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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

五十嵐千代子議員は、10月20日の本会議で、渋谷社会保障推進協議会から提出された「健康保険証の存続を求める意見書を国に提出することを求める請願」について、日本共産党渋谷区議団を代表して、賛成討論をおこないました。

健康保険証の存続を求める意見書を国に提出することを求める請願の討論

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました「健康保険証の存続を求める意見書を国に提出することを求める請願」に賛成の立場から討論します。
 本請願は、健康保険証の存続を求める意見書を国に提出することを求めるものです。
 請願に賛成する第一の理由は、マイナ保険証とオンライン資格確認システムが資格確認の手段として確実なものではなく、命と健康が脅かされる危険があるからです。
 請願者は、マイナンバーカードと健康保険証を一体化したマイナ保険証を扱う医療現場で起きていることとして、オンライン資格確認ができない、他人の情報が紐づけられていた、負担割合が違うなど、命と健康、保険診療に重大な影響を及ぼす深刻なトラブルが起きている、と述べています。
 実際厚生労働省の8月以降の発表によれば、協会けんぽと健康保険組合の77万件の紐づけが完了していないこと、マイナンバーカードに誤登録されていた件数は、政府の中間報告で8443件あり、今後全国の保険者に点検を求めるとしていますが、点検は、保険者の判断に任されていることから全被保険者の総点検にはなりません。このまま保険証が廃止されれば、区民の命と健康をまもることはできません。

 賛成する第二の理由は、保険証を廃止後の資格確認が複雑になり、医療を受けられない人を生み出すことになるからです。
 政府の方針通り来年秋に保険証が廃止されると国民の資格確認の方法は、複雑になります。
 24年秋に保険証が廃止されても最長で25年秋ごろまでは現在の保険証が使えるとなっていますが、マイナ保険証を持たない人が必要な資格確認証の発行について最初は保険者から交付・送付されますが、有効期間は最長5年で、更新は基本的に本人が申請しなければ交付されず保険診療は受けられません。また、障がいがある人や認知症の人などに対して暗唱番号なしのマイナ保険証を発行するとしていますが、5年ごとの更新が必要で更新を忘れれば保険診療は受けられません。さらに、マイナ保険証の資格確認で窓口負担がわからない場合、受診者が自分の窓口負担を記入して申告する、被保険者資格申立書が必要となり、申立書がなければ高額な医療費が求められかねません。こうした複雑な資格確認方法では、申請できないなどで、保険診療が受けられない人が発生することは必至です。

 第三の理由は、保険証を廃止することは地域医療の崩壊につながるからです。マイナ保険証を利用するためには、オンラインで保険資格を確認するためにすべての医療機関が光回線を導入しなければなりません。しかし、全国には現在光回線の環境が整っていない地域もあり、義務化の対象外の医療機関が2万件、オンライン資格確認が猶予されている医療機関が2万8000件もあります。このような医療機関を利用する人は、保険証か、資格確認証で受診できますが、マイナ保険証の場合は、「資格情報のお知らせ」を持参しなければ受診できません。これまでの保険証一枚で全国どこの医療機関でも誰でも、いつでも医療が受けられた保険診療がこれまでのように受けられない人を生み出すことになります。
 さらに全国保険医団体連合会が10月5日公表した会員医療機関のアンケートの結果、現在オンライン請求をしていない医療機関の約2割が義務化されると「廃業するしかない」と回答。全国の医療機関にすると歯科で7729医療機関、医科で2983機関に上り、「1万件を超える医療機関が廃業に追い込まれる可能性」があることが明らかになりました。こんなことになれば地域医療の崩壊につながり、何よりも皆保険制度の破壊となります。

 賛成理由の第四は、多くの人たちと医療機関が保険証の継続を求めているからです。
 9月末の厚生労働省発表では、マイナ保険証の利用率は4.67%と4ヵ月連続で減少しています。実際医療機関ではマイナ保険証の人に対しても現行の健康保険証を持参するよう呼び掛けているのが現状です。病気やケガをして治療中の人達はもちろん、今医療機関を受診していない人たちも不慮の事故や病気に備えて健康保険証を常に持ち歩いていますが、保険証が紐づけられるマイナンバーカードには顔認証はじめ多くの個人情報の機能がふくまれており、紛失や盗難のリスクも高く持ち歩くことは危険です。
 こうしたことから「産経」とFNN世論調査では保険証廃止は、76.9%の人が「延期・撤回」を求めているように、どの世論調査でも8割近くの人と、医療機関の過半数が保険証の存続を求めています。国民のいのちと健康を切り捨てる保険証の廃止は認められません。渋谷区議会の総意として健康保険証の存続を求める意見書を国に提出することを呼びかけ、本請願の採択に賛成の討論とします。

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