日本共産党渋谷区議団は6月23日、五十嵐俊子渋谷区教育長に対して、渋谷区が計画している五輪パラリンピック観戦行事を中止するよう要請しました。五十嵐教育長は、「検討させていただきます」との回答でした。
2021年6月23日
渋谷区教育長 五十嵐俊子 殿
日本共産党渋谷区議会議員団
五輪組織委員会は、東京2020五輪・パラリンピック競技大会に、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行のもとでも、都内の公立学校81万人、私立学校9万人の児童・生徒を観戦させようとしています。渋谷区では、8月25日から9月5日に観戦が予定されています。
東京の新規感染者は増加傾向で、リバウンドが強く危惧されています。広がりつつある変異型コロナウイルスの感染力は従来型の2倍と言われ、子どもや若者にも感染が広がっており、保護者や学校現場からは、児童・生徒を集団観戦させようとしていることに批判と不安の声が上がっています。
神奈川、埼玉、千葉の3県では、公共交通機関を利用することによる感染リスクや、熱中症の危険から子どもを守ることを理由に、さいたま市や川口市、平塚市など、少なくとも48の自治体が観戦をキャンセルする意向を示しています。
都内でも、目黒区が、「東京都教育委員会が指定する公共交通機関の利用による観戦は、新型コロナウイルス感染症や熱中症の不安がぬぐえないことから、幼児・児童・生徒の安全・安心を第一に考え、中止する」とし、文京区も中止を決定しました。
日本共産党区議団は、東京五輪・パラリンピック大会の開催中止を強く求めています。たとえ開催が強行されたとしても、コロナ禍の下での五輪の観戦は、感染対策が不十分であり、変異株が拡大しているもとで子どもが感染しやすく重篤化する恐れがあることや、競技場への移動手段が公共交通機関であり密を避けることができないこと、炎天下でのマスクの着用は、熱中症の危険が高まります。
渋谷区でも、子どもや関係者の命を最優先にすべき教育委員会として、子どもたちを危険にさらす学校連携観戦を中止することを強く要望します。