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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2016年 第4回定例区議会 トマ孝二区議会議員の一般質問

 私は、日本共産党渋谷区議団として、長谷部区長と教育長に質問します。 

最初は、保育園の待機児問題について質問します

 来年4月には、区として新たに5ヶ所の認可保育園の開所を予定し、420人の定数が増える見込みです。しかし、10月1日現在で、どこの保育園にも入れず待機している子どもは451人で、今後さらに増えることは明らかです。

 2人の女性から、私は「来年3月で1歳児になる子を保育園に入れたい。いま、母親に助けてもらって週3回働いていますが、4月からフルタイムで働かなければなりません。」「育児休業明けで来年4月から仕事に復帰しなければなりません。区役所に行ったら一歳児の枠が少ない、と聞いてとても不安になりました。」と訴えられました。

 保護者の切実な願いは、質の確保された認可保育園に子どもを預けることです。そのためにも、区立保育園を中心とした認可保育園を増設していくべきです。

 具体的には、代々木二・三丁目、神宮前三丁目の国有地、本町一丁目の警察宿舎跡地や幡ヶ谷二丁目の都営住宅跡地の取得を早急におこない保育園を増設するとともに、国・都有地の情報を明らかにすべきです。区長の見解をうかがいます。 

 保育士の処遇改善について、来年1月から、民間の保育施設で働く保育士への家賃補助をおこなうことは、一歩前進です。しかし、民間の保育士の平均給料は、全産業と比べ、月額で15万円低いのが実情です。この格差を解消していかなければ民間に保育士は集まりません。そのため区長は政府に対し、民間保育士の賃金を上げるよう求めるべきです。また、世田谷区では、家賃補助に続いて民間保育士の生活を安定させるために賃金を1万円引き上げる補助に踏み出しました。当区でも実施すべきです。区長の見解を伺います。

2点目は、小・中学校給食の無償化について質問します

 文部科学省の調査では、子ども一人当たりの年間費用は、学校外の活動費も入れると、公立学校の小学生では33万4千円、中学生では47万1千円となっています。区立小学校の5・6年生の給食費は年額約4万1千円、中学生では年額6万1千円で、子育て世帯にとって大きな負担となっています。

 小学4年生をはじめ、3人の子どもの母親は、「子どもにかかる費用がとても大きいので、給食費が無料になればたいへん助かる。」と話しています。

 学校給食は、子ども達が食に関する正しい知識と望ましい食習慣が身につくよう、教育の一環として実施されています。そして、憲法26条は、義務教育の無償化をうたっています。私たちの試算では、5億5千万円あれば実施可能です。当区でも、子育て世帯を支援する立場から、小・中学校給食の無償化を実施すべきです。区長の見解を伺います。 

3点目は、子育て世帯の負担軽減の立場から、就学援助制度の拡大、改善について質問します

 いま、日本の子どもの16%、3百万人を超える子が貧困な状態にある、と指摘されています。じっさい、当区では生活保護基準の1・2倍でも小学生で22・8%、中学生で37.2%が就学援助を受けているのです。基準額は生活保護の1.5倍に戻すべきです。区長の見解を伺います。 

就学援助の小・中学校の新入学学用品費について

 八王子市では2017年4月の新中学生に、入学前の3月までに支給すること、足立区でも2018年度の新中学生から、2月に支給することを表明しました。当区でも、新入学学用品費については入学前に支給すべきです。これについて、昨日、「実施は困難」という答弁がありましたが、北九州市では、新小中学生になる父母からまず希望を受け付け、1月1日段階での収入をみて支給の判断を決めています。区民の立場から改善すべきです。

 区長の見解を伺います。 

 当区の新入学の就学援助の学用品費は、小学生で2万4千円、中学生は2万7千円で実情よりとても低い支給額となっています。小学校入学のさいに準備するランドセルは、平均価格が4万2千円以上、中学校では、入学時に揃える標準服や体操着など7万円程度必要なため、借金してまかなっている世帯が多くあると聞いています。低い支給額をあらため、実情に合うように増額すべきです。区長の見解を伺います。 

4点目は、子どもの医療費無料化を高校生まで拡大することについて質問します

 2012年度の文部科学省の調査では、公立高校生の平均年間支出は38万6千円、私立高校生では96万6千円となっています。

 子ども医療費を高校生まで無料にしている自治体は全国で215、都内では北区、千代田区が実施しています。さる18日、厚生労働省は、子どもの医療費助成を独自に行っている自治体に対し、国が国民健康保険の国庫負担分を減額するという罰則を見直す方向を初めて示しました。「子ども医療費助成制度は、国の制度に」という運動や全国市長会の声におされて、国は変わってきています。当区でも、医療費の無料化を高校三年生まで拡大すべきです。区長の見解を伺います。 

第二の柱の教育問題について質問します

 いま、小中学校で起こっている、いじめ、不登校の問題は大きな社会問題になっています。その解決の中心となる教員が、忙しすぎて、一人ひとりの児童・生徒と向き合い、しっかり指導することができない、精神疾患で休職する教員が高水準になっているという事態は見逃すことはできません。

