私は日本共産党渋谷区議団を代表して区長に質問します。
はじめに、安倍内閣の暴走政治をストップさせ、区民の命とくらしを守る立場から区長に質問します。
1、第一に、平和憲法を守る問題です。
日本共産党は、過激武装組織ISによる日本人殺害事件などの残虐で卑劣なテロ行為を断固として糾弾するとともに、ISへの対応で最も大切なのは、国際社会が一致結束し、国連安保理決議に基づいて外国人戦闘員の参加を阻止し、資金源を断ち、テロ組織を武装解除と解体に追い込んでいくことだと主張してきました。
ところが、安倍首相は、テロ事件を機に「海外で戦争できる国づくり」を一気に進めようとしています。また、「憲法改定は自民党の結党以来の目標」だと公言して、来年夏の参院選後に憲法改正を発議、さらに最大の眼目である9条改定と「国防軍」の創設を狙っています。
今年は戦後70年の節目の年です。日本が戦後、戦争によってただの一人の外国人も殺さず、日本人の犠牲者も出さなかったのは、憲法9条があったからにほかなりません。9人の著名人が呼びかけた「9条の会」が7000を超えて、全国の津々浦々で大きく発展し、区内でも渋谷9条の会と各地域、職場9条の会を中心に憲法を守ろうと運動が進められています。こうした草の根の運動が世論に反映して、どの世論調査でも集団的自衛権にもとづく自衛隊の海外派遣については反対が過半数を占め、憲法を守る世論は国民の多数派です。
区長は、憲法に基づく平和国家の歩みを否定して安倍政権が進める「戦争できる国づくり」に反対し、区民の命と安全を守る責任を果たすために、政府に対し憲法9条を守るよう求めるべきです。見解をうかがいます。
つぎに、消費税10%増税の中止と社会保障削減路線の撤回を求めることです。安倍首相は、大企業に1兆6千億円の法人税減税をする一方で、国民には消費税増税を押し付けてきました。しかし、昨年は、GDPの成長が止まり、勤労者の所得は18か月連続で減りつづけ、年金も減る一方で、物価が値上がりし、庶民のくらしはいっそう悪化しています。また、政府の新年度予算は、社会保障費の自然増削減路線を復活し、4月からは、医療、介護、年金、生活保護などの大改悪で1700億円も削減するとしています。日本共産党区議団が行った暮らし・区政についてのアンケートには、「電気・ガス・水道・税金・医療費・食費を払い、たまに衣料品を購入するだけの生活です。楽しみは何もありません」また、「消費税を増税しても社会保障は削減ばかり。政府に騙されているのは明白だ」などの怒りの声が渦巻いています。日本共産党は消費税増税に頼らず、①大企業と富裕層に応分の負担を求める税制の抜本的改革、②国民の所得を増やして経済を立て直す二つの改革で、それぞれ20兆円の財源を確保することを提案しています。中小業者団体などで構成されている消費税廃止渋谷各界連絡会は、赤字でも売り上げがあれば課税される消費税の増税は死活問題として、区内の全商店街への要請行動と宣伝、署名を精力的にすすめています。
区長は、区民の願いにこたえ、くらしと営業を破壊し、景気を悪化させる消費税の10%増税の中止と、社会保障費の削減をやめるよう国に求めるべきです。見解をうかがいます。
2、次に3期12年間の桑原区長の政治姿勢についてです。
第一に、桑原区政は、区民の意見に耳を傾けず、区長の独断で次々と区政の重要問題が決定してきました。その最たるものが、民間資金による庁舎建替えの説明会での区長の態度で、区民の意見を切り捨て区の説明責任さえ放棄したまま、計画を強行する姿勢に終始しました。また、施設整備計画を突然発表し、学童館の全館廃止、本町、本町東小学校、本町中学校や山谷、代々木小学校の統廃合を強行しました。また、「幼稚園は非効率だ」と言って区立中幡幼稚園を廃止し、議会が区立幼稚園の存続を求める請願を採択したにもかかわらず西原幼稚園まで廃止。さらに、区立桜丘、西原、上原、神宮前保育園を廃止し、公的責任を後退させてきました。
私は、区民の声を聞かず、子どもたちまで財政削減の犠牲にする住民無視の区政はやめるべきと考えますが区長の見解をうかがいます。
