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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2015 第3回区議会定例会 いがらし千代子議員の一般質問

 私は日本共産党渋谷区議団として区長、教育長に質問します。

1 最初に障害者福祉について5点質問します 

(1) 障害者移動支援事業の改善について

 障害者権利条約の発効に続き来年から、障害者差別解消法が施行されます。障害者が、障害のない人と同等に社会のあらゆる場面に参加する権利を保障し、平等を確保するための社会環境をつくることが求められます。長谷部区長も渋谷区手をつなぐ親の会の総会で、街に普通に一緒にいるという景色をつくることが、大切なことだと、述べられましたが、障害者の社会参加を保障するために欠かせない事業が移動支援事業です。
 新宿区では独自に医師の診断書や意見書がある人は個別に判断し、通学、通所も認め渋谷区の4倍以上も利用があります。
 障害者・家族の切実な願いである通学、通所まで移動支援を利用できるようにすることは、多様性社会の実現、障害者の自立した生活の実現からも欠かせません。障害者福祉計画で、段階的に拡大するとされていますが、通学、通所に拡大するのか、区長の所見をうかがいます。 

(2) 第二は、はあとピア建設についてです

 30代で重度の障害のある息子さんと生活している70代のご夫婦は、奥さんが大病をしたため、いつまで息子さんの介護が続けられるか不安だ、遠い施設に入所したら会いに行くこともままならない、近くに入所施設が欲しいと訴えています。また、現在はあとピアを通所で利用している方たちの家族も高齢化がすすみ住み慣れた区内に入所施設をつくってほしい。さらに区外の通所施設を利用している重度重複肢体障害者の家族の方たちも、区内に通所できる施設と医療行為が必要な障害者が入所できる施設を増やしてほしい、と切実に訴えています。実際2年前、はあとピアの入所申し込みには、男性1名枠に13名の申し込みがあり、入所できなかった方たちは、何年も待機しています。
 区として幡ヶ谷社会教育館に隣接する都営住宅跡地や代々木の公務員宿舎跡地の国有地などを取得して、保育園や高齢者施設などとの合築もふくめ、重度障害者や重度重複肢体障害者の通所と入所できる施設を増設すべきと考えますが区長の所見を伺います。 

(3) 65才以上の障害者福祉の改善を

 65才以上の障害者に対する介護保険優先原則については、障害者と関係者から廃止が求められています。
 仕事をしながら身体障害2級で介護度5の父親を介護していた女性は、介護保険の認定分では足りず、持ち出し分も含め利用料だけで一月48万円もかかった。貯金も底をつき利用料が払えなくなり仕事を辞めて介護をしている。介護事業所に相談すると、中央区、目黒区、杉並区や中野区では、障害者サービスの上乗せ利用ができるので引越したらどうかと進められたが、長年すんでいる渋谷を離れられない。渋谷区に相談したが、介護保険を使って欲しい、というだけで断られ、納得できないと訴えられました。
 厚生労働省は65才問題の運用実態調査の結果、介護保険で不足の場合は、障害福祉サービスを上乗せで受けられる制度であること、市町村が独自規準で一律判断をしないこと、65才を境に必要なサービスが削減され生活に急激な変化が生じないようにすることを自治体に求めています。渋谷区でも介護保険制度で不足する高齢者に障害福祉サービスを上乗せすべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。 

(4) 精神障害者への福祉手当支給について

 2012年に、全国共同作業所連絡会が、障害者事業所などで働く約一万人の障がい当事者から回答を得た「地域生活実態調査の結果」では、年収百万円以下の人が56パーセントをしめています。さらに東京都の調査で、25、3%の精神障がい者が無収入で、親の収入に依存していることも明らかとなりました。精神障がい者に対しても渋谷区の障害者福祉手当を支給すべきと考えますが区長の所見を伺います。 

(5) 区外の障害者の温水プール等の利用料を無料に

 渋谷区のスポーツセンターなどを利用している他区の障害者の方たちから、他区の施設は、障害者手帳を提示すれば区外の障害者も無料で利用できるが、渋谷区は一般料金がかかる。改善してほしいと要望が出されています。実際文京区は、在勤、在学の障害者も手帳をしめせば温水プールなどの利用料が免除されます。荒川区も、身体障害者手帳三級、愛の手帳三度以上、精神障害者、被爆者手帳保持者は、区内外を問わず無料です。
 ぜひ渋谷区でも区外の障害者の温水プール等の利用料を無料にすべきです。区長の見解をうかがいます。 

