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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

いがらし千代子議員がおこなった「政府による『4月からの消費税増税実施中止を求める意見書』の提出を求める請願」の賛成討論

  私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただ今議題となりました政府による「4月からの消費税増税実施中止を求める意見書」の提出を求める請願に賛成の立場から討論いたします。

 

 本請願は、消費税廃止渋谷各会連絡会 代表 河田光博さんほか区内の商店会など94団体から提出されたものです。

 

 消費税増税に反対する第一の理由は、安倍自民・公明内閣が、4月1日から、消費税を8%に増税すれば、国民の負担増は8兆円、社会保障の負担増と合わせると10兆円もの大増税となり、国民の暮らしと経済に大打撃を与えることは明らかだからです。

 今でも国民の暮らしは、年金は引き下げられ、給料も上がらない中、ガソリンや灯油、食料品、ガス・電気代の値上げなどで深刻な状況となっています。昨年9月から12月に共産党区議団が区民のみなさんに行ったアンケートでも74パーセントの人が、「暮らしが厳しくなった」と答えています。

 実際、働く人々の賃金は、3月18日厚生労働省の発表でも、20ヶ月連続で前年を下まわっており、年金暮らしの高齢者の年金も昨年に引き続き、4月分からまた引き下げられます。今月24日に発表された共同通信の世論調査でも、77%の国民が「四月以降も収入は増えない」と答えているのです。

 さらに4月から、国民健康保険料と後期高齢者医療保険料の値上げが提案されると共に、現役世代の国民年金と介護保険料の値上げ、70才から74才の人医療費の窓口負担が1割から2割に段階的に引き上げることも決まっています。こんな中で消費税を引き上げれば、国民のくらしを圧迫し、国のGDPの6割を支えている国民の消費はさらに落ち込み経済も大打撃となることは明かです。

 

 第二の理由は、消費税は所得の低い人ほど負担が重い逆進性と中小企業に重い負担を求める不公平税制だからです。

  消費税が8%になると、年収250万円から300万円未満の世帯で、消費税の負担額は年間166000円にのぼり、負担率は年収1500万円の世帯の2.4倍にもなり、消費税は低所得者ほど負担が重くなる最悪の税制度です。

中小業者にとっても、消費税は赤字でも負担を強いられる「営業破壊税」です。日本商業会議所などの調査で、消費税が価格に転嫁できていない中小業者は、年間売り上げ1000万円から1500万円の層で71%、売り上げ1億円から2億円で50%となっています。転嫁できない業者は、身銭を切ることができなければ廃業するしかないのです。実際、渋谷駅近くで38年間飲食店を開いてきた方は「売り上げが年々減少し、夫婦で1日12時間働いても仕入れなど経費を引くと手元に残るのは月10万円、今年も消費税を32万円も払っているが、8%になると51万円。これ以上とても払えない」と閉店する決意をされました。区内ではこの3月までで廃業した店が多数にのぼっています。 

 一方、大企業には、消費税導入後255兆円もの減税を行うとともに、復興増税も1年前倒しで今年の3月で打ち切り、さらに消費税についても自動車メーカーなどの企業は、国内販売にかかる消費税は輸出還付金と相殺され、実際には納付しないだけでなく、元静岡大学湖東京至教授によれば、消費税が8パーセントに増税されることで大企業の輸出還付金総額は、51575億円に増額されるのです。

 大企業に減税を続けながら低所得者と商店、中小業者いじめの消費税増税はやめるべきです。

 

 反対の第三の理由は、政府は「消費税増税分5兆円はすべて社会保障に使う」といって新たに財源を増額し、充実するかのように宣伝していますが、それは事実ではありません。政府が示している増収分5兆円の使い道の42500億円は、これまで年金課税の強化や所得税、住民税の定率減税の廃止などで生み出した財源を当てていたものを、今度は消費税に置き換えるだけです。また、2000億円は社会保障支出分にかかる消費税増税分で、新たな社会保障の充実分として確保されるのは増税分のたつた1割の5000億円に過ぎません。

結局、安倍内閣は、既存の社会保障財源を消費税増税分に置き換えて、浮かした財源を大企業減税や不要不急の公共事業のばら撒きに使おうとしているのです。

 そればかりか社会保障と税の一体改革と称して、国民の社会保障切り捨ては、2015年までに、子ども手当の削減や、要支援者の介護保険外しと利用料の負担増などの介護保険の大改悪が実施されようとしています。さらに中長期的には、年金支給年齢を68才から70才までおくらせるなど、社会保障は良くなるどころか、一層の負担増と切り捨てが計画されているもので、消費税の増税で社会保障が良くなることはありません。

 

 反対の第四の理由は、消費税増税に頼らなくても社会保障の財源確保も財政再建も可能だからです。

 日本共産党は、巨大開発など不要不急の公共事業の見直しや軍事費の削減など歳出を改革し、富裕層に応分の負担を求めるとともに、大企業の優遇減税などを見直しすることで当面12兆円から15兆円の財源が確保できると考えています。

 今やるべきことは非正規労働者の正社員化や、中小企業支援を拡大し、国民の所得を増やすことで、消費税の増税は中止すべきです。

  すでに全国では140以上の自治体が消費税増税の中止を求める意見書や決議をあげています。

渋谷区議会も区民の暮らしと営業を守るため本請願を採択し、国に意見書をあげることを求めて賛成討論とします。

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