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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

区議会第4回定例会最終本会議で、日本共産党渋谷区議団は、「新島青少年センター条例を廃止する条例」について反対の立場でトマ孝二議員が、「渋谷区立北谷公園の指定管理者の指定について」について反対の立場で牛尾まさみ議員が、「国民健康保険料の引き下げを求める請願」、「低所得者の介護保険料の引き下げを求める請願」については賛成の立場で、それぞれ五十嵐千代子議員、田中まさや議員が討論を行いました。

 区議会第4回定例会最終本会議で、日本共産党渋谷区議団は、「新島青少年センター条例を廃止する条例」について反対の立場でトマ孝二議員が、「渋谷区立北谷公園の指定管理者の指定について」について反対の立場で牛尾まさみ議員が、「国民健康保険料の引き下げを求める請願」、「低所得者の介護保険料の引き下げを求める請願」については賛成の立場で、それぞれ五十嵐千代子議員、田中まさや議員が討論を行いました。


●新島青少年センター廃止条例反対討論

2020.12.11 苫孝二

 ただいま議題となりました議案第51号、渋谷区新島青少年センター条例を廃止する条例について、私は日本共産党渋谷区議団を代表して、反対の討論を行います。
 第一の反対理由は、新島青少年センターの廃止は、かけがえのない青少年の健全育成の場を奪うものだからです。じっさい、渋谷区新島青少年センター条例は、その第1条で「区内の青少年に対し、宿泊による共同生活を通じて、心身の鍛錬の場を提供し、その健全な育成を図るため」新島青少年センターを東京都新島に設置すると定めています。新島青少年センターは、海に囲まれた風光明媚で自然豊かな新島に設置されており、夏場は海水浴やサーフィンを青少年が楽しむことができる渋谷区民の貴重な体験の場となっています。今回の廃止条例は、この重要な青少年の健全育成の場を奪うものであり、断じて認められるものではありません。

 第2の反対理由は、新島青少年センターを閉鎖・廃止することは、1970年に設置され、多くの区民が愛し、50年運営され、引き続き利用したいという区民の思いを踏みにじるからです。
 新島青少年センターの利用者は、2018年度は1794人、2019年度は1701人となっており、区長が認めているように区民のニーズは十分あるのです。
 区長は、昨年9月10日の区長発言で「近年の利用状況から区民ニーズが十分あること、また、これまでの新島村との交流に鑑み、土地の賃貸借契約を更新した上で、施設の建て替えを含め、青少年施設の在り方を検討してまいります」と明確に述べていたのです。したがって、私たち文教委員会では昨年11月に新島に視察に行き、台風15号による被害状況を確認するとともに、今後建て替えに当たってのアイディアなどを出し合っていました。区民もどんな計画を出してくるのか期待して待っていたのです。
 ところが今年、実際区議会をはじめ、区民に何の説明もなく、突然、閉鎖・廃止を打ち出したことに、区民から「私たち親子にとって、大切な思い出の場です。かけがえのない新島青少年センターをなくさないでほしい」などの訴えが出されているのです。
 区民に愛され続け50年の歴史を刻んで来た新島青少年センターについて、区議会や区民との約束を180度転換して廃止することは絶対に認められません。

 第3の反対理由は、財政削減を理由に区の責任である青少年の健全育成の重要施設を閉鎖・廃止することは許されないからです。
 区長は9月議会で、新島青少年センターについて「施設の再建に向けて民間活力の導入も視野に入れ、検討を重ねてまいりました。しかしながら、離島で遠隔地という条件の下、適切な事業パートナーを探すことは極めて困難であり、建設費やその後の運営にかかわる財政負担の課題とともに、景観や利便性など現在より環境や条件の良い移転場所が見つからないことなどから、施設の閉鎖を決断」したと一方的に宣言しました。これ自体、青少年の健全育成という区が責任を持つべき事業を、民間の手上げがないからと廃止することは許されないことです。しかも、財政削減を理由にするなど到底認められません。
 この間文教委員会の質疑の中で、新島の建設業者から見積もりを取り、建て替えに必要な額は3億円ということが明らかになりました。また年間の運営費は、河津さくらの里・しぶやの約1億1千万円とくらべて1694万8477円に過ぎません。渋谷区には、現在財政調整基金と都市整備基金を合わせると1119億8900万円もの資金もあり、新島青少年センターを廃止とすることに、根拠も道理もありません。
 この間、渋谷区は、桧原自然の家、富山臨海学園、山中高原学園と、財政削減を理由に次々と子どもや青少年のための施設を廃止してきましたが、財政削減を理由に、青少年の健全育成の場を奪うことは許されません。新島青少年センターは、区が建て替えて直接運営すべきです。そのことを強く指摘して、反対討論といたします。