2 子育て支援について質問します

(1) 認可保育園の増設と保育室などの改善について

 渋谷区はこの間、待機時解消の緊急対策として区立保育室の設置を含めて保育定数の拡大を行い今年度も379人の定員拡大と今定例会に保育施設用の土地取得の補正予算を提案したことは評価します。

、しかし今年4月の認可保育所の待機児童数は、528人、どこの保育施設にも入れなかった子どもは、252人で昨年の2倍以上に増えています。職場復帰を希望していても子どもを預けられず育児休暇を延長したり、仕事復帰をあきらめたお母さんもたくさんいます。児童福祉法24条1項が残され渋谷区には、引き続き保育の必要な子どもに対する保育の実施義務を果たさなければなりません。どこの保育施設にも入れていない子どもは現在何人になっているのか、どこにも入れなかったすべての子どもたちに良質な保育を提供するため区が責任を持って対応すべきと考えますが区長の所見をうかがいます。

、渋谷区の子育てニーズ調査でも565%の保護者が認可保育園を希望しています。区長は、「民間ビルの活用や小規模保育の実施などあらゆる保育資源の活用」を発言していますが、園庭のない施設や保育士資格のない人の配置を認めている小規模保育では保育の質を維持することはできません。子どもも親も様々な困難を抱えるなか、保護者の願いは、一度入所したら転園することなく就学前まで継続して保育を受けられる認可保育園です。認可保育園は、職員配置基準に基づき全員資格のある保育士を配置し、面積などの施設基準が満たされ、看護師や障害児加算もあることから特別支援の必要な子どもを含めすべての子どもの保育が保障されています。待機児解消は認可保育園の増設で行うべきと考えますが、区長の所見をうかがいます。 

、本町第二保育園は、児童センターの建て替え後には、福祉事業団に委託する認定子ども園に変更するとされていますが、保育園の待機児が増加している中、区立の認可園を廃園にすることは認められません。区立保育園は、保育に対する公的責任を明確にし、0歳児、障害児に保育士が加配されるとともに、調理師、栄養士、看護師など職員が一体となって子どもの成長を支えています。これまで通り区立の認可保育園として存続すべきです。また、上原に取得する土地の保育施設についても認可保育園にすべきと考えますが合わせて区長の所見をうかがいます。 

、現在区立保育室では個別対応が必要な障害児について受け入れを拒否していますが、支援の必要な子どもを渋谷区自らが差別することは絶対に許されません。認可保育園と同様に障害児加算の保育士と栄養士、看護師を配置する予算をつけて入所を認めるべきです。所見をうかがいます。あわせて認証保育所と認可外保育施設で働く職員の処遇改善を行うことについてです。保育の質の向上は職員の配置基準や、保育士が長く働き続けるための処遇改善が重要ですが、実態は保育士不足と非正規雇用の職員が多く離職率も高くなっています。事業所が保育士を正規で雇用できるよう国と都の助成制度の活用を支援すべきと考えますが区長の所見をうかがいます。 

(2) 学童保育について

 子ども・子育て支援新制度は、放課後の保育を必要とする子ども全てに家庭に代わる生活の場を保障するために、全ての自治体に条例制定を求めました。
 しかし渋谷区は、これまでの放課後クラブをそのまま条例化しただけです。国が児童福祉法第6条3第二項で求めているのは、保護者が昼間家庭にいない児童に対し、児童厚生施設などを利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業として放課後児童健全育成事業つまり学童保育を実施することです。しかし渋谷区は学童保育を保障していません。現在18小学校で学童保育の必要な子どもの数は、2258人に登り全登録者の6割を占めています。この子どもたちに国の法律通り学童保育を保障するための条例に改善すべきですが区長の所見をうかがいます。
 放課後クラブでは、学童保育の必要な子どもの専用室はなく、利用できる教室は一般児童と一緒で、なかでも富ヶ谷、千駄ヶ谷、神宮前、渋谷本町学園小学校では、クラブ室に入りきれず、多目的室や図書室、会議室などの面積を含めてやつと国の施設基準をクリアしているのが実態です。そのためクラブ室が狭く生活の場が保障されていないなどの理由でB会員の半数が利用していません。
 学童保育の必要な子どもたちのクラスを国規準に合わせ40人とし、専用室と静養室も設置すること、専任の指導員を配置することなど早急に改善すべきと考えますが区長の所見をうかがいます。