第二に、税金の使い方について質問します。区長は就任した2003年以降、区民に対して、毎年のように国民健康保険料や介護保険料、後期高齢者医療保険料などの負担増を押し付けてきました。このため、国民健康保険料の滞納世帯は約3割へと増加し、年金受給者からは、「振込通知のはがきが来るたびに年金額が減っている」という怒りと不安の声が数多く寄せられています。また、高齢者、障害者の配食サービスの廃止や家賃補助の削減、特定疾病患者福祉手当の廃止、学校運営費を削減して習字の半紙まで保護者に負担させるなど、福祉や教育予算の切り捨てがおこなわれました。
その一方で、大企業のための渋谷駅周辺再開発には北側自由通路に15年間で20億円、南口自由通路の全額区費負担による建設、桜丘地区開発に新年度だけで5億7600万円など、多額の税金投入です。また、区長の前住所地隣の富ヶ谷二丁目の公園整備に12億円、伊豆・河津町の第二保養所に5億円など、税金の無駄遣いが進められ、幡ヶ谷防災公園地取得にも32億円の支出が予定されています。
区長は、悪化する区民生活を守るために、税金の無駄使いをやめ、基金の活用も含め、税金の使い方を、福祉、くらし、教育第一に切り替えるべきです。区長の見解をうかがいます。
第三に、桑原区政は、東急電鉄からの毎年1000万円の寄付に加え、住友不動産からは一昨年に3000万円もの寄付を受け、東急不動産からはスポーツセンターグランドの人工芝化で3億6千万円の提供を受けるなど、他の自治体にはない大企業からの多額の寄付を恒常化させてきました。
その一方で、区は、旧桜丘保育園や旧代官山防災職員住宅など、区の施設を営利企業に儲けの材料として格安で貸し出しています。また、東急ヒカリエ建設のための区道の付け替えや、住友不動産の鶯谷開発許可などについて、区民からは、便宜供与ではないかと言われています。また、東急不動産や住友不動産は庁舎建替え案の応募事業者として名を連ねている企業です。
区長は区政をゆがめ、区民の行政への信頼をそこねる、営利企業からの寄付の受けとりはやめるべきと考えますが、見解をうかがいます。
3、庁舎建替え問題
つぎに区政の最大の問題となっている庁舎建替え問題についてです。新年度予算には、民間資金による庁舎建替えを強行するため、仮設庁舎の建設費やリース料、旧東京都児童会館跡地の土地賃借料や引っ越し費用など、18億円以上が計上されています。しかし、住民不在の庁舎建設をこのまま認めるわけにはいきません。
まず、区民の意見を聞き民主的に決める姿勢をもつことです。
昨年11月に区が初めて行った、新庁舎・公会堂整備案の住民説明会は、住民説明会とは名ばかりの形式的なもので、「説明会」などと言えるものではありません。区長は「設計もできてきた。建て方がこれでいいのか意見を聞きたい」とあいさつで言いながら、「区民に情報を公開し、住民の声を聴きながら決定すべき」「建て替えか耐震補強か、住民にも意見を聞いて判断すべき」「なぜ三井不動産に決まったのか。5社の応募内容はどうだったのか」など、区民から出されたほとんどの質問に答えず、反対意見は「見解の相違」「議会が建て替えを議決した」として切り捨て、区民の意見にはことごとく反論し、聞く耳を全く持たない姿勢に終始しました。
大切な区民の財産である庁舎の耐震化を区民無視で強行することは許されません。区長は、区民の声をよく聞き、民主的に決める姿勢をとるべきです。区長の見解をうかがいます。
次に区民が納得できる説明会を開くことです。
区は、区議会に昨年5月と10月の二回にわたって、区民の意見を取り入れた計画の説明会を開くと報告していました。ところが2月2日の庁舎問題特別委員会では、区が2月におこなうと言ってきた、再度の説明会さえ開催しないと答弁したことです。これは、区民の意思を確かめることもないまま区の計画を強行することにほかなりません。区民からは、20回30回と説明会を開くべきだという意見を区長も聞かれたではありませんか。
区長が自ら行うとしていた説明会さえやらないと決めたことは、区民を欺くもので認められません。区長は、説明会を繰り返し開き、区民の質問に答えるべきです。見解をうかがいます。
次に民間マンションの事業が一切明らかにされていないことです。
区の計画は、三井不動産に庁舎の敷地の約3分の1の4565㎡を70年間もの長期にわたって貸し付け、三井不動産はそこに超高層マンションを建て、その売却益で庁舎と公会堂を建替えようという事業です。区は財政負担ゼロと言っていますが、区民は本来、住民のために使うべき土地を70年以上も使えなくなるという大きな犠牲を払っているのであり、決してただではありません。ところが、最新の区ニュース特集号にも民間マンション事業は一切触れられていません。
