牛尾まさみ区議団長は、11月24日区議会第4回定例会の本会議で、日本共産党渋谷区議団を代表して、区長・教育長に質問をおこないました。
第4回定例会 代表質問
2022.11.24 最終 牛尾
私は日本共産党渋谷区議団を代表して、区長、教育長に質問します。
1、9条改憲と大軍拡について
岸田政権は、来年度の軍事費を6兆5千億円に引き上げ、さらに毎年1兆円の大軍拡を進めるとともに、憲法9条改悪に突き進もうとしています。5年間で48兆円の軍事費はくらしを破壊します。日本が攻撃されていないのに、米国と戦争している相手国を敵基地攻撃すれば、反撃を受けて戦禍を招くことになります。
一方で、アセアン諸国が進めている平和の地域づくりを東アジア全体に広げる外交努力が行われ、日本、アメリカ、中国、ロシアも参加する東アジアサミットを発展させて、外交による平和を実現する道が開かれています。憲法9条を生かした外交力の発揮こそが、国民の平和の願いにこたえる現実的な道です。
区長は、これまでの質問に対し、「平和は大事」と答えてきました。岸田政権が9条を壊して軍事対軍事の対決の道に進もうとするいま、政治家の原点として平和を守ることをすえ、区民のいのちと安全を守るために、9条改憲と軍拡の政治に反対すべきと考えますが、見解を伺います。
2、物価高騰とコロナ禍から区民のいのちとくらし・営業を守る施策について
日本共産党渋谷区議団が行った、「くらし・区政についてのアンケート2022」には、「給料は上がらないのに物価はどんどん上がる」「食料品の値上げで支出が大幅に増え、年金だけの暮らしは苦しい」など、回答を寄せた68%の区民が、「暮しが悪くなった」と答えています。
40年ぶりと言われる物価高騰から、区民のいのちとくらし・営業をまもることは、国政、地方政治があげて取り組むべき喫緊の課題となっています。
①賃金の引上げについて
賃金の引き上げは、実体経済を立て直すカギとなっています。
日本共産党は、大企業の増えた内部留保に時限的に課税して10兆円の財源をつくり、社会保険料の負担軽減で中小企業の賃上げを支援することと一体に、最低賃金を時給1500円以上に引き上げることを提案しています。区長は、最低賃金を欧米並みの1500円以上に引き上げ、8時間働けば普通の暮らしができるよう、政府に求めるべきです。また、渋谷区として、委託事業者の賃金実態を把握し、区が実施する事業に従事する労働者の賃金を1500円以上に引上げられるようにすべきです。区長の見解を伺います。
②消費税の5%への引き下げについて
消費税の5%への減税は最も効果的な物価対策です。
世界ではコロナ禍で国民生活を守るため、100の国と地域で付加価値税・消費税の減税が行われています。物価を直ちに引き下げ効果も持続的な消費税の5%への減税を実施するよう、政府に求めるべきです。また、年間売上1000万円以下の零細業者、フリーランスなどの免税業者が、消費税の課税業者とならなければ取引から排除されることにつながる、インボイス制度の中止を求めるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
③区民のくらしと営業を支える直接支援の実施
・低所得世帯への給付金支給について
政府が住民税非課税世帯等に5万円を支給する価格高騰緊急支援給付金は、単身者の場合、給与所得が年間100万円以下に限られ全く不十分です。
杉並区や板橋区、葛飾区では、国の給付金の対象から外れた住民税均等割のみの課税世帯までを対象に区独自の給付金支給を決めました。当区では、おおよそ5000世帯が均等割のみ課税の世帯と見込まれ、3億円で実施できます。2021年度予算の使い残しから基金に積み増した155億円の2%を回すだけで実施が可能です。
当区でも、せめて住民税均等割のみの世帯に5万円支給を実施すべきです。区長の見解を伺います。
・中小事業者支援について