 全日本教職員組合の調査では、小中学校の教師の3人に2人が「過労死ライン」の月80時間を超える時間外勤務をしています。栃木県教育委員会が実施した「教員の多忙化に関するアンケート」では、95%を超える教員が「多忙」と回答しています。また、世田谷区では、時間外勤務の調査を行い、その結果を踏まえ、学校給食費を公会計化し、負担を減らしています。

 区として、教師の多忙化に対する実態調査を実施すべきです。また、教員がゆとりを持って一人ひとりの子どもに向き合えるよう政府に対し、教員の定数を抜本的に増やすよう求めるとともに、区独自に教員を増やすべきです。教育長の見解をうかがいます。

2点目は、30人学級の実施について質問します

 日本共産党区議団は、教師が一人ひとりの児童・生徒に向きあい、ゆき届いた教育ができるとして、30人学級の実施をかねてから求めてきました。すでに実施している秋田県では、「児童・生徒が全体的に落ち着ける環境となり、発言の機会が増え、自己表現が豊かになった」など一人ひとりを大切にする教育が行われ、成果が上がっているとしています。

 当区の場合、35人を超える学級が小学校で5クラス、中学校で3クラスです。まず、全小中学校で35人学級を実施し、さらに30人学級をめざすべきです。教育長の見解を伺います。

第三の柱である防災対策の強化について質問します

 今年の4月14日と16日に熊本県地方で震度7という強い地震が発生し、50人が尊い命を失い、また多数の人がけがをするという深刻な事態となりました。

 私たち区議団は、9月に行った熊本地震の現地調査と支援活動をもとに、11月6日に「熊本地震から学ぶ、渋谷区の防災対策の課題」と題しての報告会を開きました。その中で、耐震補強工事がいかに大切かを再認識しました。

 区内では現在、耐震不足で補強工事が求められている施設は、千駄ヶ谷、初台、本町区民会館と幡ヶ谷社会教育館、ケアコミュニティ原宿の丘の5カ所です。利用者の安全を守るため、ただちに改修が必要ですが、いつまでに、どんな段取りで改修するのか、区長の見解を伺います。

2点目は、木造住宅の耐震化についてです

 今年3月に発表された「渋谷区耐震改修促進計画」では、2015年度までの木造住宅の耐震化率は78.1%で、2020年度までに戸建て木造住宅の1700棟を耐震化する目標を策定しました。

 しかし、2015年度の木造住宅の耐震改修補助制度の実績はわずか13件です。どう目標を達成しようとしているのか。区長の見解を伺います。

 また、計画では助成額の見直しなどを打ち出していますが、現在の補助額は、一般住宅で最大で100万円ですが、木造住宅の耐震改修工事費は一棟当たり300万円はかかります。助成上限額を引き上げるとともに、経済的弱者には補助率を引き上げるなど、思い切った改善策を新年度から実施すべきです。区長の見解を伺います。

3点目は、「感震ブレーカー」の助成について質問します

 中央防災会議では、初期消火と「感震ブレーカー」による火災対策をはかることによって、首都直下型地震の場合、火災死者数が95%も減少すると指摘しています。

 都内では、葛飾、品川、目黒、世田谷、足立、台東、杉並、中野の8区で「感震ブレーカー」の設置助成を開始しています。区長は昨日、本町2丁目から6丁目までを対象とすると答弁しましたが、地震火災の危険性はこの地域だけのものではありません。全区的に新年度から、実施すべきです。区長の見解をうかがいます。

第四の柱の中小企業対策の強化について質問します

 安倍内閣による2014年4月からの消費税8%増税によって、日本はさらに深刻な不況に陥っています。区内でも昨年一年間の中小企業の倒産は157件もあり、その失業者は771人に上っています。西原や幡ヶ谷の商店街では文房具店が廃業、本町不動通りでも4店舗、6号坂通りでも3店舗が廃業し、新橋地域では八百屋さんが閉店しています。

 足立区では、きびしい経営環境にある小規模企業を支援するため、9月1日から、「小規模事業者経営改善補助事業」をスタートさせました。この制度は、設備や備品の購入、店舗の改修などに助成するものです。補助対象経費は20万円が下限で、120万円が上限とされ、その2分の1を補助します。開始以来、申し込みは順調で70件程度、補助する、としています。荒川区でも、同様の制度を実施しています。

 当区でも、こうした助成制度を実施すべきです。区長の見解をうかがいます。

最後に、公契約条例について質問します

 公契約条例は、建築物やサービスの品質の向上と、労働者の権利と暮らしを守るためにつくられた条例です。関係団体の調査の結果、条例の基準賃金下限額を下回る条例違反や、現場監督が公契約条例対象の工事現場であることを知らなかったなどの実態が明らかになったと聞いています。こうした事態をなくすためには、労働者に適正な賃金が支払われていることを確認できる賃金台帳提出を義務付けること、対象の工事現場については、公契約条例の現場であることを大きく表示すること、基準賃金表を張り出すなど、関係するすべての労働者に公契約条例の内容を周知することを実施すべきです。区長の見解をうかがいます。

 また、審議会は実際に条例が機能しているかなどを検討するために開くなど、条例を生きたものにすべきです。さらに、「業務委託」の時給を引き上げること、工事請負契約の請負金額は、5千万円以上にすべきです。合わせて区長の見解をうかがいます。

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