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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2015 第3回区議会定例会 牛尾まさみ議員の代表質問

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、区長に質問します。

1、はじめに平和と区民生活にかかわる国政問題についてです

(1) 戦争法案について

 8月30日、憲法違反の安全保障関連法案の廃案を求める国民の運動は、国会周辺に12万人、全国1000カ所以上で取り組まれた集会や行動に数十万人が参加する空前の規模にひろがり、憲法9条を破壊し、国民主権をふみにじって戦争法案を強行しようとしていることに国民の圧倒的な怒りが示されました。区内でも党派を超えた共同宣伝や区民によるリレートーク、大学生や高校生、子育てママなどによる戦争反対をアピールするデモなどがくりひろげられています。「後で後悔して声を押し殺して泣くようなことはしたくない」という若者の声、「だれの子どももころさせない」というママの声には、戦後70年間憲法9条のもとで日本が築き上げてきた平和な国づくりを決して変えてはならないという主権者国民の圧倒的な意思が示されています。
 参議院の審議では、集団的自衛権行使が必要と説明した米艦防護で「日本人が乗船しているかは絶対的条件ではない」と防衛大臣が言いだし、法案の根拠は崩れています。また、自衛隊の兵站活動ではクラスター弾や毒ガス兵器、核兵器まで運べるなど法律上の歯止めがなく、自衛隊の内部文書でこの法案がアメリカの戦争に参加するものであることが明らかになりました。
 区長は、区民の命と安全を守る責務を持つ者として、また子どもを持つ親として、「戦争は絶対にさせない」という区民の意思を代表して、憲法9条破壊、立憲主義否定の戦争法案に反対の意思表示をすべきと考えますが、見解をうかがいます。
 長谷部区長が核兵器の廃絶をめざす平和首長会議に今年7月に参加したことは、区民の願いにこたえるものとして評価するものです。私は、今年の原水爆禁止世界大会に参加し、核兵器廃絶の国際世論は核兵器保有国を追い詰めつつあり、さらなる世論の包囲で核兵器禁止条約の交渉開始をせまるときであること。被爆70年を迎えたいま、被爆者の核兵器廃絶の願いを若い世代に受け継ぐことの大切さを痛感しました。
 区長は平和首長会議の参加にとどめず、区として非核平和都市宣言を行うとともに、区施設に核兵器禁止条約を求める署名用紙を置くことや、小中学生の広島・長崎への派遣、平和読本の作成、原爆写真展など、区民の世論をひろげる事業を具体的に推進するとともに、区民が行う核兵器廃絶や平和の取り組みを区ニュースなどで紹介すべきと考えますが、見解をうかがいます。

(2) 新国立競技場建設問題について

 つぎに新国立競技場建設問題についてです。国際オリンピック委員会の環境公約「アジェンダ21」では、人間の居住と住環境を重視し、競技施設について「既存施設の活用」「周辺環境との調和」「環境への影響を弱める努力」などをかかげており、国立競技場建設は、この精神に立って具体化することが求められています。国民の批判を受けて国は、総工費の上限を1550億円とする新たな整備計画を決定しました。しかし、同規模の横浜国際総合競技場の600億円、ロンドン大会主会場の650億円と比べても桁違いに高額で、日本青年館移転など周辺整備は見直しもされず、国民やスポーツ関係者の願いに答えた抜本的見直しにはなっていません。また、当区ではオリンピックを名目にして渋谷駅周辺、宮下公園、千駄ヶ谷などで開発がすすめられ、区民の住環境がおびやかされていることは、アジェンダ21の精神に反するものです。
 区長は、建設予定地の当該区として、競技場はIOC基準の6万席を基本に見直し70mとされていた施設の高さを抑制すること、区民の生活環境を守るために周辺整備も含めた計画全体を白紙に戻し、高さは25メートルまでとされている風致地区にふさわしい計画へと抜本的に見直すこと、現在も136世帯が居住する都営霞ヶ丘アパート住民の追い出しはやめること、整備費や建設後の維持管理費は都民・国民の納得できる必要最小限の費用に抑えることを、国や都に申し入れるべきです。区長の見解をうかがいます。 