以上


「区立北谷公園の指定管理者の指定について」への反対討論

2020.12.11 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました議案第57号渋谷区立北谷公園の指定管理者の指定について、に反対する立場から討論します。
 本議案は、パークPFI手法で整備した区立北谷公園の、公募対象公園施設となる飲食店以外の部分の、園路や広場などの特定公園施設の管理を指定管理者に委ねようとするものです。
 指定管理者に応募したのは、東急株式会社、株式会社日建設計と株式会社CRAGYADからなる「しぶきたパートナーズ」だけの1社応募でした。これらの企業は、パークPFI事業で公園を整備した企業やその関連会社で、指定管理者となることで、飲食店とあわせて公園全体の管理運営の権限を持つことになります。

 反対理由の第一は、公共の場である公園を、企業の利益のための施設に変質させてしまうからです。
 指定管理者には、自主事業を行うことが認められています。応募された提案内容によれば、自主事業として来年度は、しぶきたマルシェ2日間、しぶきた音楽祭2日間、しぶきたフェスティバル2日間、ビアガーデン45日間、渋谷スクランブルミュージック2日間などが提案され、のべ77回のイベントで1307万5千円の収入を得る計画を区も認めています。また、イベントの出店などの公園占用料は、指定管理者の収入となるため、指定管理者は、実質無料で公園を使用することができるようになります。
 さらに、公園における営業行為は、条例9条で事前に区長の許可を受けなければならないと定められていますが、第三者が営業行為のイベントを開催する際の区長の許可は、指定管理者に委ねられるため、指定管理者の権限で営業行為を拡大することができるようになります。ビアガーデンをはじめ、公園内での営利行為を横行させることは、区民の共有財産である公園を、指定管理者をはじめとした企業の利益のために差し出すもので、認められません。

 反対理由の第二は、誰もがいつでも自由に使えるオープンスペースとしての公園の役割が果たせなくなってしまうからです。本来、公園は、休憩やレクリエーションの場であり、市街地の貴重な緑のある憩いの場として、すべての人々が自由に利用できる施設でなければなりません。しかし、年間77回にも及ぶイベントの開催は、落ち着いた緑の空間をこわすとともに、誰でもいつでも自由に使うことのできる公園の機能を大幅に制限するものです。北谷公園は690平米しかない公園であるにもかかわらず、園内はパークPFIによる整備によって、総面積の2割に及ぶ鉄骨の建物が建築中で、公園のオープンスペースが失われています。来年度のオープンを機に、さらに指定管理者に管理運営を委ねて、区民の公園としての利用を制約することは認められません。

 以上、区立北谷公園の指定管理者の指定についての反対討論とします。


国保料引き下げを求める請願討論  2020/12/10

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して只今議題となりました 国民健康保険料の引き下げを求める請願に賛成の立場から討論します。
 請願者は、国民健康保険料が今年も値上げされ、加入者から、「高すぎる、保険料を払うと生活が成り立たない」「子どもの教育費もあり国保料が払えない」など深刻な相談が寄せられていると述べています。さらに新型コロナウイルス感染症の影響が加入世帯の家計を直撃しているなかで、来年度も保険料が値上げされれば、滞納世帯が増え社会保障である国民皆保険としての制度が機能しなくなると指摘するとともに、全国知事会が国に1兆円の財源措置を求めていることを述べています。そして、渋谷区としても独自の財政投入により、国民健康保険料を引き下げること、子どもの均等割りを軽減することを求めています。