3 教育について3点質問します

 いま、いじめ、不登校、虐待などに苦しんでいる子どもたちのSOSをしっかり受け止められる学校づくりが喫緊の課題となっていますが、国連子どもの権利委員会からは「過度な競争的教育制度」や、小2以外は40人のクラス編成、子どもの貧困率の解消等が指摘されています。 

(1) 渋谷区独自にも35人学級を実施し、30人学級をめざすべき

  少人数学級は、習熟度別教育と違い、教師が授業時間だけではなく、休み時間も含めた学校でのこども一人一人の生活全体に向き合うことができ、文部科学省も「少人数学級は悩み相談も先生にじっくり聞いてもらえ、よいことがたくさんある」と評価しています。
 都道府県で35人学級を実施していないのは、東京都だけとなっています。渋谷区内の学校で35人学級になっていないクラスは、中幡小、幡代小と鉢山中の5クラスだけです。国に中断している35人学級の復活を求めると共に、渋谷区独自にも35人学級を実施し、30人学級をめざすべきと考えますが、教育長の所見を伺います。 

(2) 小中一貫校問題について

 安倍政権は学校教育法を改正し、来年4月から小中一貫校を設置することを可能にし、市区町村の判断でこれまでの小学校にするか一貫校にするか、また両方を混在させるか選択できるとしています。
 文科省は2012年にも中教審に諮問し、小中一貫校の制度化を検討しましたが、「人間関係が固定化しあらたに出発する機会が失われる」などの反対意見が多くだされ導入を見送った経過があります。また「改めて検討する場合」には「成果や課題などについて把握、検証」したうえで、「一貫校を制度化することの是非、現在の中学校との制度的整合性について、十分な検討を進めることが必要である」との付帯意見をつけました。しかし、今回の制度化に当たってこれらの課題は全く検証されておらず、導入は認められません。
 また、梅原利夫和光大学教授が代表をつとめる「小中一貫教育の総合的研究」チームが、13年度に施設一体型の児童、生徒と、従来の小、中学校の生徒を対象に調査を行った結果、小学校4年生から6年生では、「自分に自信をもっているか」「たいていのことは人よりうまくできるか」「友達はたくさんいるか」の質問のいずれも一貫校の生徒の得点が低く、疲労感も強く感じていることが明らかになりました。この結果は、第1に一貫校は、小学生が一緒にいる中学生と比較することで小学校高学年の自己評価が低めに見積もられる。第2に、9学年一緒の学校の中で自分の居場所が見つけにくい。第3に、通常の小学校で味わうことのできる高学年としての体験の機会が少ない等小学生の心理に影響を与えていると報告されています。
 中一ギャップの解消を目的として設置された施設一体型の本町小中一貫校では、本町学園中学校に進学する生徒は、この数年間は半数程度にとどまり、半数の生徒は区内の別の中学校に進学しているのが実態です。改めて保護者や教職員、地域住民、専門家を交えた本町小中一貫校の検討会を開き、検証すべきです。また、新たな学校を一貫校にすることはやめるべきと考えますが教育長の見解を伺います。

(3) 学校給食を無償化すべき

 子どもの貧困が社会問題となり、全国では6人に1人総数では300万人を超える子どもたちが貧困世帯で生活していると言われ過去最悪となつています。
 子供の貧困対策推進法は、国と自治体が協力してすべての子どもの貧困対策を実施する責任を明確にし、教育支援、生活支援、保護者に対しての就労支援、経済的支援などの施策を講じることを求めています。
 とりわけ子どもにとって発達の原動力である健康で文化的な食生活を保障することは、優先課題であり、義務教育無償の原則からも学校給食の無償化は、喫緊の課題です。既に全国50自治体が、学校給食の無償化を実施し、子育て世帯の経済的支援として大きな役割を果たしています。渋谷区では2億6千万円の予算で実現できます。国の地方創生交付金など新交付金の活用も検討し、学校給食を、無償化すべきと考えますが区長の所見を伺います。

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