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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

第二回定例会(6月19日)で田中まさや議員がおこなった一般質問

1.医療・介護と高齢者・障害者福祉について

(1)「医療・介護総合法」についてです。

昨日、安倍政権が強行採決した「医療・介護総合法」は、要支援者を介護保険サービスから締め出すものです。渋谷区では、認定者の4割が訪問介護やディサービスを受けられなくなります。また、特別養護老人ホームの入所を、原則、要介護3以上に制限するため、区では、待機者の41%が入所できなくなります。さらに、年金収入で280万円以上の高齢者のサービス利用料を2割に引き上げ、医療では、急性期病床を9万床削減し、重病患者を病院から「追い出」すものです。

政府が受け皿といっている「地域包括ケア」は、訪問看護事業所は深刻な人手不足、介護職員も100万人不足しており、絵に描いた餅です。これでは、「医療崩壊」、「介護難民」という事態に追い打ちをかけるだけです。

区長は、区民の必要な医療や介護を切り捨てる「医療・介護総合法」を廃止するよう政府に求めるべきです。所見を伺います。

 

(2)次に、渋谷区の介護・高齢者福祉について、

①第1に、保険料・利用料の負担軽減についてです。

高齢者が、住み慣れた地域で、暮らし続けるためには、軽度の内に介護や高齢者サービスを活用し、重度化を避けることが必要です。昨年度の渋谷区の介護サービスの利用率は52.7%、要支援者では40%ですが、その中には、利用料が払えないなどの理由で必要なサービスが受けられていない実態があります。

幡ヶ谷在住の脳梗塞の男性は、月10万円の年金暮らしです。医師からヘルパーの利用を勧められましたが、生活が成り立たないため介護サービスを受けられません。その方は、「保険料だけは年金から天引きされる。これでは詐欺だ」と怒っています。

第6期介護保険事業計画の策定にあたっては、負担能力に応じた保険料と安心して利用できる利用料にすることが必要です。

まず、国庫負担の増額と応能負担の原則を強化して保険料を値上げしないよう、国に求めるべきです。区の第6期介護保険事業計画では、保険料の値上げはせず、すべての非課税世帯に対して保険料、利用料の負担軽減を拡大すべきです。区長の所見を伺います。

②第2に、介護・高齢者福祉サービスの充実についてです。

孤立死や熱中症対策の強化が求められているだけに、高齢者だけの世帯が、必要な介護・高齢者サービスを受けられるようにすることが必要です。

幡ヶ谷在住の一人暮らしの70代の女性は、認知症と精神疾患が進行し、本人は介護や通院が必要だとの自覚もなく衰弱していました。地域の方が地域包括支援センターに連絡して、やっと要介護認定も受け、通院も可能になりました。地域の方は、「ひとり暮らしの高齢者を介護に結び付けるには、専門家の力が必要」と訴えています。

ところが、地域包括支援センターは相談やケアプランで手一杯、「見守りサポート協力員」による見守りも本人の了解が必要で、対象も10人程度です。地域包括支援センターの職員からは「訪問活動を専門にする介護職員が必要」との声が上がっています。

港区では、有資格者が、介護保険や高齢者サービスを受けていない高齢者だけの世帯を訪問し、必要なサービスにつなげています。

地域包括支援センターの職員を増員して体制を強化するとともに高齢者だけの世帯を訪問して必要なサービスにつなげるべきです。また、区独自に行っている、ひとり暮らしや高齢者世帯の要支援者へのホームヘルプサービスの利用限度を、現在の週3回から週4回に拡大し、ディサービスも拡大すべきです。区長の所見を伺います。

③第3に、認知症高齢者の徘徊による行方不明対策についてです。

先日は、行方不明になっていた渋谷区の男性が、18年ぶりに発見されました。平成24年から25年の間に行方不明となった高齢者は区内で10人です。それなのに、区の「徘徊高齢者探索システム利用助成」は廃止されたままです。

徘徊傾向のある認知症の高齢者には、GPS探知機を無料で配布すべきです。区長の所見を伺います。

④第4に、特別養護老人ホームの待機者解消についてです。

区の特養の待機者は、この4月には681人と半年で31人も増えています。「何年待っても入れない」との実態はますます深刻です。それなのに、区の特養老人ホームの整備計画は、平成30年度完成予定の本町東小跡地複合施設の100床だけで、ケアコミニュティ・原宿の丘の計画は頓挫しています。

