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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

五十嵐千代子議員は3月19日、区議会第1回定例会の予算特別委員会で、長谷部区長の「令和6年度渋谷区一般会計予算、同国民健康保険事業会計予算、同介護保険事業会計予算、同後期高齢者医療事業会計予算に反対し、日本共産党渋谷区議団が提出した一般会計予算と国民健康保険事業会計予算に対する修正案に賛成する討論を行いました。

2024年度予算特別委員会 反対討論

五十嵐千代子 3/19

 私は、日本共産党渋谷区議団を代表してただいま一括議題となりました 議案第22号 令和6年度渋谷区一般会計予算、議案第23号 令和6年度渋谷区国民健康保険事業会計予算、議案第25号 令和6年度渋谷区後期高齢者医療事業会計予算について、日本共産党渋谷区議団が提出した一般会計予算並びに国民健康保険事業会計予算修正案に賛成し、3会計の原案に反対の討論をします。
 物価高騰は、区民のくらしに1世帯当たり3年間で28万円もの負担増をもたらしました。また、商店・中小事業者は、インボイス制度の強行で売り上げが減っているにもかかわらず新たに消費税の納税まで課せられる深刻な影響を受けています。
 渋谷区の新年度予算には、こうした区民のくらしと区内業者の営業を守り、自治体の責務である区民の福祉の向上と安全を守ることが求められています。
 しかし、区長提案の予算案は、渋谷駅周辺再開発、スタートアップ企業支援、玉川上水旧水路緑道整備等には多額の税金を投入する一方で、住民が粘り強く求めた学校給食の無償化の予算は計上されましたが、区民と区内中小事業者に対する物価高騰対策としての予算は、ポイント還元のハチペイだけで区独自に直接支援する予算はありません。さらに国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料のトリプル値上げが提案されています。第8期計画で低所得者の介護保険料は値下げされ区民から歓迎されました。しかし、年金が実質目減りしている中、第9期の保険料は、無年金者の人が納める第1段階から本人住民税非課税の第5段階まで4.9%から7.8%の値上げとなっていますが、15億円残っている介護給付費準備基金から3年間で1億2000万円活用することで低所得者の保険料は値上げせずに済みます。また、敬老祝い金については、支給対象者2万4290人から9,172人に、予算額は2億4,408万円から1億1,773万円に半分以下に大幅削減しようとしています。さらに、奨学資金貸付制度も廃止しようとしています。物価高騰に苦しむ区民や中小業者に寄り添う姿勢がなく、トップダウンで福祉・教育の切り捨てと大幅な負担増を進める予算は認められません。
 以下新年度一般会計予算の問題点を指摘します。

[経営企画部]
●渋谷未来デザイン
 官民連携事業として一般社団法人渋谷未来デザインは、2397万円を計上しているが、これまで区から派遣している職員3人分の共済費に加え、新たに退職した区の幹部職員を雇用するため980万円を増額しています。
 一般社団法人渋谷未来デザインは、区が官民共同で設立したもので、区民の公共財産を出資企業に活用させて、新たな収益事業をおこし儲けをあげさせるための団体です。2024年度も、ソーシャルイノベーションウイークにむけて、新たな企画をつくるために1100万円の委託料を計上しているが、区民福祉の向上に寄与するかどうかも明確でない支出は認められない。また、未来デザインの各事業の詳細や予決算などが、議会にも報告されず、議会や住民監視の目が届かないことは重大な問題で、新年度もこの立場は変わらないと答弁しており、民間企業の利益ために区民の税金や職員、財産を差し出し、自治体本来の役割を逸脱した税金投入は認められません。

[デジタルサービス部]
●スマートシティ推進事業
 スマートシティ推進事業には、1億4,318万9千円を計上し、渋谷区の様々な情報を官民で利活用するため新たに「一般社団法人スマートシティ推進機構」を設立、参加58企業からの出資はなく、運営費として昨年度より1800万円増の6300万円を区が負担する。しかし、行政情報の利活用によって、民間企業がもうけをあげる仕組みであるにもかかわらず、事業内容や収支が区民や議会に明らかにされないことは問題です。
 政府と財界が一体にすすめるスマートシティは、ソサエティ5.0戦略にもとづいて、個人情報を官民で利活用して大企業の儲けの場を拡大するもので、プライバシー権の侵害や監視社会に道を開くものである。個人情報の自己コントロール権、住民合意を前提にすべきです。

