日本共産党渋谷区議団は、2月13日、渋谷区教育委員会が現在直営で行っている学校図書館専門員を、来年度から民間委託するとして、実質的に解雇しようとしている問題について、計画を撤回するよう、緊急に教育長に要請を行いました。
渋谷区教育委員会
教育長 豊岡 弘敏 殿
読書が子どもの豊かな成長にとって、有益であることは周知の事実です。小中学校において、読書を促すために、子どもたちと本をつなぐ学校司書の役割は、とても重要です。保護者や教育関係者の強い願いで、2015年4月には、「学校図書館法の一部を『改正』する法律」が施行され、第6条で「学校司書」が法的に位置づけられました。本区では、2014年度から区立の全小学校に、学校図書館専門員として配置されています。
学校図書館専門員は、担任や教科担当と連携した調べ学習など、その専門知識を生かして学校図書館を活用した授業支援を行っており、学校図書館の充実を図っています。また、子どもたちにとっては、読書をより身近なものにし、知的関心にこたえた読書活動を進めるために、子どもたちの成長に寄り添える継続した支援が求められます。学校図書館専門員が、こうした役割を発揮するためには、常勤で安定した専門職を、区が直接雇用することが必要です。
ところが、区教育委員会は、当事者との話し合いもなく、議会や区民にも知らせず、2月4日突然、学校図書専門員に対して「令和2年度の雇用形態について」との文書を発出し、新年度からの民間委託と実質的な解雇を通知しました。関係者からは、「子どものために一生懸命働いてきたのに、突然解雇とはひどすぎる」「民間委託されれば、雇用は不安定になり、継続したサポートができなくなる」「学校との連携が困難になる」などの怒りの声が寄せられています。
子どもの人格の完成と豊かな成長に責任を持つべき教育委員会が、学校教育の中でも重要な役割を果たす学校図書館専門員を、一方的に解雇するなど許されないことであり、子どもの教育にとっても悪影響を及ぼします。また、民間委託することは、教育に対する区の責任を後退させることになります。
よって、日本共産党渋谷区議団は、渋谷区教育委員会による学校図書館専門員の解雇、民間委託は撤回し、引き続き区が直接雇用するよう強く求めます。
以上
2020年2月13日
日本共産党渋谷区議団