(3) マイナンバー制度について

 つぎにマイナンバー制度についてです。政府は、国民一人一人に個人番号をつけ、社会保障分野を中心に自治体や年金機構などが保有する個人情報を情報連携システムで結ぶマイナンバー制度を今年10月から段階的に導入しようとしています。さらに法改正を強行して、預金口座などにも利用を拡大し、全国民の収入、財産の実態をつかみ、税や保険料の徴収強化と社会保障の給付削減をねらっています。
 個人情報を集積すればするほど、不正利用や情報漏えいの危険が高まります。
 アメリカでは、2006年から08年の間になりすまし犯罪の被害は1170万件、損害額は約2兆円にものぼっています。日本でも住基カードの偽造や改ざん、なりすましによる不正取得は2009年度からの4年間で226件も起こっています。今年6月には日本年金機構で125万件の情報流出が起こっており、通信教育大手のベネッセコーポレーションで1000万件を超える顧客情報が不正に持ち出され売却されるなどの事件が起こっており、絶対安全という保証は全くありません。
 マイナンバーに税と社会保障、収入や財産まで集積して利用できるようになれば、情報流出などで、個人のプライバシーなどの人権侵害につながる危険性は格段に高まります。国に対し、マイナンバー制度の実施中止を求めるべきです。区長の見解をうかがいます。

2、つぎに長谷部区長の基本姿勢について質問します

 区長は、渋谷区政が築いてきた成果を引き継ぐとして、手厚い福祉と教育、安全・安心のまちづくり、多様性社会の実現にむけたとりくみをあげました。また、区民の目線に立って区政をすすめ、対話を重視する姿勢を打ち出しています。
 「区民の目線で」というのであれば、幡ヶ谷二丁目の防災公園用地取得と施設整備をこのまま進めてくのかが問われます。前区長が突然打ち出したのは幡ヶ谷二丁目に7000平方メートルの土地を取得し、防災公園にするという計画でした。区民から「本町地域の防災には役立たない」という批判を受けて、保育園や高齢者住宅を建てると変更、さらに取得面積も4700平方メートルに縮小するなど二転、三転しました。また、土壌汚染された用地であることが判明したのに、議会にも区民にも説明せず、解決もしないまま取得を強行しました。最初から「土地取得ありき」の計画だったことは明らかです。
 この土地購入について、区長は三つの点を明らかにすべきです。一つは土壌汚染の解決や建物の解体以前になぜ契約が結ばれたのか、二つ目に土壌汚染の測定結果はどうだったのか、同じ土壌汚染された隣接の民有地では、10メートルの土の入れ替えを行い3年間置いてもなお地下水のモニタリングで環境基準値をクリアできず、更地のままになっています。区の取得した土地でも地下水の汚染が疑われます。区はどのような土壌調査を行い、その結果はどうだったのか。三つ目に、土壌汚染のある土地にもかかわらず、それを評価に加えず鑑定評価し、さらに二社の鑑定評価額が29億1千万円と30億円なのに、それを上回る31億9628万円で購入したのかについて答弁を求めます。
 区民要望もないのに購入ありきで、当初計画を次々と変更するやり方は、公共施設整備のあり方としてふさわしいものとはいえず、やめるべきです。また、区が予定している保育施設や区営住宅は、幡ヶ谷社教館に隣接する旧都営住宅跡地を急いで確保し整備すべきです。区長の見解をうかがいます。

 つぎに、税金の使い方についてです。
 区政のあり方として一番大切なのは、住民の福祉を向上させることです。
 区民のくらしは生活保護受給者が2700世帯3100人を超え、就学援助を受けている中学生は37%にのぼり、中小企業倒産も昨年一年で144件と深刻です。
 安倍政権は消費税を増税する一方で、社会保障は医療では入院時食事療養費の負担増、紹介状なしで大病院を受診する際の定額負担押し付け、介護では、利用料の2割負担の導入、補足給付の対象を狭める、特養の多床室の室料徴収、要支援者の介護サービス外しなど負担増と給付の削減を強行しました。また、年金の実質連続引き下げ、生活保護基準と住宅扶助、冬季加算の引き下げなどに区民が苦しめられています。
 区長は、区民の命と福祉を守るために、区の基本姿勢として、憲法25条の社会保障の増進義務に反する国の福祉切り捨てに反対するとともに、地方自治の本旨に基づき、区民の福祉向上を図るべきと考えますが所見をうかがいます。
 区民の福祉を向上させるうえで、税金の使い方をくらし福祉優先に切り替えることは、喫緊の課題です。伊豆、河津町の第二保養所は、取得と開設までに2億4千万円、一旦改修したのに建替えた大浴場に2億6千万円、合計5億円が費やされました。さらに年間の運営費に1億5千万円、今後もエレベーターや本館の大規模改修など、老朽化した施設の維持管理に多額の経費が見込まれます。マスコミにも税金の無駄使いだと報道され、区民から厳しい批判が相次ぎました。利用した高齢者からも「3000円で行けるというので利用したが、二度と行こうとは思わない」などの感想が寄せられています。
 区民の多くが無駄遣いと指摘し、今後も老朽化した設備の更新などが必要となる河津の第二保養所に税金を投入し続けることはやめるべきです。そして、税金の使い方を暮らし、福祉、教育優先に改めるとともに、ため込んだ684億円の基金を活用すべきです。区長の見解をうかがいます。