物価高騰は区民のくらしを支えてきた中小零細事業者の営業を直撃しており、影響を受けたすべての事業者に届く支援が求められています。千駄ヶ谷のクリーニング店主は、「ハンガー、溶剤、包装用ビニール、燃料代、配達のガソリン代が軒並み上がり利益が出ない、直接支援をしてほしい」と訴えています。
物価高騰やコロナによる営業の悪化により、廃業などが広がらないよう、クリーニング店や飲食店など、電気代、燃料費の高騰の影響を直接受ける業種をはじめ、原価の高騰で事業の継続が危ぶまれる事業者に対して、区独自の営業を支える支援や、減収している中小業者に対して家賃助成をはじめとした固定費助成などの支援を行うべきです。また、介護事業所や障がい者施設に対しては、物価高騰とコロナによる減収分の全額助成を行うことを求めます。区長の見解をうかがいます。
・プレミアム付商品券について
地域通貨事業は、1万円をチャージすると5000円のプレミアムが付与されるといって、事業者と区民を支援する施策として、区長が先頭に立って進めていますが、スマホやマイナンバーカードを持たない区民は対象外で、プレミアムを受けられるは2万人の区民、対象事業者も2000店舗程度で、区民のくらしと営業を広く支援するものではありません。
区に求められているのは、必要なすべての区民と事業者に支援が行き渡るようにすることです。世田谷区では、地域通貨とともに、プレミアム付商品券の発行を並行して行うことで、広く区民と事業者が支援を受けられるようにしています。
当区でも、スマホやマイナンバーカードを持っていない区民やキャッシュレス決済を導入していない中小業者でも利用できるプレミアム付商品券を実施すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
・生活保護について
生活保護世帯は、物価高騰のもとでも基準どおりの扶助額しか受けられず、「電気やガス代などが上がり、その分食費を切り詰めなければならなくなった」と悲鳴をあげています。
2013年の生活保護基準引き下げの撤回と補償を求めた「いのちのとりで裁判」では、大阪、熊本、東京、横浜の4地裁が、自民党の公約に沿って6・7%も引き下げられたことや、社会保障審議会で議論もされていない物価下落を根拠にしていることなどをあげて、生活保護法違反の判決を下しました。
区長はこの判決をどう受け止めているのか伺います。また、判決に従って生活保護基準を2013年以前の水準に戻し、さらに今日の物価高騰に見合う引上げを政府に求めるべきです。区長の見解を伺います。
物価高騰で支出が増えているのに加え、暖房費が電気代等の高騰でいっそうかさみます。区独自の支援として、廃止した夏冬の見舞金を復活するべきです。また、住宅扶助基準額以下の賃貸物件がないため、生活費を家賃にまわしている現状を解決するため、国に住宅扶助の特別基準を認めるよう申請し、単身者でも6万9800円までの住宅扶助が受けられるようにすべきです。区長の見解を伺います。
・学生、若者向けの家賃補助について
区内の大学に通う学生たちが行った食糧支援は、若者から歓迎されるととともに、生活費の半分が家賃で消えてしまうので渋谷には住めないという声が寄せられました。学生や若者が住める街にしていくために、廃止した若者・子育て世帯向けの家賃補助制度を復活させるべきです。区長の見解を伺います。
④学校給食無償化
学校給食は食育の場であり教育の一環です。憲法26条は「義務教育はこれを無償とする」と謳っており、昭和26年の国会で当時の文部省は、教科書、学用品、学校給食費、できれば交通費まで無償化したいと答弁していました。2018年にも政府は自治体の判断で給食費を全額補助することを否定するものではないと答弁しました。
区長は、このことについて、どのように認識しているのか伺います。
全国では青森市が今年10月から、千葉県市川市、葛飾区が来年度からの実施を発表するなど、無償化自治体は2017年の76から224自治体へと増えています。
