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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

9月11日、区議会第3回定例会の初日の本会議で、いがらし千代子幹事長が、日本共産党区議団として一般質問を行いました。

 9月11日、区議会第3回定例会の初日の本会議で、いがらし千代子幹事長が、日本共産党区議団として一般質問を行いました。


 2019年 第3回 定例会 一般質問 五十嵐

 私は日本共産党渋谷区議団として区長、教育長に質問します。

1、子育て支援についてまず(1)子どもの貧困対策についてです。
 子どもの権利条約を日本が批准して25年になりますが、児童虐待の急増や子どもの貧困の深刻化など子どもを取り巻く状況は、一層厳しさを増しています。
 子どもの貧困対策推進法も改正され、貧困対策を学習・就労支援だけでなく、子どもの生活改善対策の強化を明確にするとともに、貧困対策の計画策定を市区町村に拡大しました。荒川区や中野区、武蔵村山市は「子どもの貧困実態調査」をすでに実施し、計画に反映させるとしています。東京都が行った実態調査では、高校2年生で食事の回数が1日2回以下の割合が一般所得層で11.8%に対し困窮層は22.7%、また医療受診が必要な子どもに受診させなかった割合は、一般層15%に対し困窮層は24.8%にのぼります。こうした調査は、すべての子どもたちの貧困を可視化し、貧困から救うために必要です。
 渋谷区もすべての子どもを対象にした貧困実態調査を実施し、子どもの権利を保障するため、区民代表や関係者が参加する貧困対策検討委員会を設置し計画を策定することを提案します。区長の所見を伺います。

(2)就学援助入学準備金の改善について
 渋谷区では、小中学校入学準備金の支給が3月に前倒しされ、多くの保護者から歓迎されています。しかし支給対象世帯の年収基準額を5歳児の生活保護費にしているため6歳児のいる世帯より約15万円低くなり基準オーバーで3月に支給されない世帯が発生しています。入学後に受給した1年生は、約50人と聞いていますがこの世帯は、入学準備金として利用できませんでした。このことに対し文部科学省は「前倒しの支給基準は6歳」と答弁をしています。
 当区でも転入以外の対象世帯すべてに3月に支給できるよう基準を6歳児に改善すべきです。また、北区では6月の補正予算で支給額を、小学生6万100円、中学生7万9500円に引き上げました。渋谷区では小学生4万7380円、中学生5万4070円です。当区でも引き上げるべきです。あわせて教育長の所見を伺います。

(3)認可保育園の待機児解消について
 渋谷区内で認可保育園の待機児は602人で、とりわけ0歳児から3歳児が588人と深刻な実態です。
 東京都の保育ニーズ調査では保護者の利用したい施設の第1位が公立の認可保育園52%、2位が私立保育園の39%であわせて91%が認可保育園を希望しています。公立を希望する理由は、「安心」です。公立園は離職率が低く、保育士が経験豊かな人から若い人までバランスよく配置されていることや多くの保育園に園庭があることがあげられています。しかし渋谷区でこの間増設した認可保育園は、すべて私立園で区立園は増設どころか次々と廃園にしてきました。保護者が希望している区立を中心に認可保育園を増設すべきです。区長の所見を伺います。

(4)保育士の処遇改善について
 保育園が全国的に増設される中で保育士確保は一層困難となっています。区内でも多くの施設で保育士不足が常態化しており、人手が必要な散歩やプールの回数を減らさざるを得ない、昼休みも有給休暇も取れない、持ち帰りが多いなどの声も聴いています。
 保育士不足の最大の原因は、子どもの命を守り成長をはぐくむ専門職でありながら、賃金が2017年の全産業平均より10万円も低いことにあります。しかし、この2年間で国が引き上げた額はわずか5400円です。
 国に月5万円の賃上げを求めるとともに、世田谷区が実施している月1万円の賃金補助を渋谷区でも実施すべきです。また、宿舎借り上げ制度の対象を区外在住の全職員まで拡大することを提案します。区長の所見を伺います。

2、教育について質問します。最初に(1)少人数学級の実施についてです。

 8月16日から「教育全国集会2019」が開かれ、子どもの権利、尊厳を大切にし、子どもに寄り添う教員を増やそう、そのためにも少人数学級の実現や教職員の多忙化の解消は喫緊の課題と確認されました。
 小中学校の不登校は、14万人をこえ過去最高となり、NHKの調査では中学生の4人に1人が「不登校傾向」となっています。
 何よりも大切なのは、1人1人の子どもの声に耳を傾け、その心や背景を理解し寄り添うことです。そのためにも少人数学級が必要ですが東京都は、全国唯一全学年で35人学級を実施していません。区内の大規模校の保護者からは何年も前から教員を増やしてほしいと切実な声が出されています。今年全校で35人学級を実現するために必要な教員数は、小学校で8人、中学校で3人です。東京都に少人数学級の早急な実現を求めるとともに、区独自にも必要な教員を増員すべきです。教育長の所見を伺います。