 賛成理由の第一は、請願者が述べているように渋谷区の国保料は2005年度から今年で16年連続値上げをした結果、加入者の負担能力をはるかに超えており、保険料の引き下げは切実で緊急なものだからです。
 2019年度の国保料の滞納世帯は、26%に上っています。また今年度年収400万円の夫婦とこども2人の4人世帯の年間保険料は、50万7321円で所得に占める割合は24%を超え、中小企業のサラリーマンなどが加入している協会けんぽ保険料の23万7864円と比べて2倍以上になっています。
 もともと国保加入者は、小規模自営業者と非正規雇用の労働者や退職後の高齢者などの低所得者が大半をしめています。
 党区議団が行ったアンケートでは、国保加入者の57.8%が「負担が重い」と回答し「やや重い」と合わせると85.9%にのぼっています。また、コロナの感染拡大の影響で、今年の収入が昨年より3割以上減少した世帯に実施している国保料の減免制度は、11月末現在、1197件の申請があり、そのうち830世帯が受けてわり、国保加入者の暮らしの悪化は深刻です。
 この間の国保料の大幅値上げの原因は、国が国庫負担を減らし続けたためで全国知事会が政府に要望している1兆円の財源措置が実施されれば大幅な引き下げが可能となります。また、23区でも千代田区と中野区は2年連続で独自に国保料を渋谷区より低く抑えています。当区でも国保料の引き下げを実施すべきです。

 賛成理由の第二は、子どもの均等割りは所得のない子供に負担を負わせるもので、軽減することは子育て支援におおきく寄与するものだからです。
 子どもが一人増えるごとに5万2800円もの均等割りは、子どもが多いほど重くのしかかり子育て世帯の生活を脅かしています。すでに子供の均等割り分を軽減している自治体では、税制度の中で資産のない子供の存在自体に国保税や国保料として課しているのは国民健康保険だけであることを説明し、市民の理解を得て軽減しているのです。
 現在明らかになっているだけで、子どもの均等割りの減免を独自に実施している自治体は、都内の昭島市、東大和市、清瀬市、武蔵村山市を含む24市5町1村に広がっており、そのうち23自治体が所得制限なし、12自治体が18歳以下のすべての子供を対象にしています。
 また、全国の知事会や全国市長会など地方6団体は、国保料の値上げ抑制と加入者の負担軽減のために、1兆円の財政支援の増額とともに、子どもの均等割りは、子育て支援に逆行するものとして、国が子どもの均等割り分の軽減措置を実施することを求めています。
 請願審査の中では国民健康保険の加入者のために区民の税金をつかうことは、負担の公平に反する等の意見がありましたが、そもそも国民健康保険制度は憲法25条の生存権を保障するため、共済保険や協会けんぽなどに加入することができないすべての人たちの命と健康を守るための皆保険制度の要の役割を果たしている制度で、加入者が無理なく払える保険料にすることは、国と自治体の責務です。
 我が党の試算では、渋谷区として20年度の均等割り軽減世帯の軽減率を1割引き上げて保険料を引き下げるために必要な財源は、1億1423万円です。また、渋谷区でも加入世帯の18歳以下の子供すべての均等割り分を全額免除するために必要な財源は、1億6866万円です。河津保養所など無駄な税金の使い方をやめるとともに、地方自治体の本来の役割である区民の命と暮らしを守る税金の使い方に切り替えることで財源は十分に確保できます。
 渋谷区として国保料の引き下げと子どもの均等割り軽減を実施することを強く求め、請願の賛成討論とします。


●請願受理番号第26号 低所得者の介護保険料の引き下げを求める請願

2020.12.11 田中 正也

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、請願受理番号第26号 低所得者の介護保険料の引き下げを求める請願に、賛成の立場で討論します。

 本請願は、介護保険料の基準額が制度発足以来20年間で2倍に引き上げられ、年金給付の削減などで苦しむ低所得の高齢者には、負担の限界を超えているとして、第8期介護保険事業計画では、低所得者の保険料を引き下げるとともに、区独自の低所得者の保険料軽減制度の預貯金制限をやめるよう求めるものです。