[総務部]
●ダイバーシティセンター管理運営について、アイリスの「なんでも相談」・「にじいろ相談」の相談日は月2回で、予約が必要です。世田谷区では土日も含めて週5日で、土日は夜間も対応しています。婦人相談員を含め、相談員は常勤にして体制を強化し、相談機能を高めるとともに、事務局や相談支援の部屋も広さを確保すべきです。
●契約事務
・2023年度、契約金額5000万円以上1億円未満の請負契約は6件あり、公契約条例の対象工事を、5000万円以上に拡大すべきです。
・2023年度の渋谷区の委託契約の労働報酬下限額は1172円ですが、世田谷区は24年度から1330円に引き上げます。また、区の指定管理者のプール監視員は公契約の対象になっていないため、時給は労働報酬下限額より低い1130円、この額では月20日働いても18万円にしかなりません。労働報酬下限額を抜本的に引き上げるとともに、公契約条例の対象を、すべての委託契約と指定管理協定に拡大すべきです。

●職員人件費
・会計年度任用職員の男女比は、男性31%、女性69%で、平均賃金は男性22万5727円に対して女性15万2953円と賃金格差は68%です。保育などのケア労働に女性が多く、賃金格差の原因となっています。一方、3年以上勤務が56%を占めており、正規職員の代替雇用の役割を担っており、安定した質の良い行政サービスの上でも、男女の賃金格差を是正するうえでも正規雇用とすべきです。
・区立保育園の保育補助の会計年度任用職員を、最低賃金以下(手当を含めると最賃以上になる)で任用していることは問題です。引き上げのための対策を取るべきです。

[危機管理対策部]
●帰宅困難者対策として、シブヤ・アロープロジェクトには4190万円の予算を計上していますが、実行委員会の事業をエンワントウキョーに委託する予算で、24年度も3か所の作品制作を予定しています。多額の税金を投入し、帰宅困難者の誘導にも疑問がある事業を民間丸投げで実施することは、税金のムダ遣いで、やめるべきです。

●能登半島地震を踏まえた防災対策の抜本的強化の予算がつけられていないことは重大です。建物倒壊からいのちを守り、避難所運営の改善にもつながる住宅耐震化や、在宅避難支援、避難所運営基準の改善と段ボールベッドなどの配備増強、福祉避難所の拡大など予算を計上すべきです。

区民部。
 河津さくらの里しぶや運営として、運営費に1億3376万5000円、施設維持管理費に903万1000円が計上されています。今年度は、二の平渋谷荘が休館になったことから、稼働率は8割台に上がりましたが、この中には小学校4校の宿泊体験の人数も含まれています。区は、宿泊定員が少ないため、子どもの数が多い学校は利用できないとして、隣接地の購入等の検討経費として660万円を計上しました。しかし、学校の利用は全館を貸切る必要があるため、一般利用の少ない時期しか実施できません。改修中の二の平渋谷荘が定員を大きく増やしリニューアルオープンすれば、利用は減ることが見込まれます。こうした中で、さらなる経費をつぎ込み施設を拡大することはやめるべきです。
 日本共産党区議団は、二の平渋谷荘の休館中を含め、河津さくらの里しぶやに代わる区民の宿泊支援として、一人当たり大人5,000円、子ども3,000円の支給を修正予算で提案しました。河津さくらの里しぶやは廃止して、その経費は区民の宿泊支援に回すべきです。