日本共産党渋谷区議団は、今年度の予算修正案で4億1千万円あればできることを示しました。渋谷区は、昨年度予算でも164億円を使い残しており財源はあります。就学援助を受けられない保護者は「家のローンに追われ、子どもの給食費が無料になればどんなに助かるか」と切望しています。
当区でもただちに区立小中学校の学校給食費を無償にすべきです。また、私立小中学校に通う児童生徒に対しても、区立と同程度の給食費助成を実施すべきです。区長の見解を伺います。
さらに、国の制度として学校給食無償化を実施するよう求めるべきです。区長の見解を伺います。
⑤国民健康保険について
国民健康保険料は、17年連続して値上げされ、区民からは、「収入は増えていないのに保険料は毎年上がる」「派遣で働くようになり高い国保料にビックリ」などの声が寄せられています。
実質賃金が下がり続けているのに、今年度の一人当たりの保険料は前年度より9909円、5・3%も上がって19万5532円になり、協会けんぽとの格差はさらに広がりました。高い国保料の原因は、国の制度設計や東京都の貧しい財政支援、一般会計からの繰入の縮小など行政の責任です。
今年度から国が未就学児の均等割保険料を半額にしたことは、収入のない子どもから保険料を徴収する制度上の問題を、世論の力で改善させたものですが、18歳まで無料にするよう国に求め、区としても実施すべきです。また、低所得者の保険料支払いの困難をなくすために、区の申請減免の収入基準を引き上げるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
医療を受ける権利を保障するため、区長は、国に対し国保の負担割合を引き上げるとともに均等割の廃止を求め、東京都に対しても、保険者として財政負担を増やすよう求めるべきです。また、保険料は区が決定するのですから、区として一般会計からの繰り入れを増やして保険料を引き下げるべきです。あわせて区長の見解を伺います。
デジタル担当大臣が、マイナンバーカードと健康保険証を一体化し、2024年度から保険証を廃止するとした発言に、国民の厳しい批判が集中しました。マイナンバーカードを持たない人を医療保険から排除することは、国民皆保険制度を崩すもので絶対に認められません。
区長は保険証を廃止してマイナンバーカードと一体化することをやめるよう求めるべきです。見解を伺います。
⑥コロナ対策についてです。
新規感染者数が全国的に増加し、専門家は、第8波に入ったと指摘しています。これまでの知見を活かして区民の感染を防ぎ、いのちと健康を守る対策が急がれます。
感染拡大期には、感染者を早期に発見し隔離することが感染拡大を防ぐうえで有効です。
抗原検査キットを各家庭に無料配布し、すみやかに陽性者を発見できるようにすべきです。また、区独自に常設のPCR検査センターを確保して区民に知らせ、必要があればいつでもPCR検査を受けられるように準備すべきです。
高齢者・障がい者施設では感染状況に応じた頻回検査が実施できるようにするとともに、職員に感染者が出た場合に人的な支援ができるような仕組みを構築するべきです。
感染者の家族に重症化リスクの高い人がいる場合などには、感染者が隔離施設にすみやかに入れるよう、都と連携して必要な数を確保すべきです。
新型コロナ感染症は感染拡大と縮小を繰り返しながらも、長期にわたることを考慮し、感染症対策の要となる保健所の体制強化として、常勤の保健師や看護師を抜本的に増やすべきです。
以上、4点について区長の見解を伺います。
3、区長の政治姿勢について
8年間の長谷部区政は、大型開発など大企業の利益を優先し、公的サービスの切り捨てや福祉・教育分野の施策まで民間の営利事業化し、自治体の責任を放棄する区政を進めてきました。
①大企業優先について
区は、渋谷駅周辺の桜丘口再開発や、駅街区の基盤整備に今年度だけで35億円も税金投入するのに加え、特区制度を活用して高層ビルを乱立させ、住環境を破壊する大規模再開発を推進しています。渋谷二丁目西地区の再開発では、208mと175mの超高層ビル建設のために、地区内の区道を廃止して開発に協力しました。