説明会の中でも、三井不動産の建てるマンションについての説明は一切しませんでした。その後の庁舎問題特別委員会に報告したのは、権利金を154億円から211億円に57億円引き上げたことと、37階建のマンションの階高を39階に変更することを口約束で合意したということだけでした。こんな大切な合意事項を口頭の約束で済ませることはあり得ません。
民間の事業だと言って、区民が知りたいことを明らかにしないことは許されません。三井不動産のマンションの高さ、戸数、容積率はそれぞれいくらになるのか、また、権利金が211億円になった資金計画では、民間活力事業の建築費と分譲収入、新庁舎・マンション以外のその他建築費はいくらか、また、事業者の経費・利益等はいくらなのか、区長にうかがいます。
何人もの区民から、70年後に庁舎の敷地が必ず返ってくるのかという疑問が出されました。区は、基本協定に三井不動産の責務として更地変換することを書き込むことで、担保したと言っています。しかし、特別委員会で明らかにしたのは、解体積立金等を担保するというあいまいなもので、これでは保証になりません。区長は三井不動産に具体的にどのような方法で70年後に区の土地を確実に返還させるのか、お答下さい。
次に基本協定等の変更についてです。
区長は、建築費が高騰したからと、昨年3月に結んだ三井不動産との基本協定をわずか半年で変更するとして、今定例会に基本協定締結の変更案と、定期借地権の設定の変更を提案しています。区民からは、「こんなことを許してしまえば、70年の契約期間中に何回でも変更できることになる。こんなことは認められない」と厳しい批判が寄せられています。
議会で議決した定期借地権の範囲や権利金の変更をしなければならなくなったことは、当初の計画が破たんしたことにほかなりません。また、資金計画を154億円から211億円に変更するのは、三井不動産の利益を保証するための変更にほかなりません。
破綻した基本協定と定期借地権の設定の変更を再議決することは認められません。区長の見解をうかがいます。
次に計画を白紙に戻すことにつてです。
区が庁舎建替え計画を区民に納得のいく説明もせず、意見も聞かないまま強行しようとしていること、区民の共有財産である庁舎の敷地を70年間も三井不動産に差し出す手法、三井不動産の利益のためにわずか半年で、基本協定等を変更することなど、どれひとつとっても庁舎建て替え計画は、区民の理解を得られるものではなく、強行は認められません。また、東京都の都税事務所と水道局営業所が仮設にも新庁舎にも入らず、区民サービスが低下することは明らかです。
昨年12月には区民有志で立ち上げられた「庁舎の耐震問題を考える会」をはじめ、多くの区民が計画を白紙に戻して住民参加で練り上げることを求めています。区の計画は白紙に戻し、将来の庁舎のあり方については、広く区民参加を保障するとともに専門家もまじえた検討会を作り、計画を練り上げていくべきです。区長の見解をうかがいます。
4、つぎに区民が安心して医療、介護を受けられるようにすることについて質問します。
まず、国民健康保険料と医療費の窓口負担についてです。
日本共産党渋谷区議団のくらし・区政についてのアンケートには、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料の引き上げで、負担が重くなったと答えた人は、67%にのぼり、「増税、値上げのオンパレード。いつまで続くのか心配」「今やっている守衛の仕事が終わると手取り8万円を割る年金だけになり暮らしていけるか不安」などの声が寄せられています。
新年度の国民健康保険料は、医療分と後期高齢者支援均分の合計で均等割りが1500円引き上げ44700円になります。若い夫婦と子ども1人の3人世帯で給与収入が300万円の場合の保険料は、26万8137円で一カ月分の給料以上となり、4年前に比べ6万146円、区長が保険料を据え置いた2004年に比べ15万7905円もの値上げになります。保険料の負担は限界をこえています。
今でさえ滞納者が3割近くを占めているのに、さらなる保険料の引き上げは、ますます保険料を払えない世帯を増やし、区民を医療から遠ざけることにつながります。高い保険料の値上げを中止し、引き下げるべきです。区長の見解をうかがいます。