 区内で運用、保存されているマイナンバーカードは、2月19日現在15万3041枚で普及率は66.35%にとどまっています。国は今年12月から保険証との一体化を進めようとしていますが、区は、ハチペイの区民むけのプレミアムの特典や住民戸籍などの証明手数料の値下げなどで誘導しています。プライバシーの保護に不安を感じて取得しない区民もいる中で、マイナンバーカードの取得を誘導することはやめ、手数料の引き下げは区民に平等に行うべきです。
 また、今年度も自衛隊への名簿提供は2657件も行われています。個人情報の自己コントロール権も認めないまま、本人の承諾なく個人情報を提供することはやめるべきです。

産業観光文化部。
 商工振興費は融資に6億953万円を計上しているものの、燃料費や原材料費の高騰に苦しむ中小事業者への支援は極めて不十分です。振興費の中で、地域通貨ハチペイが突出し、9億7582万6千円の予算が計上されています。内訳はキャンペーン原資が6億8593万円余、チャージや加盟店への振込手数料は9839万円、システム改修保守は1億9149万円です。利用者で区民認証は4万1千人、利用できる店舗も3100店舗で区民や商店の一部にとどまっています。区長は、区民生活支援と言っていますが、一部の区民、しかもスマホを利用することが困難な高齢者や低所得者を置き去りにするやり方は認められません。困っている高齢者や中小事業者に届く支援を実施すべきです。を変えるべきです。

 スタートアップ支援拠点の賃貸借などの環境整備に8275万円余、グローバル化に1億7238万円余、実証・実装に3151万円余、広報などその他に5700万円などで、主に海外の優れたスタートアップの招致にあてられるものです。グローバル化の中にはシブヤスタートアップス株式会社への追加出資1億3千万円が含まれています。すでに今年度の当初予算で1億円、補正予算で7000万円が執行されており、新年度の出資を合わせると3億円になります。24億円の内ハチペイとスタートアップ支援で半分以上を占めています。物価高騰に苦しむ商店街・中小業者への支援を商工振興の中心に据えるべきです。

まちづくり推進部。
 渋谷駅周辺整備の中心五街区整備事業では、駅街区北側自由通路に5億1200万円、南口北側自由通路に2850万円の税金が投入されます。大企業のためのまちづくりに多額の税金を使うことはやめるべきです。
 駅街区北側自由通路は、事業が遅延し、完成を2026年度末に変更することが示されました。ところが補助額は、累計で39億2517万5830円となり、当初約束されていた国と区で40億円の補助額を新年度の予算で超えていることが明らかになりました。区はこれまで、3回の事業変更を行い、当初の630億円だった総事業費が750億円に120億円増え、国と区の負担もおおむね12億円増えて52億円になったにもかかわらず、議会に報告もせず、なし崩し的に予算を付けるやり方は、財政民主主義にも反するもので認められません。

 神南二丁目、宇田川町地区第一種市街地再開発事業は、昨年末に都市計画決定が行われ、新年度は公共施設管理者同意や基本協定の締結、区道の廃止などが進められる予定になっています。区が事業者の利益のために区道の廃止や神南小学校の容積率の移転などの便宜を図る見返りに学校を整備してもらう再開発です。区の学校整備費を抑えるために、区民の利便性も、子どもの教育環境も犠牲にするもので、認められません。

土木部
 区は、これまで、新宮下公園を定期借地させて商業施設の屋上に整備し、さらに北谷公園、恵比寿南一公園の整備にパークPFI手法を取り入れ、公園の営利的利用を拡大してきました。宮下公園は三井不動産のTVコマーシャルにも使われるようになり、商業施設の附属施設のような公園となっています。また、北谷公園や恵比寿南一公園では、公園PFI事業者の収益事業や指定管理者の自主事業が行われ、公園が利益を生む場として利用されています。区は玉川上水旧水路緑道や魅力ある公園づくり計画の中で、民間手法の検討をすることを明記していますが、公園PFI営利活用はこれ以上拡大することをやめて、誰でもいつでも自由に利用できる公園にすべきです。