 第1に、区として、本町東小跡地特別養護老人ホーム整備計画を前倒し、ケアコミニュティ・原宿の丘の特養整備計画を復活するなど、待機者を解消すべきです。第2に、国や都に対して特養老人ホーム建設に対する補助制度を復活するよう求めるべきです。第3に国有地、都有地の無償貸与を求めるべきです。第4に、グループホーム、小規模多機能介護施設を計画的に整備すべきです。以上4点について、区長に所見を伺います。

⑤第5は、第6期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画についてです。この計画の策定に当たっては、区民、利用者の声を充分反映するために、介護利用者や家族が参加できるように出張所ごとに複数回の住民説明会を開催すべきです。区長の所見を伺います。

 

(3)次に、障害者福祉と難病患者施策の強化についてです。

障害者の親の高齢化がすすみ、障害者のグループホームの増設は待ったなしです。幡ヶ谷にお住いのダウン症の子どもの両親はともに80代です。「自分たちがいなくなったら、子どもはどうやって暮らせば良いのか」と訴えています。ところが区の障害者グループホーム整備は、民間任せで進捗していません。

住み慣れた地域で住み続けたいとの切実な願いに応え、区が主体となって障害者のグループホームを整備すべきです。区長の所見を伺います。

5月に成立した「難病医療法」は、対象疾病を300以上へ拡大したものの、難病の既認定者の内、住民税非課税世帯では、医療費自己負担が無料から大幅な負担増となります。気管切開による人工呼吸器の装着者は、無料から月1000円に引き上げられ、「息をするだけでお金を取るのか」との厳しい批判の声が上がっています。

低所得者の医療費自己負担や生きるために不可欠な装置は無料にするよう政府に求めるべきです。また区として自己負担を無料にすべきです。区長の所見を伺います。

 区が、特定疾病患者福祉手当を心身障害者福祉手当に統合したために、月額15,500円の手当を受けている人の内、重複支給や所得や年齢による制限で1450人の手当が削られ、合計9,289万円も削減されることになります。

 例えば多発性硬化症は、視覚障害、運動障害、感覚障害、知力低下など様々な症状が発症し、徐々に進行する難病ですが、診療科が多く、医療費助成を超える自己負担分が大きな負担です。また、急な体調変化の度に、通院のための交通費などに多額の負担がかかり、「特定疾病福祉手当」が削られれば、治療も生活も大変になります。

 「特定疾病患者福祉手当」は、今まで通り給付すべきです。また、精神障害者にも、福祉手当を支給すべきです。区長の所見を伺います。

 

2.教育について

(1)まず、渋谷区の教育行政について

 政府の教育委員会改革は首長の政治介入を拡げると、全国の教育関係者から強い批判の声が上がっています。区では、本町の2つの小学校と1つの中学校の統廃合、区立西原幼稚園の廃園、代々木小と山谷小の統廃合などを、区長のトップダウンですすめています。教育委員会は、子どもの学ぶ権利を保障するために、独立した行政機関として、子ども、保護者、学校関係者、住民の声をしっかり受け止めた教育行政をすべきです。

その立場で、代々木小学校の小規模校の良さがなくなるなど8割の保護者が反対し、住民からも、「地域の子育てとコミュニィティの拠点である学校がなくなれば、地域がさびれる」など批判が上がっている山谷・代々木小の統廃合は中止し、両小学校とも存続すべきです。区長に所見を伺います。

また、施設一体型小中一貫校渋谷本町学園については、先日の中学校の運動会でも、学校関係者から、「今年度もまた、それぞれの特性を生かすために、運動会は小・中学校別開催です」と発言されているように、「小学生は小学生らしい生活、中学生は中学生らしい特性を生かした学校生活の必要性」が強調されています。

教育委員会として、学校、保護者、地域も参加して施設一体型の小中一貫校について検証し、子どもの成長に合わせた学校生活を保障すべきです。教育長に所見を伺います。

 

(2)次に、青少年対策などの事業について

区は、平成24年度から区内11の青少年対策地区委員会の借上げバスの補助を廃止し、今年は703人が利用した区民スケート教室、1地区10万円の地区体育会の保険料補助、全小学校で昨年5757人が利用したプール開放を中止し、今後、学校施設開放の有料化を検討するなど、財政削減を理由に次々と子育て支援策を切り捨てています。

ある青少年対策地区委員会は、毎年、バスを借り上げて峰の原青少年山の家にスキーツアーに行きますが、借上げバス補助が廃止されたため、参加者の負担が増えたり他の行事を縮小するなど大変困っています。青少年対策地区委員会や体育会、PTAなどは、よりよい子育て環境をつくり、子どもたちの健やかな育ちを応援するために、懸命に努力しています。子育て関係予算の削減は、こうした努力を踏みにじるもので許されません。

