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日本共産党渋谷区議会議員団

ご意見・ご相談

議会報告
REPORT

9月10日、牛尾まさみ議員が区議会本会議でおこなった一般質問の大要

1、防災対策について

 

①  地域防災計画を速やかに策定すること

はじめに区の地域防災計画について質問します。昨年5月に東京都防災会議が東日本大震災をふまえて作成した被害想定を発表しました。当区でも、震災対策基礎調査をもとにした被害想定が示されました。都の被害想定と比較すると死傷者、建物の焼失、避難生活者数のいずれも区の想定のほうが下回る結果となりました。区は被害の大きい都の想定で計画を策定していますが、都の数値は、雑居ビル、超高層ビル、がけ地、パニックなどの要因は考慮されていません。区の地域防災計画はあらゆる知見を踏まえた最大の被害想定をもとに作成するとともに、平成24年度修正の地域防災計画は速やかに公表すべきです。区長の見解をうかがいます。

 

②木造住宅の既存不適格建築物にも耐震改修工事費助成を

区は2008年に策定した渋谷区耐震改修促進計画の中で2015年までに耐震化率9割を達成するとされていますが、今年度の申し込み件数の実績は、耐震診断で12件、改修でわずか4件と遅々として進んでいないのが実態です。この要因の一つは、区が今年度からは既存不適格建築物に対して、一律に助成を行わないことを決定して運用していることにあります。私が相談を受けた広尾の方からは、「昨年度耐震診断を行って、今年改修をと思っていたが、コンサルタントから、建物の接道がないので区の助成は受けられませんと言われました。これでは改修工事に踏み切れません」と訴えられました。区長は昨年の第3回定例会の質問に、「区民の生命と財産を守る趣旨から、違法建築物に対しても改修助成を行う方向で検討してまいりたい」と答弁しています。新宿区では、最高額で300万円を助成する耐震補強工事費助成に加え、既存不適格建築物でも最高150万円の耐震助成を実施し、昨年度は53件、今年度も既に24件と当区を大きく上回る実績を上げています。当区でも助成額の引き上げを行うとともに、既存不適格建築物であっても区民の命と財産を守る観点から助成を行うべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 

③きめ細かな消火器の配置を

当区では、今年度、消火栓から直接水源を取るスタンドパイプが配備されていますが、ホースや筒先はなく、D級ポンプと兼用なので、新たな消火機材が増えたことにはなりません。スタンドパイプはホースや筒先などをセットで配備し、独立して使用できるようにすべきです。また、街路消火器は100mに一基配置とされていますが、本町6丁目の暗渠沿いにはなく、広尾の木造住宅が建て込んだ地域でも、わずか2基で、全く不十分です。道幅が狭く木造家屋が密集している地域については消火器をきめ細かく配置し、初期消火が行えるようにすべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 

④災害弱者対策として身近につくり人材確保を

区は災害時要援護者名簿を作成し、個別に安否確認や避難誘導などを行う体制を構築しようとしていますが、地域任せとなっています。また、特養ホームやはぁとぴあ原宿など10か所を福祉避難所としたほか、避難所となる学校の特別支援教室などを活用して共同生活が困難な避難者の対応をおこなうとしていますが、対応する福祉人材は確保されていません。区施設の活用とともに民間の高齢者、障害者作業所などとも連携し、特別な支援の必要な方々の身近なところに福祉避難所をつくるとともに、必要な人材を確保すべきと考えますが区長の見解をうかがいます。また、障がい者の通所施設に対して、施設ごとに発災時の対応を協議し、食糧など必需品の備蓄や通信手段の確保、耐震化の支援などをおこなうべきです。区長の見解をうかがいます。

 

⑤帰宅困難者対策で事業所の調査と助成を

渋谷駅周辺の帰宅困難者は約18万人に対し、確保できた受け入れ施設は最大でも約10万5千人で足りません。しかも、区は学校などの避難所は区民のための施設として、帰宅困難者を受け入れない方針です。しかし、東日本大震災の時のように、帰宅困難者が支援を求めて避難所に集まってくれば、排除することは人道的にもできません。そのための食料、水などの備蓄を行うべきと考えますが区長の見解をうかがいます。

東京都の帰宅困難者対策条例が4月1日から施行され、企業などに対して発災時には従業員が事業所内に留まれるよう、3日分の水や食料などの備蓄が責務として課せられました。しかし、経営的にも困難な中小企業では、備蓄を行うだけのゆとりがないとも聞いています。千代田区では従業員5~300人の中小企業に備蓄費用の3分の1または3分の2、10万円を限度に中小企業の備蓄を支援する制度を始めました。東京都とも連携して、区内各事業所の備蓄の準備状況を把握する調査を実施するとともに、必要な助成を行うべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 

2、保育問題について

 