 公園トイレなど17か所に日本財団が費用を負担し、トイレプロジェクトによる整備が行われてきました。区の負担はないものの、区が財団任せでトイレやデザインを委ねたため、女性専用トイレがなく安心して使えないなど、区民からの批判が相次ぎました。
 トイレ整備の基本方針は安全と清潔、使いやすさにおき、住民の意見を聞きながら、老朽化したトイレを計画的に区の責任で改善、整備すべきです。
 玉川上水旧水路緑道公園整備事業の予算総額は14億5319万4千円が計上され、内訳として、公園設計に3億9900万円、電線地中化の調査、設計に1億7100万円などの委託費として6億6千万円、工事請負費として笹塚緑道西側に約1億5300万円、大山緑道西側に約1億2300万円、幡ヶ谷緑道に約2億6300万円の3件の工事が予定され、620m、緑道の24%を整備します。また、工事を早く進めるためとして、原材料費の舗装材の平板2億2100万円、15台のベンチに6240万円、車止め、L型側溝などに6億809万円余の発注を、工事契約を待たずに行うやり方は認められません。
 この間、樹木を残す世論が急速に広がり、区は当初予定していた189本の樹木伐採の方針を変更し、「樹木はできるだけ残す」「農園を作るために樹木は伐採しない」などと言わざるを得なくなりました。多くの住民は工事の早期着工ではなく静かな緑道の存続を望んでおり、農園にも様々な意見が出されています。整備工事は白紙に戻すべきです。 

環境政策部。
 区の温室効果ガスの削減目標は、国や都の不十分な目標に合わせたにすぎません。新年度の具体的な施策も、再エネ100%電力への切り替えに3万円の新規助成と、エネファーム購入費助成が継続されるものの、住宅太陽光発電助成や総合相談窓口も実施せず、23区の中でも遅れています。2050年ゼロカーボン宣言を直ちに行うとともに、2030年までの温室効果ガス排出量50%以上削減を目標に据え、分野別の削減目標と排出量、対策を明確にし、実現に向けた施策を直ちに実施すべきです。

 ふれあい植物センターには、1億2894万6千円の運営費のほかに、改修工事費として加計塚小学校の区民菜園のあったところに農園ハウスを建設するための予算が盛り込まれました。区の説明では、植物園のレストランで使う野菜を栽培するための施設として建設するとしていますが、この農園ハウスは、NPO法人アーバンファーマーズクラブを支援するものにほかなりません。
 近隣住民への説明もないまま、農園ハウスを建設することはやめるべきです。

生涯活躍推進部
 渋谷図書館は2022年3月末に廃止され、それまで年間5万3700人1日あたりの利用者は223人でしたが、白根郷土博物館に貸し出しスポットがつくられた22年度は一日当たり27.7人、23年度28.5人と12%程度まで激減しており、この地域住民は図書館を使えない状態で放置されていることは許されません。広尾中学校への図書館移設についても、区民から計画内容の説明を求める声があるにもかかわらず一度も開かれていません。何も説明がなく、廃止以降の2年間具体的内容は全く明らかにされていません。渋谷図書館はリノベーション活用して早急に開館できるよう、図書館職員と利用者・地域住民等で話し合いの場をつくり、住民参加で計画を作るべきです。

子ども家庭部
 子どもテーブルは、新年度123団体の活動を予定しているが新年度予算の運営助成の増額分は委託している社会福祉協議会の人件費の増額分だけで、子どもテーブルを実施している団体への助成金は10万円で増額されていません。この2年間の物価上昇で卵28.3%、生鮮野菜18.6%、ティッシュペーパー19.6%など大幅な値上げに見合う助成額に増額すべきです。

 ・新年度の保育園等の入所申し込み人数は、1,299人で前年度より47人減少していますが、認可保育園の申込者数が募集枠を上回っているのは、1歳児66人、2歳児44人、3歳児4人、4歳児15人、5歳児10人となっています。待機児は解消したとして認可園の定数増の計画はなく、現時点で認可園を申し込んだ139人の子供たちは認可園に入ることはできません。認可園を希望するすべての子供が入所できる認可園の定数拡大を実施す―べきです。また、新年度から4・5歳児の保育士配置基準がみなおされましたが、経過措置がつけられ保育士採用ができないなど4月からの実施できない保育園などがないか実態調査を行い、実施できるよう区として支援すべきです。また、2歳児以上の子供たちの面積基準の改善を国に求めるとともに区独自にも取り組むべきです。さらに、保育士の処遇改善の賃金引上げは、国の公定価格引き上げと都の上乗せだけでは、全労働者の平均賃金との5万円以上の格差は縮まりません。渋谷区独自の賃金引き上げの予算措置を実施することを求めます。