青少年対策地区委員会の借上げバス補助は復活すべきです。区長に伺います。区民スケート教室、地区体育会の保険料補助は復活し、プール開放の中止、学校施設開放の有料化は止めるべきです。教育長の所見を伺います。

 

(3)次に、社会教育館の団体登録・更新について

これまで、構成員の氏名と住所だけだった更新手続きが、今年は、それに加えて、生年月日の記入と保険証などの身分証明書のコピーの添付まで求めています。これに対して、多くの区民や登録団体から、「個人情報の保護に反する」、「区民を疑っているのか」と批判と怒りの声が上がっています。

社会教育館の団体登録や更新に際して、身分証明書のコピーの提出を義務付ける措置は直ちに撤回すべきです。教育長の所見を伺います。

 

3.防災対策について

①中央防災会議は、首都直下型地震の被害は、都内で33万棟の家屋の倒壊と1万3千人の死者が出ると想定しています。一方、東京では、建物の耐震化率を引き上げ、出火を防止する設備を普及するなどで、死者は4割以上削減できると試算しています。区民のいのちと財産を守るためには、倒れにくく、燃えにくい街づくりが必要で、予防重視の震災対策へと転換しなければなりません。

まず、本町、千駄ヶ谷、初台区民会館、幡ヶ谷社会教育館は、直ちに耐震化すべきです。区長の所見を伺います。

②次に、住宅の耐震化についてですが、渋谷区地域防災計画では、民間建築物の耐震化の目標を平成27年までに90%としています。しかし東日本大震災後も悉皆調査は行わず、昨年度の耐震補強工事費助成はわずか9件と、住宅の耐震化は、区民の自己責任にされています。

木造住宅の耐震補強工事は、一般的に300万円程度必要といわれています。その場合、区の耐震補強工事助成では、一般改修では現役世代の本人負担が200万円も必要となるのです。区民が、「生活がやっとで、耐震工事などできない」、「いったん工事費全額支払わなければならず断念した」と訴えているように、耐震補強したくてもできないのです。

新宿区では、耐震補強工事費助成は、住民税非課税世帯で最高300万円が上限です。

③区の耐震化目標を達成するために、第1に、再度悉皆調査を行い、耐震が必要なすべての家屋に対策を講じるべきです。第2に、耐震補強工事費助成の最低助成額を100万円まで引き上げ、合わせて助成上限額も引き上げるべきです。第3に、助成の仕方は、委任払い制度を導入すべきです。以上3点について、区長に所見を伺います。

④次は、老朽空き家対策ですが、国交省の調査では、渋谷区の空き家率は、21.2%と増加傾向で、住民から防犯、防災上の危険を訴えられるケースが急増しています。足立区では、危険な老朽空き家に対して、所有者に指導・勧告し、除却費用の半額を最高100万円まで助成しています。

本区でも、老朽空き家の所有者に対する指導・勧告を強化し、除却費用に対する助成を行うべきです。区長の所見を伺います。

⑤次は、通電火災対策ですが、中央防災会議は、通電火災を防ぐ感震ブレーカーなどの100%配備の方策を緊急に実施すべきとしていますが、本区では、通電火災対策はありません。横浜市では、感震ブレーカー設置費用の半額を助成しています。

本区でも、感震ブレーカーの設置助成をすべきです。区長の所見を伺います。

⑥次は、防災公園についてですが、区は、幡ヶ谷2丁目に5000㎡の防災公園用地を取得するために32億円もの税金を投入しようとしています。住民からは、「都営住宅とマンション群で囲まれ接道も悪い場所で、火災が起きれば袋の鼠。防災の役に立たず、土地購入先にありきだ」、「幡ヶ谷3丁目や本町地域から、避難所と逆方向の防災公園に移動する避難計画などありえない」と怒りが広がっています。32億円あれば、1000件以上の耐震補強工事の助成ができます。

幡ヶ谷2丁目防災公園計画は白紙に戻すべきです。区長に所見を伺います。

 

4.公契約条例について

公契約条例については、わが党区議団は、一貫して、対象工事金額を5000万円以上にし、委託契約、指定管理にも適用し対象を拡大するよう求めてきました。

区長は、先の労働報酬審議会で、委託契約も対象にすると発言されたと聞きましたが、どのような内容で、いつから実施するのか、区長に所見を伺います。

指定管理は公的事業であり税金も使われています。そこで働く労働者の労働条件を確保し、公共サービスを良好に保つことは公契約条例の目的から当然です。

「指定管理」も公契約条例の対象とすべきです。また、対象となる工事の下限額を5000万円まで拡大するとともに、労働報酬下限額を下回る賃金で働かせることの無いように、支払った賃金の報告を求めるべきです。区長に所見を伺います。

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