(2)教師の長時間過密労働の改善について
 文科省調査では小学校で6割、中学校で7割以上の教員が過労死ラインを超える長時間労働であることや、病気による休職者のうち6割がうつ病などの精神疾患であることが明らかになりました。現場からは、「一人一人に寄り添いたくても時間がない」などの声が出され、教職員の78%が教員の増員を求めています。また保護者からも「教師が業務に追われて子どもに目がいかなくなるのは子どもの成長にマイナス」の声が出されています。
 しかし国は、来年度から変形労働時間制の導入や最大月100時間の過労死ラインを超える時間外労働などを認める方向で、これでは長時間労働をなくすどころか助長するもので認められません。
 渋谷区では道徳や英語の授業増加に加えてタブレットの活用など他区にはない負担が求められています。教育委員会から部活動や、電話対応の見直しについて報告がありましたが、抜本的には一人の教員が受け持つ授業時間を削減するために教員の増員を国に求めるとともに、区独自にも増員すべきです。また給食費の公会計化など業務の見直しも必要です。教育長の所見を伺います。

(3)学校給食の無償化について
 小中学校に子どもを通わせている保護者にとって最も重い負担が学校給食費です。全国の自治体で学校給食費を完全無償化している自治体は89自治体、一部無償化は116自治体とふえている中、当区が給食費を値上げしたことはゆるされません。世田谷区は、今年4月から年収760万円の世帯の学校給食費に限って就学援助の対象とし約3分の2の世帯を無償化しました。また、北区は今議会に「第2子の学校給食を半額」「第3子以降を無料」にするための補正予算を提案しました。
 学校給食はすべての子どもの栄養改善と豊かな食文化をはぐくむ食育です。憲法では義務教育は無償化と定めています。当区でも学校給食の無償化を実現すべきです。必要な財源は約3億5千万円です。今定例会に提案されている昨年度の決算で繰越金は100億円をこえています。財源は十分にあるのですから学校給食の無償化を直ちに実施すべきです。区長の所見を伺います。

(4)学校図書館専門員の継続と「こども六法」の全校配備について
 2014年から学校図書館司書の配置が努力義務化され当区では学校図書専門員として13人の非常勤職員が配置されました。図書専門員は、子どもたちに読書の楽しさを伝えるとともに教員と連携して教育内容をより豊かにするための役割を発揮してきました。ところが昨年突然雇い止めし、民間委託を進めようとしました。しかし、関係者から反対の声が上がり今年度は継続しましたが来年度以降は未定です。来年度以降も直接雇用を継続すべきです。教育長の所見を伺います。
 学校図書専門員は子どもたちにとっても教師にとってもかけがえのない存在です。しかし不安定雇用で賃金は、わずか15万4千円です。常勤の図書館司書として雇用する財源を国に求めるとともに区としても常勤化し、全校に配置すべきです。教育長の所見を伺います。また、子どもを虐待やいじめからまもるために、少年法・いじめ防止対策推進法と子どもに関係の深い法律をわかりやすく解説した「こども六法」が出版されました。全校に配備すべきと考えます。教育長の所見を伺います。

3、本町学園第二グラウンド複合施設(仮称)計画について
 渋谷区は、本町学園第二グラウンド複合施設(仮称)計画について、基本計画策定・発注検討支援業務委託公募型プロポーザルを実施し、12月25日までの委託期間で事業者を選定しました。区が求めた計画内容は、体育館を出張所や多目的ホール、保育園、幼稚園、防災施設の複合施設に建て替え、出張所跡地を種地として活用することです。
 この間、本町町会連合会、本町学園・本町幼稚園PTA役員会などには説明されたと聞いていますが、本町学園の保護者からは、第二グラウンドや体育館の整備については、現在本町学園で不足している教室や放課後クラブ室の改善など、本町学園の課題を優先して考えてほしい、との声が出されています。12月25日の期限と区の示した計画ありきではなく、学校関係者や区民の意見を聞く場を設けるべきと考えますが区長の所見を伺います。

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