 私が本請願に賛成する第1の理由は、現在の介護保険料が低所得者の負担の限界を超えており、保険料の引き下げは高齢者のくらしを守るうえでどうしても必要だからです。
 高齢者の年金給付は、2年連続のマクロ経済スライドの発動によって実質的に減らされ、さらに新型コロナによって、生活の支えとしていた仕事も打ち切られるなど、低所得の高齢者の生活は、ますます困難になっています。日本共産党区議団のくらし・区政のアンケートでは、介護保険料が「重く感じる」が46%、「やや重く感じる」と合わせると86%以上と圧倒的な方は保険料が重いと訴えています。「国民年金のみの生活者にとっては、生活そのものを破壊する額だ」「93歳の父は、預金を取り崩しながら生活しているが、もう少しで底をつきます」など、悲痛な声が寄せられています。実際、普通徴収滞納者の内、非課税世帯の第3段階以下は46%を占めています。
 低所得の高齢者のくらしを守る区の責任を果たすために、介護保険料の引き下げを行うべきだからです。

 第2の理由は、憲法第25条の社会保障の理念に基づいて、低所得者でも払える保険料にすべきだからです。
 介護保険制度は、「家族介護から社会で支える介護へ」というスローガンをかかげて導入されました。ところが政府は、特養入居者の要件を、要介護者全員から原則要介護Ⅲ以上に制限し、要支援者の介護給付を全国一律の保険給付から外し、利用料も一定所得以上の利用料を2割、3割へと引き上げるなど、「保険あって給付なし」と言われる事態をつくり出してきました。
 現在の介護保険制度は、サービスの利用が増えたり、介護職の労働条件を改善すれば、ただちに保険料・利用料の負担増に跳ね返るという根本矛盾をかかえています。保険料・利用料の高騰を抑えながら、制度の充実や基盤の拡充を図り、本当に持続可能な制度とするには、公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。わが党は、国庫負担を直ちに10%引き上げ、その財源は、富裕層や大企業への優遇を改める税制改革などで確保することを提案しています。
 渋谷区は、社会保障の理念のもとで高齢者の尊厳を守る住民の運動で、区型介護サービスの実施など、制度の上乗せ、横出しで高齢者の尊厳を守るとともに、保険料も国基準より保険料区分を多段階にして応能負担を強化し、低所得者でも払いやすくしてきました。
 第7期介護保険事業計画では、保険料区分は増やしたものの高額所得者も低所得者も同じ値上げ率を適用したために、低所得者ほど負担感が強まりました。第8期計画で、だれもが安心して払える保険料にするために、低所得者の保険料を引き下げることは、社会保障の理念に基づく渋谷区の責任だからです。

 第3の理由は、実際に低所得者の保険料を下げることは、区の責任で可能だからです。
 区の第8期計画の説明では、2021年度から3年間の保険給付の伸びは18億円と推計していますが、その内第1号被保険者の保険料で負担すべき額は、給付費の23%約4億円です。保険料の引き下げに活用できる介護給付費準備基金は14億8819万円余となっており、私の試算ではこれを活用するだけで保険料の値上げを抑えることができます。さらに低所得者の保険料を引き下げることは、財政的にも十分可能です。

 第4の理由は、低所得者の保険料負担を軽減するために、低所得者保険料負担軽減制度の預貯金制限を撤廃すべきだからです。
 現在、低所得者の介護保険料減免制度は、住民税非課税世帯である第3段階以下で、預貯金が350万円以下等の世帯に対して実施されていますが、2019年度実績は63件とわずかです。多くの低所得者が高い保険料に苦しんでいるいまこそ、この制度をより活用しやすくすることが求められており、預貯金制限は撤廃すべきです。
 預金と収入は一致しないという議論がありますが、金融広報中央委員会の調査では、預貯金ゼロ世帯が3割以上ある一方、2人以上世帯で70代の世帯で年収300万円未満の平均預貯金額は627万円で、最も多い預貯金額は200万円です。これは低所得の高齢者のほとんどが税金や医療費や生活費の支払いで、預貯金を切り崩しながら生活している実態を示しています。
 くらしや医療などの支えとして蓄え、取り崩しながら生活している預貯金を理由に、保険料の負担軽減を認めないことは、高齢者に一層の貧困化を押し付けるもので許されず、預貯金制限は撤廃すべきだからです。
 以上、低所得者が安心して払える保険料にするために、本請願の採択を訴えて賛成討論とします。

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