付制を導入するとともに、収入が少なく返済が困難な場合は返済免除にすること。
 子ども医療費の無料化を高校生まで拡大すること。

7.国や都に対して、小中学校の全学年の35人以下学級を早急に実施するよう求めるとともに、区としても実施すること。
 子どもに寄り添える教育の保障と教師の多忙化を解消するために、国に対して教員の削減や変形労働時間の導入はやめ、教員の人数を抜本的に増やし、持ちコマ数を減らすよう求めること。また、区として教職員の勤務実態調査を実施すること。
 トップダウンで予算に格差をつける特色ある学校づくりとともに学校間に競争と格差を持ち込む学校選択制はやめること。
 公共施設総合管理計画にもとづく学校統廃合は行わないこと。
 放課後の子どもの生活の場を保障するために、保育を必要とする児童に対して学童保育を実施すること。

8.子どもたちのかけがえのない自然体験学習の場であり渋谷区の貴重な教育施設である富山臨海学園はリニューアルして復活すること。
学校の老朽化した施設や備品の改修と更新、トイレの洋式化を早急に進めること。

9.国に対して、要介護1・2の生活援助訪問介護や日常生活用具貸与の介護給付外し、利用料の原則2割負担、ケアプランの利用者負担の導入など、介護保険制度の改悪をやめるよう求めること。
 介護保険料の区独自の軽減策は、収入基準額の引き上げと預貯金額の制限を撤廃し、拡充すること。低所得者の利用料負担額助成は住民税非課税者にまで拡大するとともに、預貯金額の制限を撤廃すること
 利用者と介護事業者・従事者に犠牲を強いる総合事業の緩和サービスAはやめて、国と同じ介護報酬にすること。区が上乗せしてきた区型介護サービスの値上げを元に戻し、介護区分限度額による制限をやめること。また、高齢者配食サービスなど切り捨てた高齢者福祉施策を復活させること。
 待機者ゼロをめざし、特別養護老人ホーム、グループホームを増設すること。
 地域包括ケアの構築については、区の責任で医療と介護の連携や質の確保された切れ目のないサービスが提供できるよう、地域包括支援センターの体制を強化すること。また、専門職による高齢者だけの世帯の見守り活動を実施すること。

10.高齢難聴者に対して、区として補聴器の購入費を助成すること。都や国に対しても、補聴器購入助成を求めること。

11.75歳以上の高齢者の医療費窓口負担の2割への引き上げに反対し、区として住民税非課税世帯の医療費を無料にすること。また、後期高齢者医療保険料の低所得者の軽減策を復活するよう国に求めること。

12.国に対し、生活保護基準の引き下げをやめるとともに、高齢者加算の復活、住宅扶助費の削減の撤回を求めること。
 区の夏冬の見舞金を復活するとともに、住宅扶助の特例基準を適用すること。
 夏季の猛暑対策として、低所得者のクーラー設置費と電気代への助成を行うこと。
 福祉事務所の高齢者ケアセンター跡地複合施設への移設計画はやめ、本庁舎内に整備すること。

13.国に対して、障がい者が生活するために必要なサービスは原則無償にすること。また、障がい者が就労するために必要な支援についても自立支援給付の対象とするよう国に求めること。
 障がい者の就労支援施設に対する報酬単価の引下げを元に戻すよう国に求めるとともに区の助成を増やし、民間施設の運営の安定化を図ること。
 区として、グループホーム・ケアホームを増設すること。
 削減した福祉タクシー券の助成額を元に戻すこと。また、常時車椅子利用者が外出時にいつでも介護タクシーを利用できるよう、区が事業者と契約し、利用者には介護タクシー券を支給すること。
 移動支援については、直ちに必要なすべての人が利用できるよう通所や余暇へも拡大すること。不足しているガイドヘルパーを確保するために区独自の単価の上乗せを実施すること。
 駅での転落事故防止のために、国、都、鉄道事業者に対して、ホームドアの設置を急ぐとともに、未設置のホームについては、駅員を増員するよう、求めること。 

14.「住宅は福祉」との位置づけで区営住宅や高齢者住宅を増設すること。
 若者向けの家賃補助については、募集を復活すること。また、福祉型家賃補助の限度額を3万円に戻し、更新料補助を復活すること。都営住宅から移管された住宅については、東京都の家賃減免を引き継ぐ軽減策を実施すること。