3、つぎに区庁舎建替え問題についてです

 区が進める庁舎建て替え計画は、(1)区民の貴重な財産である庁舎の敷地を三井不動産の利益のために差し出す、(2)タダと言いながら仮設庁舎などに莫大な税金を投入する、(3)耐震補強で2、30年使えるのに建て替えを強行という三つの大問題が区民から厳しく指摘されてきました。
 6月30日に三井不動産が開いた庁舎建設説明会では、参加した住民からマンションの建設概要についての質問が多く出されましたが、区や三井不動産からはマンションの説明会は別に開くなどとして明らかにされませんでした。マンション建設は庁舎建替えと一体の事業なのに、区民が聞きたいことに区が何ら答えていないことは問題です。
 区長は6月議会で総事業費を知っていると言いながら、明らかにしていません。
 区長は民間マンションの高さや戸数、総事業費や三井の利益など三井不動産の資金計画をどう把握しているのか、その内容について伺います。また、住民説明会を開くべきと考えますが、区長の見解をうかがいます。
 民間マンションについて明らかにしないのは、三井不動産の利益を最優先にしているからにほかなりません。この間開かれた紛争予防条例に基づく説明会でも、解体説明会でも、区は庁舎や公会堂の建替えの事業者は民間だといって、住民説明会の記録も取らず、責任を果たそうとしていません。こんなことは区民の誰も納得しません。
 区庁舎や公会堂の建替えであるにも関わらず、説明も区民の意見を聞くこともすべて事業者に丸投げし、区が区民に対する責任を持たない民間資金活用の手法はきっぱりとやめるべきです。昨年秋の説明会では、反対や疑問の意見が圧倒的多数でしたが、区は聞く耳を持ちませんでした。区民から出された意見を取り入れるべきです。そのためにも、現在の庁舎を耐震補強し活用するとともに、将来の庁舎のあり方は区民や専門家の参加で検討すべきです。区長の見解をうかがいます。

4、つぎに宮下公園再開発についてです

 宮下公園は渋谷区を代表する公園として区民や来街者に憩いと潤いを与えており、再開発が目白押しの渋谷駅周辺の中で、けやきの大木が生い茂る貴重な緑の自然空間となっています。また、災害時には安全な場所を求めて多くの人々が集まる公園です。今年3月の区議会に桑原前区長は、区立宮下公園を三井不動産に貸し出し整備するための議案を提出しましたが、区民無視の計画に批判が広がり、区議会は全会一致で継続審議とし廃案となりました。
 区民不在の計画は白紙に戻し、住民参加で宮下公園のあり方から議論を進めるのが当然です。しかし長谷部区長は、計画の抜本的な見直しはせずに、町会や商店会など、意見を寄せた団体との話し合いで出された要望による計画の「見直し」で済ませようとしています。
 区はこれまでも宮下公園に運動施設を次々と設置したり、ホームレスの人たちを強制的に追い出し、夜間施錠をするなど、いつでも誰でもが自由に憩える都市公園の機能を制限してきました。
 宮下公園を三井不動産の利益のために差し出す計画は白紙に戻し、今後のあり方は最初から区民に開かれた場で広く意見交換を行って決め、区が責任をもって整備すべきです。区長の見解をうかがいます。

(↓質問の5番目以降は下のページ2をクリックしてください)

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