宮益坂地区の再開発は、建築物の高さの限度が60mの地域に180mの超高層ビルを建てる計画で、区道の廃止と商工会館の移設を認めて開発をともに推進しようとしています。
この計画には、隣接するマンション住民から住環境に配慮がないと反対の声が上がっており、区の大規模再開発推進の立場が問われています。区が再開発準備組合とともに住環境を破壊して住民に被害を与えることは認められません。住民の反対のある中で行政機関として計画を推進することはやめるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
ステップアッププロジェクトは、旧第二美竹分庁舎跡地と区立美竹公園を、旧東京都児童会館跡地と一体に70年間貸し出し、ヒューリックと清水建設が14階建ての業務施設を建設してオフィスや店舗として貸し出し儲ける事業で、区民のための土地利用ではありません。
10月25日の早朝に区は、事前の予告もなしに公園の水道を止め、トイレを利用できないようにバリケードで囲い、さらに公園全体を封鎖しました。公園内に残った利用者は、長時間にわたりトイレにも行けず、食事もできませんでした。行政機関である区が人権侵害行為を行ったことは、絶対に認められません。日本共産党区議団は、25、26、27日に現地調査し、当事者の方々の声も聴いたうえで人権侵害に抗議する申し入れを区長に行いました。
美竹公園では、困窮者を支援する炊き出しが毎週土曜日に行われ、食糧支援を受ける人が150人を超えていると聞いています。こうした活動を行う場所は、公園や未活用の公有地以外には見出すことはできないのが現状です。
いつでもだれでも利用できる公園を、理由も期日も事前周知せずに突然閉鎖し、水道とトイレを使わせないようにしたことは認められません。区長はこの人権侵害についてどう考えているのか見解を伺います。
人権侵害を侵してまで民間の利益を優先するステップアップ事業は、区政をゆがめるもので中止すべきです。区長の見解を伺います。
②トップダウンについて
区長の政治手法は、住民や関係者の意見も聞くことなく、自らのお気に入りの施策を押し付ける典型的なトップダウンの区政です。
富山、山中の校外施設や新島青少年センター、渋谷図書館など、区民が大切にしてきた施設は廃止されました。温室植物園のリニューアルやササハタハツでは、区長の思いに沿った整備が進められています。今年5月の新しい学校づくり整備方針は区民や関係者の意見を反映させることもなく発表されました。国民の6割が反対した安倍元首相の「国葬」では、区民の反対の声を無視して庁舎に半旗を掲げました。
・渋谷図書館の復活
渋谷図書館の廃止について、党区議団のアンケートには、「これまでの運営・管理の状況を検証し、公共図書館をどのように整備し、責任をもってサービスを行うのか、原点に戻って考えていただきたい。渋谷図書館を改修して再建する方法を排除せず、再考していただきたい」と意見が寄せられています。文芸評論家の斎藤美奈子さんは、渋谷の図書館を考える会のチラシを見て、「経済的に困窮し新刊書が買えない層が急増している。地域住民にとって図書館の存続はもはや死活問題に近い。本は心の栄養素。これ以上、図書館難民を増やさないでほしい」と東京新聞のコラムに綴っています。
区長が打ち出した広尾中学校との複合化には、6年もの期間がかかり、「子どもの成長期に図書館が利用できない」と批判が上がっています。
渋谷区の図書館を考える会は、図書館のない期間を短くできるとして、これまでの建物をリノベーションして復活を求める区長あての署名を開始しました。区長は区民の願いに向き合い、これまでの建物を生かして、渋谷図書館を一刻も早く復活すべきです。区長の見解を伺います。
・統廃合ありきの学校建て替え計画について
学校は、子どもたちの大切な学びの場であるとともに、地域コミュニティや防災の拠点としての役割を持っています。それだけに学校のあり方は、子どもと教育関係者や地域住民の合意のもとに決めていくことを何よりも大切にすべきです。
