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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

五十嵐幹事長は、9月25日(水)の第3回定例会中間本会議で、「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」(案)に対して、反対討論を行いました。

五十嵐幹事長は、9月25日(水)の第3回定例会中間本会議で、「会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例」(案)に対して、反対討論を行いました。


議案 第45号 会計年度任用職員の給与、および費用弁償に関する条例

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して只今議題となりました議案第45号 会計年度任用職員の給与、および費用弁償に関する条例に反対の立場から討論します。

 本条例案は、来年四月から地方自治体で働く臨時・非常勤職員の多くを一年単位の会計年度任用職員として任用するため、給与・労働条件などを定める条例を制定するものです。
 渋谷区はこうした臨時職員約320人、非常勤職員約820人の1140 人のうち約620人を会計年度職員に移行することを提案しています。620人の主な配置先は、保育園、子ども家庭支援センターなどの保育補助等が280人、小・中学校、子ども発達相談センターなどの栄養士等20人、幼稚園、小・中学校、教育センターなどの教員70人、保育園の調理補助や清掃事務所の清掃業務補助70人、都市整備、土木部の技術職40人、総務部、福祉部、子ども家庭部、教育振興部などの事務職140人となっています。

 反対理由の第一は、本来正規職員が担うべき公務労働の業務を非正規職員に担わせることを固定化するとともに、正規職員の削減につながる危険をもつているからです。

 この間国は正規公務員を削減し、非正規雇用への置き換えや民間委託を推進してきました。その結果、地方自治体の非正規職員は、2016年度全国で64万人そのうち女性が7割をしめていることが明らかになりました。渋谷区でも正規職員は、2000年の2803人から2018年度末には2078人に大幅減少しています。一方、非正規職員は、臨時職員約320人、非常勤職員約820人のあわせて約1140人に増大しています。こうした非正規職員は、公立保育園の保育士や、学校の補助員・指導員として配置された教員、学校・子ども発達相談センターに配置された栄養士などで、子どもたちの命と安全、成長と発達を日々保障する重要な業務を担っている人たちや、住民の命と暮らしを支える恒常的な業務を担っている人たちです。
 実際区立保育園には多くの臨時職員が雇用されていますが、中には10年以上働いている人もいると聞いています。会計年度任用職員制度が導入されても産休代替職員はフルタイムの臨時職員のままと説明されましたが、かつては産休・育休代替職員も正規職員が配置され保育の質が保たれていました。しかし、現在では臨時職員が見つからなければ欠員のままとなっていると聞いています。学校でも年度途中で教員が休職しても代替の教員確保は困難な実態と聞いています。また台風15号被災地での罹災証明発行の遅れなど、この間の自然災害の被災地復興が進まない理由としても地方公務員の削減が原因の一つと指摘されています。
 地方自治体の第一の役割である区民の福祉の増進と滞在者の安全を守る公務労働を担う職員は、原則正規職員にすべきです。

 反対理由の第二は、会計年度任用職員の報酬等の処遇の格差を拡大し、労働者の権利を制限するものだからです。

 法改正に基づき条例案では、会計年度任用職員にはフルタイム勤務とパートタイム勤務が認められ、フルタイムの場合は、退職手当等の諸手当の支給や共済制度、災害補償制度などが適用となり現状より改善となります。しかし、当区では会計年度職員の任用は、週38時間45分未満のパートタイム職員のみと説明されました。1年単位で雇用し、再度の任用は4回までの5年間限度となっていますが、公募による客観的な能力が実証されれば6年目以降も5年単位で何度でも採用できるが、正規職員としては採用しないと明言しています。これは「5年以上雇用されたものは本人が希望すれば無期限の正規雇用とする」労働契約法が適用されないためです。これでは、会計年度任用職員は、「いつまでたっても非正規雇用」「いつでも雇い止め可能」という不安定な状態を続けることになり認められません

 さらに、報酬についても自治体側の都合で労働者の合意なしに一方的に引き下げることが可能となるからです。総務省は労働条件の不利益変更について「合意のない労働条件の不利益変更は原則禁止と定めた労働契約法第9条は、会計年度任用職員には適用を除外する」としています。当区の質疑の中でも現行の報酬等をもとに新たな給与表を適用すると答弁していますが、それが将来的に担保される保障はありません。
 また、昇給について新規採用者は2年目に原則一回だけとなっておりその後は何年働いても昇給しない仕組みで、週3日以上15時間30分以上6か月以上働いた職員には期末手当や社会保険加入はありますが退職手当等は支給されません。これでは今でさえ低賃金で劣悪な労働条件の保育士や教員を確保することはできません。必要な人員を正規職員として採用すべきです。
 本来正規職員として採用すべき公務労働の職員を、会計年度任用職員として1年間の会計年度の範囲で任用することは低賃金、低処遇で解雇自由な職員を増大させるとともに、公的ワーキングプアをさらに拡大するもので認めることはできません。以上反対討論とします。

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