①  民間の認定こども園をやめ廃園した区立保育園の再開を

桑原区政が進めている待機児対策は、民間の保育所型認定こども園の開設です。しかし、これは国の保育制度改悪を先取りし、区の保育に対する責任を後退させるものです。

「子育て新制度」で導入された認定こども園は、児童福祉法が定める認可保育園とは異なり、自治体が直接保育実施義務を果たす施設ではありません。このため、今後、入園は保護者と施設の間の直接契約が原則とされ、自治体は空きのある施設やサービスを調整、あっせんするだけで責任はなくなります。また、保育に株式会社などの営利企業参入がさらに進められます。結局、自治体の責任を後退させ、保育所探しを保護者の自己責任にし、保育を営利企業の儲けの対象にするもので許されません。

区長は、保育でも効率化を優先させ、子どもを犠牲にして認定こども園を次々と開設する一方で区立桜丘、西原、神宮前、上原保育園を廃止しましたが、来年度の待機児対策として再び、旧西原、神宮前、上原の保育園跡地に認定子ども園の分園を設置する提案を6月の第二回定例会で行ったのです。保護者や区民、職員の間からは、「区立保育園を廃止する必要は全くなかった」ときびしい批判が出されています。経費削減のための三か所の認定こども園の分園設置はやめ、旧桜丘も含め区立認可保育園として復活すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。また、待機児は認可保育園の増設で解消すべきです。あわせて区長の見解をうかがいます。

 

②  認定子ども園の保育条件の改善を

区内の認定こども園は、昨年1園、今年はあらたに4園が開設されましたが、すべて民間の施設として設置・運営されています。区立保育園と比べ、延長保育料は数倍、自主事業の一預かりの利用料は1.5~2倍と高くなっているのが実態です。また、今年の夏は猛暑だったのに、子どもたちのプール遊びは週2回に制限され、給食食材でも区立園ではこぼしたりすることも考慮して多めに作られているのに対して、認定こども園では定量ぎりぎりとなっているなど、水道代や食費まで採算優先の運営がなされているとも聞いています。子どもたちの保育条件に格差を持ち込むことは許されません。子どもたちの成長を何よりも重視する立場に立って、区が指導、改善を求め、区立保育園と同等の保育条件を保障すべきです。区長の見解をうかがいます。

 

③  恵比寿認定こども園設置を見直すべき

いま恵比寿地域では区長が強行しようとしている恵比寿公園内への認定子ども園の設置をめぐって住民の怒りと反対の声が広がっています。この計画を知った区民からは、なぜ公園なのかと疑問が出され、とりわけ、小学生の子どものいる保護者からは、子どもたちの貴重な遊び場が狭められてしまうのは認められない、他の設置場所を探すべきだとの強い意見も出されています。また、区は当面5年間と言っていますが、いったん設置されれば長期にわたるのではないかとの声も上がっています。地域住民に理解の得られていない恵比寿公園への認定子ども園設置はやめ、恒久施設にふさわしい適地を確保し、認可保育園として開設すべきです。区長の見解をうかがいます。

 

④  幼稚園を存続すべき

新橋、氷川、恵比寿地域の待機児は40人なのに、区長が、定員119人の恵比寿地域の認定こども園を開設しようとするのはなぜでしょうか。昨年の3月議会で区長は、臨川、広尾幼稚園について「しかるべき時期には、両園の統合も視野に入れつつ、幼保一元化施設の方法についてもさらに検討を重ね、準備してまいりたい」と答弁しています。恵比寿地域への認定子ども園の設置を契機に、恵比寿周辺の地域でも幼稚園の廃止を狙っているとすればとんでもないことです。臨川、広尾幼稚園は現在も毎年10人以上の子どもが入園している大切な幼稚園です。また、区議会は、一昨年の第4回定例会で「渋谷区の区立幼稚園存続を求めるための請願」を採択しているのです。区長は、区立西原幼稚園を存続し、臨川、広尾幼稚園を守ることを明言すべきです。区長の見解をうかがいます。

 

3、教育問題

 

①  本町小中一貫校の運営の改善を

区と教育委員会が強引にすすめた統廃合によって、本町小中一貫校では様々な矛盾が起こっています。保護者からは、「そもそも地域の誰も3校を一緒にしてくれなどとお願いしたことはない。設立の経過の中で要望は実現していくと言われたが、2年たってもちっとも改善されない」と怒りの声があっています。たとえば、クラブ活動は5年生から参加できますが、小学生向けの指導は行われずボールも小学生用のC球ではなく中学生用のB球が使用されているのが実態です。クラブ活動の指導は小中学生を分けるべきです。また、わが党が指摘しているように、小学校と中学校の文化をそれぞれ大切にした運営を図るべきと考えますが、教育長の見解をうかがいます。

 

②  本町小中一貫校の学校・プール解放を

一学年が3クラスになったことから、夏の放課後クラブも子どもたちであふれ、クラブ室で全員席に座って弁当を食べることさえできなかったと聞いています。校内の他の施設を開放して、子どもの生活第一の運営を行うべきです。教育長の見解をうかがいます。