15.小規模企業振興基本法に基づいて、地域経済を支える商店街、中小企業への支援を抜本的に強めるため、中小企業振興基本条例を制定すること。
 商店街の街路灯電気代は全額補助するとともに、商店街が行う買い物難民支援事業に助成すること。
 住宅簡易改修支援制度(住宅リフォーム助成制度)の拡充を図ること。公契約条例の対象となる工事契約額を5000万円まで拡大すること。

16.ジェンダー平等、多様性を尊重する社会の実現のために、すべての差別をなくす立場で、区民と区内事業者への啓発事業を強化すること。また、LGBTと女性に対する相談員を常駐させて相談事業の拡充をはかること。

17.渋谷駅周辺整備事業として、駅街区北側自由通路や桜丘口再開発、南口北側自由通路などに166億円もの多額の税金投入が進められている。東急グループをはじめ、大企業のための渋谷駅周辺再開発への税金投入はやめること。
 区立宮下公園整備のために三井不動産と結んだ定期借地契約は、党区議団が行った鑑定評価よりも190億円も安く、不当である。定期借地料の再鑑定を行い、区民に説明すること。
 区民の憩いの場である都市公園を、営利企業に儲けさせる指定管理やパークPFI手法は止めること。

18.産官学民連携で、公共財産やサービスを営利企業の儲けのために活用させる渋谷未来デザインへの税金投入や職員の派遣を中止すること。また、スタートアップ・エコシステムの拠点都市を目指すとして、グローバル企業のために職員や税金を使うことはやめること。

19.伊豆・河津町の第二保養所は、運営・維持費に年間約1億円以上もかかる上、今後の設備の改修や大規模修繕費用などで多額の税金を投入することは必至であり、区民から「遠くて、交通費も高い」「税金の浪費だ」という批判もだされており、廃止すること。

20.東京都に対し、広尾病院をPFI方式で整備することや都立病院の地方独立行政法人化の検討をやめるよう申し入れること。また、都の地域医療構想によって、広尾病院は78床も病床が削減されることになる。地域医療構想による病床削減を撤回し、区民の医療要望にこたえる医療提供体制を確立するよう求めること。

21.渋谷区上空を低空で飛行し、騒音や落下物、墜落など、区民のいのちと環境を危険にさらす羽田空港の新飛行ルート案は、白紙撤回するよう国に求めること。

22.国に対して、消費税を5%に引き下げるよう求めること。その財源は、大企業、大金持ち優遇税制をただすとともに、軍事費や無駄な公共事業にメスを入れて確保すること。

23.国に対して、9条改憲を中止するよう申し入れること。朝鮮半島の平和の激動を前に進めるために、9条を生かした平和外交を進めるよう求めること。
 立憲主義と民主主義を否定した戦争法(安保法)、特定秘密保護法、共謀罪法の廃止を国に求めること。

24.唯一の被爆国である日本政府として、国連で採択された「核兵器禁止条約」を一刻も早く署名し、核兵器廃絶の世界の運動の先頭に立つよう求めること。

25.福島原発事故によりいまだに4万人以上の人たちが避難生活を余儀なくされている。原発再稼働に多くの国民が反対している。原発ゼロ、再稼働の中止と自然・再生可能エネルギーへの転換を国に求めること。
 区として、給食食材の放射能測定を復活させること。

26.地球温暖化被害を抑制するために、国に対して、温室効果ガスの排出量を2050年までに「実質ゼロ」を目標に掲げるとともに、2030年までに1990年比で少なくとも40%~50%の削減を目標に、達成に全力をあげるよう求めること。石炭火力発電の新規増設は中止し、計画的に廃止するとともに、自然再生可能エネルギーへの抜本的転換を求めること。
 区として、CO2の削減目標を明確にし、地球温暖化対策条例を制定すること。

27.墜落事故を繰り返しているCV-22オスプレイの横田基地への配備撤回をアメリカに申し入れるよう国に求めること。沖縄県民の総意にそむく名護市辺野古への新基地建設を中止し、普天間基地の無条件撤去、沖縄東村高江の米軍オスプレイヘリパットの使用中止を求めること。

28.国に対して、公務員へのマイナンバーカードの強制を止めるよう求めるとともに、区として職員への強制はしないこと。マイナンバー制度は、情報漏えいを防ぐ完全なセキュリティは不可能であり、個人情報の漏えいが拡大している。政府に中止を求めるとともに、区として活用の拡大をしないこと。

29.8時間働けば普通にくらせる雇用を実現するために、国に対して、全国一律最低賃金制の導入と最低賃金1000円に引き上げ、1500円を目指すよう求めるとともに、そのための中小企業支援を求めること。

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