2013年度は国保料滞納者に対する短期保険証が865件、資格証明書は63件も発行されています。資格証になれば医療費を全額払わなければならず、経済的な理由で滞納している方々は事実上医療が受けられなくなってしまいます。短期保険証、資格証明書の発行はやめるべきです。区長の見解をうかがいます。
70歳~74歳の高齢者の医療費窓口負担は、昨年4月以降70歳になった方から2割負担に引き上げられました。新たに70歳になったある女性からは、「年金だけでは生活できず仕事もしているが、医療費が2割負担では不安」と怒りの声をあげています。区長は医療費窓口負担の引き上げに反対するとともに、失業や急激な所得減少で支払いが困難になる低所得者に対して、区長の判断でできる窓口負担の軽減対象を拡大すべきです。区長の見解をうかがいます。
日の出町では、75歳以上の高齢者の医療費を無料化する助成制度を拡充し、今年2月から診療を受けた70歳以上74歳までの医療費のうち、月額2000円を超える部分について全額助成することを決めています。こうしたことが可能になったのは、75歳以上の医療費を無料にしたことで一人あたりの年間医療給付額が3年間で2万4千円近くも減り、早期発見早期治療の効果が表れたからです。当区でもこうした経験に習い、住民税非課税世帯の高齢者から医療費窓口負担の無料化に踏み出すべきです。区長の見解をうかがいます。
次に介護保険についてです。
渋谷区の新年度の介護保険料の基準額は現在の月5150円から5630円に引き上げることが示されました。区は保険料段階を11段階から14段階に増やしましたが、最も所得の低い第1段階と世帯に課税者がいる4段階以上は軒並み値上げとなっています。年額の保険料基準額は6年前が5万1840円、3年前が6万1800円、新年度が67560円と改定のたびに上がり続けており、区民からは、「介護保険料が高すぎる。見直しのたびに年金がどこまで引かれるのかと不安に思う」などの悲鳴が上がっているのです。一般会計からの繰り入れを増やして保険料の引き上げはやめ、区独自の保険料軽減を非課税世帯にまで拡充すべきです。区長の見解をうかがいます。
次に利用料についてです。
国は、今年8月からの利用料について、合計所得金額が160万円以上の「一定以上の所得者」については、利用料を2割に引き上げ、介護保険制度始まって以来の1割負担の大原則を崩そうとしています。負担割合の引き上げを許せば、なし崩し的に拡大されかねません。区として負担割合の引き上げをしないよう国に申し入れるべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。また、区が独自に行っている介護保険利用者負担額助成の対象者の預貯金額制限を撤廃し、住民税非課税世帯にまで拡大すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
4月からの介護保険制度改悪で、要支援者を介護保険から外し地域支援事業に移行する、特養申し込み資格を原則要介護3以上に制限するという2つの大改悪が行われようとしています。渋谷区では軽度者のサービスについては、新年度も引き続き介護予防給付として存続させるとしていますが、最長でも2年間で移行することが求められます。3分の2以上の自治体が2年先に先送りするとしていることは、移行の困難さを示すものにほかなりません。
介護保険制度の2つの大改悪をやめ、元に戻すよう国に働きかけるべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
本来の地域包括ケアシステムの構築とは、医療、介護、予防、住まい、生活支援などの各分野にわたる課題について地域団体、住民、関係機関が協働した地域ごとの支え合いの仕組みづくりであり、その要となるのは地域包括支援センターです。区は、認知症対策の拠点として4か所の地域包括支援センターに専門職員を増員し、認知症カフェや相談窓口を設置することは評価します。さらにすすめて区内11カ所の地域包括支援センターに専門の常勤職員を増員し、区が責任をもって地域包括ケアシステムを構築するべきです。また、認知症対策については、高齢者一人一人にきめ細かく対応できるよう保健師を増員すべきです。区長の見解をうかがいます。
