日本共産党渋谷区議団は、第4回区議会定例会幹事長会に、「教員の定数を増やし長時間労働を解消することを求める意見書(案)」を提案しました。12月7日の幹事長会での協議の結果、立憲民主党渋谷区議団と鈴木建邦議員は賛成しましたが、自民、公明、シブヤ笑顔が反対のため取り下げとなりました。
教員の定数を増やし長時間労働を解消することを求める意見書 (案)
教員の長時間労働は社会問題になっており、このことは、子どもや保護者にとっても深刻な問題である。教員1人あたりの授業は長い間、「一日四コマ、週二十四コマ」との基準で、定数配置が行われてきた。しかし、学校週五日制など多くの施策が、必要な教員定数を増やさないまま実施されてきたため、小学校の多くの教員が、一日六コマの授業をこなしている。その結果、所定時間内で授業準備や採点、各種打ち合わせや報告書づくりなどを行うことは不可能である。国の「教員勤務実態調査」(二〇一六年)によれば、教員は月曜から金曜まで毎日、平均十二時間近く働き、休みの土日も働いている。
実際、教育現場では、子どもの声に応じたり、いじめなどの深刻なケースに対応するための、時間や心の余裕がなく、保護者と意思疎通をはかるための時間も、十分にとれていない。また、教員同士がコミュニケーションをとる時間がなく、精神疾患による休職者や過労死もあとを絶たないなど、教員の長時間労働は限界に達している。
中央教育審議会も二〇一五年に、「加配定数を含む教職員定数の充実を強く求める」と緊急提言しているように、教員の長時間労働を解消するためには、学校教務の削減などとともに、必要な教員定数の改善を行うことが求められている。
よって、渋谷区議会は、国が教員定数を抜本的に増やし、教員の長時間労働を解消することを求めるものである。
以上、地方自治法第九九条の規定により意見書を提出する。
二〇一八年十二月 日
渋谷区議会議長 丸山 高司
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 あて
文部科学大臣
財務大臣