渋谷区「新しい学校づくり整備方針」は、住民の意見も聞かずに学校名まで名指しした学校統廃合ありきの計画となっており、撤回すべきです。
日本共産党区議団は、学校施設整備にあたっては、子どもの教育環境の充実を最優先にし、子どもや保護者、関係者や専門家の意見を十分に聞くこと、小人数学級を進めること、学校統廃合は行わず小規模校の良さを生かすべきと考えます。施設一体型小中一貫校については、渋谷本町学園の経験を検証すべきです。区長の見解をうかがいます。
4、教育について
①少人数学級について
渋谷区「新しい学校づくり整備方針」は、学級規模について、国と都が現在の基準としている小学校35人、中学校40人を今後80年も続ける計画です。
学校教育は教師と子どもが人間的に触れ合う中で、主権者としての知識や教養を身につけ、人格の完成を目指す営みです。教師の目が一人一人の子どもに行き届き、きめ細かにかかわりあうことのできる少人数学級は、教育環境の改善の要とされ、世界では、20人程度の学級規模が当たり前となっています。
渋谷区では平成7年10月に、東京都渋谷区立学校 児童生徒数 減少問題審議会で学級規模の議論が行われ、答申では、小学校20人、中学校30人を適正としました。
教育長は、平成7年の答申が示した学級規模についてどう考えているのか伺います。そして、ただちに小中学校全学年での35人学級を実現し、さらに少人数学級を進めるべきと考えますが、あわせて教育長の見解を伺います。
②本町幼稚園の存続
区は、本町幼稚園を令和7年3月に廃止する計画を区議会文教委員会に報告し、保護者説明会を行いました。幼稚園教育機能は、渋谷本町学園第二グラウンド複合施設(仮称)内の民間幼保連携型認定子ども園に引き継ぐとしています。
保護者、OB,地域住民からは、「本町幼稚園は外国人の子どもや障害のある子どもなど、私立園が受け入れてくれない子どもも受け入れ、一人ひとりに寄り添ってくれる。かけがえのない幼児教育の場をなくさないで」「長年町ぐるみで本町幼稚園を応援してきた。廃園は地域の子育てのネットワークに水を差す」などの声が寄せられています。区議会も、平成23年に「区立幼稚園の存続を求めるための請願」を採択しています。区長は、幼児教育に対する区の責任を果たすために、本町幼稚園を区立のまま存続させるべきです。見解を伺います。
③英語スピーキングテストについて
東京都は公立中学校の3年生全員を対象に27日に行われる英語スピーキングテスト,ESAT=Jの結果を都立高校入試の調査書に反映させようとしています。
しかし、問題作成から試験、採点までベネッセまかせで、フィリピンで採点するとされる会社名も採点者の資格も非公表など、公正・公平が担保できないと中止を求める声が広がりました。また、都教委にテストを強制する権限はないのに、保護者の承諾もなく受験手続が行われていたことも相次いで発覚しています。
渋谷区民の受験生にとって大問題であるだけに、教育長は問題山積の英語スピーキングテストの中止を都に求めるべきと考えますが、見解を伺います。
5、介護、高齢者福祉について
①介護保険制度の見直しについて
政府は、来年の通常国会に向けて介護保険見直しの検討を進めています。社会保障審議会に示された論点は、利用料の2割・3割負担の対象拡大、要介護1,2の介護保険外し、ケアプランの有料化、老健施設などの多床室の室料有料化、保険料の徴収年齢の引き下げ、福祉用具貸与制度の販売への転換、補足給付の縮小の7項目で、いずれも負担増と給付削減ばかりで、関係者からは「史上最悪の改悪」と批判があがっています。
区長は、こうしたサービスの切り捨てとなる制度改悪をやめるよう国に求めるべきです。
また、介護事業所は、深刻な人手不足と、低い介護報酬にくわえ、コロナ禍でいっそうの経営難に陥っています。
国の責任ですべての介護従事者の給与を全産業平均水準まで早急に引き上げるよう求めるべきです。区長の見解を伺います。