国が示した新年度からの介護報酬は、特養ホームの場合、約6%も減らされます。東京都高齢者福祉施設協議会が行った緊急調査では、現在でも約半数の特養ホームで職員不足が生じていることが明らかになりました。けやきの苑西原では、「今度の介護報酬削減で1455万円の減収が生じる。処遇改善加算があっても、全体の報酬は減っていく」と言っています。区は国に対し、介護報酬の引き下げを中止するよう求めるべきです。区長の見解をうかがいます。
けやきの苑西原の場合、さらに指定管理料が新年度も減らされ、来年4月以降はゼロになります。これでは、施設が必至に守っている入所者のサービスも保障されません。けやきの苑西原の指定管理料の見直しと直営化を行うとともに、旧本町東小学校跡地の特養ホームも直営にすること、また、区内のどの特養ホームでも、これまで通りの運営が確保できるようにし、さらに、区として介護職員の確保と処遇改善に向けた支援を行うべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
当区には特養ホームの待機者が683人もおり、入所施設が必要なのに入れない高齢者が数多くいます。経管栄養が必要な障害者の夫を介護している女性からは「主人は要介護4で西八王子の病院に入院していますが、できれば住み慣れた区内特養ホームで残りの人生を送りたい」と切実な願いが寄せられています。2018年5月に開設予定の旧本町東小学校跡地の特養ホームだけでは不十分です。ケアコミュニティ原宿の丘の小規模特養を当初計画通りに進めるとともに、東京都が特養ホームなどの建設を促進するために開始した用地確保への助成制度なども活用しながら、計画的に増設すべきです。また、施設計画に当たっては、低所得者も利用できる多床室を備えた施設とすべきです。区長の見解をうかがいます。
5、つぎに、河津さくらの里しぶやについて質問します。
区は、昨年、築50年の建物を含む旅館を買い取り、伊豆・河津町に第二保養所を開設しました。この施設には、昨年の当初予算で取得費に1億1千万円、開設にむけた改修費に8000万円、耐震診断に600万円、運営費に4300万円、合計で2億4000万円をつけました。さらに耐震診断の結果は、大地震の際に倒壊する危険が高く、区民の安全を保障できないものと判明しました。その後、区は、東館、大浴場の建て替えを決め、さらに2億6000万円が補正予算として組まれ、経費の合計額は5億円を超えました。
今年2月に4人のグループで施設を利用した方の話では、他の宿泊客は一組2人だけで、従業員の話では、ほとんどの客はバスで来るシニアの宿泊者だそうです。風呂に行く送迎バスが出てしまったのでその日は風呂に入らず、翌朝に入ろうと思ったが、町営の温泉会館は朝10時からで結局入浴もできなかったそうです。河津駅からタクシーを利用したので交通費と宿泊費で合計で2万円もかかった。二度三度と行く気にはとてもなれないと話していました。
区は新年度の運営費として、1億5000万円もの予算を計上しています。また、強度不足で危険な東館の一部を区民に使わせていることは重大です。私は区民の要望もないまま取得、開設したこの施設を運営し続けることは、区民の安全無視、税金のムダ使いと考えます。河津さくらの里しぶやは廃止すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
つぎに渋谷駅周辺再開発についてです。
区は渋谷駅周辺再開発の北側自由通路、南口自由通路に加え、新年度予算で新たに渋谷駅桜丘口地区第一種市街地再開発事業の補助金がつけられ、将来にわたって大な税金投入が進められようとしています。この地域は、2005年に都市再生緊急整備地域に指定され、さらに2011年には外国企業を呼び込むとされるアジアヘッドクォーター特区に、翌年には特定都市再生緊急整備地域に指定され、世界一企業が活動しやすい地域にされようとしています。まさに大企業の利益最優先の都市再開発です。
渋谷駅周辺整備事業の新年度予算1億9821万1千円のうち、北側自由通路整備事業への支出はいくらになるのか、また、そのために国や都から受ける補助金は各々いくらになるのか伺います。
新たに開始される桜丘地区の第一種市街地再開発事業は、180mの事務所棟に国際医療施設、150mの住宅棟に外国人向けのサービスアパートメントや子育て支援施設を備えており、外国企業を呼び込むための再開発事業となっています。新年度この事業に、5億7600万円の補助金が計上されていますが、このうち、国、都からの補助はそれぞれいくらになるのかうかがいます。さらに2020年の完成までの総事業費はいくらになるのか、それに対する補助金の総額はいくらになるのかうかがいます。
