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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

2016年第4回区議会定例会 「要支援者1から要支援者2までの介護給付の今まで通りの継続を求める請願」に対する牛尾まさみ区議会議員の賛成討論

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました、「要支援1から要介護2までの介護給付の今まで通りの継続を求める」請願の採択に賛成の立場から討論します。

 本請願は、要支援1から要介護2までの生活援助サービスや介護用具、住宅改修などの介護給付を今まで通り継続するよう、国に意見書を提出することを求めています。 

 請願に賛成する第一の理由は、要支援の介護外しによって、軽度者がこれまで通りのサービスを受けられなくなる事例がすでに生まれ、切り捨てが進めば区民が必要な介護が受けられない事態がさらに拡大するからです。

 2014年の介護保険法の改正で、要支援の訪問介護と通所介護が介護保険給付から外され、区市町村が実施する地域支援事業への移行が進められています。

 当区では、今年度から新たに介護認定を受けた人や、更新を迎えた認定者があらたに開始された介護予防・地域生活支援総合事業に順次移行し、9月1日現在で1707人の認定者が総合事業対象者となりました。

 要支援2で掃除と買い物の生活援助を受けていた脳梗塞後遺症で左麻痺の独居男性は、更新で総合事業に移行しましたが、訪問介護事業者が緩和サービスを実施していないため、何件もの事業所を探したあげく他の事業所のヘルパーさんに交代にならざるを得ませんでした。

 ところが国は、こうしたサービス低下の実態の検証もしないまま、さらに要介護2以下の生活援助サービスや福祉用具の貸与や購入、住宅改修給付などを介護保険から外そうとしています。社会保障審議会介護保険部会では、各委員からの反対意見が続出したため、厚生労働省も、軽度者の生活援助サービスや福祉用具、住宅改修の保険外しについて、来年度の介護保険法改正には盛り込まないとしたものの、断念するとは言っていません。

 軽度者への介護給付を制限してサービスを受けられなくなれば、要介護状態の重度化を招くことにつながります。

 第二の理由は、利用料の負担増による給付削減もまた、介護の利用を妨げることにつながるからです。昨年8月からは、単身者で所得160万円以上など、一定以上の収入のある世帯の利用料が2倍に引き上げられました。このため、当区では2151人の方が2割負担になり、今年4月からの半年間で約1.5億円の負担増が押し付けられました。区内のケアマネージャーからは、「『一ヶ月の利用料は2万円が限界』と受けていたサービスを減らす利用者も生まれている」と聞きました。

 国は、社会保障審議会にあらたに負担限度額の上限引き上げや、現役並み所得者の利用料3割負担を提案し、給付抑制を狙っています。すべての区民が必要な介護を受けられるようにするためにも、さらなる利用料負担増はやめるべきです。

 第三の理由は、国の税金の使い方を変えれば、介護給付の抑制はしなくてもすむからです。

 請願者は、医療、介護は国民のセーフティネットであるとしたうえで、過去15年間の介護保険の収支は黒字であること、2015年度の会計検査院の報告では前年の7.8倍の「税金のムダ遣いや不正支出が指摘されていること、預金保険機構が管理している利益剰余金のうち、1兆900億円は国庫に戻すべきお金であること、年金の運用損失は2015年度4兆円、今年度もすでに4兆円の損失を出していること、世界第5位の軍事費などをあげ、税金の使い方の見直しを求めています。

 持続可能な社会保障の財源として、税金の集め方と使い方を変えることで、10兆円の財源確保が可能とわが党も試算しています。

 そもそも、すべての国民の生活を支える社会保障制度は、憲法25条に基づく国の責任です。財政削減のために軽度者のサービスを切り捨てれば、介護の状態悪化を招き、かえって社会保障費を増やすことにつながります。介護保険制度の創設者自身が「このままでは介護保険制度は国家的詐欺になってしまう」と言わざるを得ないような給付の切り捨てに対して、渋谷区議会としても意見を提出すべきことを表明し、請願に賛成する討論とします。

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