私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、ただ今議題となりました議案第48号「渋谷区立河津さくらの里しぶや条例の一部を改正する条例」について、反対の討論をします。
私がこの条例に反対する理由の第1は、河津さくらの里しぶやを指定管理にして、営利企業に運営を委ねるからです。
私たちは、そもそも河津第二保養所に反対し事業の廃止を求めていますが、この議案に反対するのは、区民の事業を指定管理にして営利企業に運営を委ねることが、区民サービスの低下につながるからです。営利企業が指定管理料の枠内で最大の儲けをあげようとすれば、必然的にサービスの低下を招きます。全国的にも、公的サービスを指定管理にすることによって様々な問題が起こっており、批判が広がっています。
本区でも、指定管理となっている区内特別養護老人ホームの運営費を削減したため、正規職員が非正規職員へと置き換えられたり、必要な施設の改修も後回しになるなどのサービス低下につながっているのです。
本条例案では、これまでの「使用料」と「食事料」を「利用料」としてまとめようとしていますが、施設を運営する指定管理業者が、利用料の中で最大の利益を上げようとすれば、食事や非正規雇用を使うなどサービスの質の低下を招くことになります。また、区民の声も反映しにくくなるからです。
第2の理由は、そもそも河津の第二保養所は、取得した経過も明らかでなく、区民からもムダ遣いだと厳しい批判があるにもかかわらず莫大な税金を投入してきたことです。今後さらに多額の税金を投入することになるこの事業は廃止すべきだからです。
区は、築50年の東館を含む老朽化した旅館を耐震補強もせず、競売物件であったことが解っていながら1億1千万円で取得。この経過は、未だに区民にも議会にも明らかにされていません。
また、区民の税金は、取得と開設までに2億4千万円、一旦改修した東館を建替えるために2億6千万円、合計5億円が費やされました。さらに、今後も老朽化した施設の維持管理、本館の大規模改修などに多額の税金が投入されることになります。
また、年間の運営費に1億5千万円も税金が使われますが、指定管理にすれば5年間はこの協約に拘束され今後も毎年1億5千万円が投入され続けることになるのです。
区民からは、「遠くて旅費も高い」、「第二保養所より、特養老人ホームや認可保育園を増やして」など、厳しい批判が上がっています。
区民の税金のムダ遣いである河津さくらの里しぶやは、廃止すべきです。
以上、本条例に反対の討論とします。