現在、桜丘地区の再開発準備組合の中心を担っているのは東急不動産であり、地権者は75人、店子は約360人と聞いています。開発区域内で、営業している中小業者や住民は開発のために2017年3月を期限に立ち退かなくてはなりません。とりわけ権利を持たない店子の事業者は深刻で、商売を続けられず行先も決まらないまま立ち退きを迫られているのが実態です。地域に住み慣れた住民や中小業者を追い出す大企業のための再開発に区が多額の税金を投入すべきでないと考えますが、区長の見解をうかがいます。
6、災害対策について
次に災害対策についてです。
わが党は、地震は防げないが、減災することはできるという立場で、住民の命を守る行政の役割を果たすために、日ごろからの福祉の充実とともに予防重視の災害対策を進めることを提案してきました。
予防重視の震災対策で最も重要でありながら遅れているのが、住宅の耐震化です。推進のカギとなるのは、区が耐震化は所有者の責任と言って放置しないことです。
耐震化の必要な住宅を訪問し、丁寧な説明を行なって耐震化に踏み出すよう働きかけるとともに、実態に見合ったきめ細かな支援を行うべきです。また、経済的理由で耐震化をためらうことのないよう、全額助成の金額を100万円にするとともに、限度額を引き上げ、委任払いに改善すべきです。区長の見解をうかがいます。
また、区は木造住宅密集地域の不燃化を進めるために、本町地区をはじめ、あらたな防火規制を導入しようとしていますが、建築単価が引きあがることからかえって更新が進まないのではないかという懸念の声も上がっています。東京都に対し不燃化を促進するための防火規制強化にあたっては、あわせて建替え補助制度を創設するよう求めるとともに、区としても支援すべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
つぎに防災公園用地の取得についてです。
昨年、区長が打ち出した幡ヶ谷二丁目の防災公園計画に今年度5000㎡の取得費として32億円が計上されました。しかし、住民から「防災に役立たない」などの批判を受けて、区は高齢者住宅や保育園を併設するとして計画を変更し、議会の議決のいらない4700㎡に面積を狭めて土地取得を強行しようとしています。しかし、この用地は旧ガラス工場のため、土壌汚染の危険性があると住民が不安を感じている土地です。区は土壌汚染の可能性を認識していたのか、購入にあたって調査は行ったのか、費用は誰が負担したのか、その結果はどうだったのか区長にうかがいます。土壌汚染の可能性がある用地は、子どもや高齢者が生活する施設を建設する場所として全くふさわしいものではありません。保育園を建設するのであれば、幡ヶ谷社教館裏の旧都営住宅敷地など、ほかにふさわしい場所があります。防災公園の計画は取得先にありきの計画だったことは明らかです。32億円の土地取得はやめるべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
7、次に、公園トイレの廃止問題についてです。
区立公園は、子どもの遊び場や区民の憩いの場として貴重な役割を持っています。区は昨年、財政の節減を目的に、区内で7か所、そのうち東地域で3か所の公園トイレを撤去しました。利用者からは、「せっかく作ったトイレなのに、なんでそんなことをするのか」と声が上がり、近所の方々からも「トイレがなくなれば、子どもたちも安心して遊べない」と言っています。住民が利用しやすく憩える公園にするためにも、廃止した公園トイレを復活させるべきです。区長の見解をうかがいます。
次に東京メトロ広尾駅商店街側へのエレベーター設置についてです。現在、広尾駅には六本木よりの改札口にエレベーター設置工事が行われています。地域住民の要望に応えた改善ですが、広尾商店街側にも設置することは、依然として地域住民の切実な願いとなっています。高齢化が進んでいる地域であり、都立広尾病院など、よりエレベーターの必要な住民や来街者が多く利用するだけに、区として広尾商店街側へのエレベーター設置をひきつづき東京メトロに働きかけるべきです。区長の見解をうかがいます。