本町小中一貫校では、中学生のクラブ活動のために校庭開放がなく、小学生が夏休みにプールを利用しようとしても、お金がなければ入れないのです。こどもたちに安全で自由な遊び場として、学校開放委員会を設けて他の小学校と同様に校庭開放、プール開放を行うべきと考えますが教育長の見解をうかがいます。

 

③  児童福祉センターの代替施設を

いま、本町地域では、子どもたちが自由に遊べる遊び場の確保が地域の保護者の大きな関心事になっています。小中学校の統廃合で小学校の校庭が使えなくなったことに加え、今年4月から児童福祉センターが建て替えのために閉鎖になりました。このため、子どもが公園や自宅で遊ぶようになったそうですが、7月には地域の公園で子どもが追いかけられる事件が起きており、安心して遊ばせる場所がないのが実態です。児童福祉センターの代替施設として開設された本町学園の第二体育館内の図書室は、区長がご覧になった時に一人の利用もなかったように、ほとんど利用されていない状況です。わが党が指摘したように、児童福祉センターのように指導員を配置して、きちんとした代替施設を作るべきです。区長の見解をうかがいます。

 

④  山谷、代々木小学校の統廃合計画を注視すべき

区と教育委員会は、山谷小学校の耐震補強工事ができないことを理由に建て替えを決定したばかりでなく、建て替え期間中は原則として山谷小学校の子どもを代々木小学校に転校させるとともに、校舎竣工後には両校を統合することを一方的に決定し、子どもと保護者、地域に押し付けてきました。代々木小学校では保護者の8割が反対していたにもかかわらず、統廃合が強行されようとしています。

代々木小学校に子どもを通わせているある保護者は、「私たちが心配していたことが現実に起こっています」と言われました。4月からは100人規模だった学校が300人規模に膨れ上がり、子どもたちも一気に変わった学校の様子に戸惑いがちで、これまでは、全校が家族的な雰囲気の中で異学年の子どもとも自然に仲良くなれた子どもたちの関係が壊され、保護者の間でも戸惑うことが多いと聞きました。また、放課後クラブでは、指導員のみなさんは頑張ってくれても、今までのように自然に遊ぶ環境はなくなっているとも言われました。代々木小学校が大切にしてきた小規模校の良さが、失われていることを感じさせられました。

代々木小学校への転校は教育委員会が決定したことであり、代々木小学校の小規模校としての教育環境を守ることは、当然、教育委員会の責任と考えますが、教育長の見解を伺います。また、代々木小学校をどうしていくのかは、保護者や地域の合意なしに決めることは許されません。7月には、代々木小学校のPTA役員を排除して山谷・代々木小学校を統廃合する新校設立準備会が開かれたと聞いていますが、こうしたやり方は許されません。教育委員会が一方的に決めた統廃合計画は白紙撤回し、山谷、代々木小学校を残すべきです。教育長の見解をうかがいます。

 

4、広尾、恵比寿地域の問題について

 

①  広尾駅へのエレベータ設置を

 7月29日、東京メトロによる「日比谷線広尾駅改良に伴う土木工事」の工事説明会が開催され、六本木よりの改札口付近に、平成30年度末の竣工予定で、ホームから地上までエレベータと上り専用のエスカレータが設置されるとのことでした。説明会では、広尾町会などが要望してきた恵比寿(広尾商店街)側の出入口のエレベータ設置を求める質問が複数の参加者から出され、メトロからは「検討はしている」との回答がありました。住民の強い要望である広尾商店街側のエレベータ設置にむけて、区としても要望すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 

②  恵比寿駅東口への屋根の設置を

この問題も駅利用者、区民の強い要望が引き続き寄せられています。区長は昨年、私の質問に「駅利用者の利便のため、天井上屋の設置については、今後、JRにも働きかけ対応してまいりたい」と答弁されました。恵比寿駅東口への屋根の設置についてJRとの協議はどのようになっているのか、実現を強く働きかけるべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

 

③  渋谷橋交差点の横断歩道を

明治通りと駒沢通りが交差する渋谷橋交差点は、歩道橋が設置されているため、横断歩道がありませんでしたが、住民の強い要望で2009年には、駒沢通りを渡る横断歩道が設置されました。しかし、明治通りを渡る横断歩道は、いまだになく、バギーを押したお母さんや、歩道橋の上り下りが困難な高齢者が自転車用の横断帯を横切る危険な姿も見られます。区長への手紙でも2012年に横断歩道設置の要望が出されていますが、すでに3年以上が経過しています。

また、自転車の安全な通行や横断歩道設置の妨げとなっている明治通りの広尾方向からの左折可の車線を見直し、自転車レーンの設置を求める声も寄せられています。渋谷橋交差点の明治通りをわたる横断歩道の設置をはじめ、渋谷橋交差点の改善について、区としてもあらためて都に求めるべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。

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