渋谷区は、介護保険料や利用料の区独自の軽減策を実施し、低所得者でも介護を受けやすくする制度を実施してきました。また、2005年の介護保険制度の改悪の際には、国が切り捨てた軽度者のサービスを引き続き受けられるようにと、現在の区型介護サービスにつながる独自の上乗せを開始しました。
来年度は第9期計画の作成が行われますが、保険料など高齢者の負担を軽減し、現在のサービスを充実させる立場で計画をつくるべきと考えますが、区長の見解を伺います。
また、区独自の介護保険料減額制度は、収入基準額を引き上げ、預貯金額の制限を撤廃するとともに、介護保険サービス等利用者負担額助成は、住民税非課税者にまで対象を拡大するとともに、預貯金額の制限を撤廃すべきです。区長の見解を伺います。
②特養ホームの増設について
今年10月の特養ホーム入所希望者数は、344人にのぼり、半数以上が要介護4、5の重度者なのに、申し込んでも速やかに入所できない深刻な事態が続いています。
待機者ゼロにむけて、ケアコミュニティ原宿の丘の整備方針に特養ホームを入れるべきです。代々木2,3丁目の国有地の定期借地の見通しと、幡ヶ谷の都営住宅跡地への整備にむけた東京都との話し合いの進捗について伺います。
次期高齢者保健福祉計画には、特養ホーム増設計画とけやきの苑西原の大規模改修の計画を示すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
6、気候危機対策について
エジプトで開かれた第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)では、発展途上国の政府が先進国に対し、壊滅的な温暖化を回避するために、温室効果ガスの大幅削減を求めました。パキスタンは国土の3分の1が洪水被害で水没するなど、発展途上国の被害は深刻なのに、各国が発表している目標を達成しても産業革命以後の温度上昇は2・3度となり、先進国の削減目標の上積みが求められています。日本政府は、石炭火力発電から撤退し、省エネと再生エネルギーへの抜本的転換で、世界が求める2030年比の温室効果ガスの半減を目指すべきで、地方自治体でのとりくみも加速させることが求められています。
区長が前定例会で「2050年ゼロカーボン宣言を行う考えはない」と言い切った姿勢は認められません。そもそも気候危機打開の緊急性についてどう受け止めているのか伺います。
気候危機打開に対する姿勢を改め、20区がすでに行っている2050年ゼロカーボン宣言をすみやかに行い、区民や事業者と協働して気候危機を打開するための温暖化対策条例を制定するとともに、国や都の削減目標を上回る積極的な目標を区民や事業者と検討し、掲げるべきです。
また、区庁舎や区有施設などの100%再エネ化をすすめるとともに、東京都などの助成制度も活用しながら、事業所や区民が取組を推進できるように支援すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
7、公共トイレについて
区はトイレプロジェクトとして、有名デザイナーを起用し、日本財団が資金を提供して13か所の公衆トイレや公園トイレを設置しました。幡ヶ谷の7号通り公園トイレは男性用小便器と男女共用しかないため、「女性専用トイレがなく安心して使えない」、千駄ヶ谷駅前のトイレは、すぐにトイレとわからないデザインなのに表示もないため、大学教授の区民から「誰もが使えないトイレは公共トイレとは言えない」などと批判が出されています。
公共トイレは何よりも様々な利用者にとって使いやすい機能性と、清潔な管理を最も重視すべきです。日本財団が整備した公共トイレは、区の責任で、安全で誰もが使いやすいものにすべきです。また、今後の整備は地域住民の合意で進めるべきです。区長の見解をうかがいます。
広尾、東地域の公園などにあったトイレが廃止されましたが、復活してほしいとの声が今でも寄せられます。公園で遊ぶ子どもや通行人が利用できるよう、廃止した公園トイレを復活すべきです。区長の見解を伺います。