教育委員会
 ・奨学資金貸付制度について、貸付の申請者が3年前から減少し昨年ゼロになったことを理由に、制度を廃止することを提案しています。しかし、都内の私立高校の新年度入学納付金は、平均で95万円をこえており、区内のある私立高校は120万円となっています。国と東京都の支援金の上限が47万5千円であることから50万円近い保護者負担が残ります。国と都の支援金が拡大されたからと制度を廃止するのではなく足立区のように貸し付け対象を大学や大学院生まで拡大するとともに貸付金額の増額と返還が困難な人のために給付制の奨学金も導入するなど経済的理由で進学をあきらめる区民がないよう、制度の拡充こそ行うべきで、制度を廃止することは認められません。

 ・学校給食無償化の4月実施に向けて区立小中学校の予算が計上されましたが、中野区・新宿区・杉並区など4区が実施する、私立・国立などの義務教育学校に通う子供たちと、フリースクールに通う不登校児童の給食費などに対しても、区立学校の給食費相当分を助成することを求めます。

 ・新しい学校づくり整備方針に係る予算として、小学校施設建設費として長寿命化改修・改築工事費61,134千円と未来の学校プロジェクト推進事事業費8億2,500万円が計上されています。中学校施設建設費では、長寿命化改修・改築工事費として15億3772万1千円が計上されています。小学校施設建設費は、神南小学校の建て替えと、青山キャンパス・スポーツセンターの仮設校舎設置に係る予算です。神南小学校を渋谷ホームズの開発事業者に建て替えさせる施設を、発注する区側の立場で管理するコントラクション・マネジメント=(神南小総合事業支援)委託経費3869万円とアスベスト対策費2,243万円が計上されていますが、神南小学校については、民間事業者にゆだねて学校の建て替えをするやり方はやめ、区が独自に責任をもって建て替えるべきです。教育的視点を後回しにする学校建て替えを進めることは認められません。
 また、中学校施設建設費は、広尾中学校と松濤中学校の2校一括で実施設計を委託する経費として5億5011万円、代々木中学校の基本設計、実施設計費委託費として3億9893万円、鉢山・原宿外苑中学校の基本計画をプロポーザルで委託する経費として1億3822万円青山キャンパスの土地を東京都から借地する経費として、1億9520万円となっています。
 先行する広尾中学校や松濤中学校をはじめ区が進める計画に対して、保護者や学校関係者、近隣住民からは、説明の場も意見・要望をいう場もない、学校は地域住民のコミュニティと防災拠点だ、もっと意見を聞くべきとの声が出されています。広尾中学校では、現在余裕教室も使った特別教室が大幅に減らされることに部活動などが継続できなくなるのではないか、松濤中学校のプールをなくすことにも不安の声が出されています。学級規模も現在の国基準の35人や40人学級ではなく欧米並の少人数学級に変えるべきです。拙速に区の計画を進めることはやめて、改めて計画を白紙に戻し、保護者や一部の人だけでなく多くの区民、学校関係者の意見、要望を聞くべきです。
 党区議団の修正案は、区長提案の72事業を修正しました。税金の使い方を変えれば多くの区民の要望が実現します。
 
国民健康保険事業会計予算
 4月からの保険料は、医療分と支援金分の合計で均等割を5500円、所得割を1.9%も引き上げるもので、国保財政の都道府県単位化以降、最大で10%を超える大幅な値上げとなります。介護分も均等割で300円、所得割で0.37%引き上げ、40代の夫婦と学齢期の子ども2人の世帯では61万8105円、7万5491円の値上げで、協会けんぽ加入世帯の2.7倍もの負担になります。
 保険料の滞納率は27.14%に急増し、全額窓口で支払う資格証が7世帯に発行され、医療を受ける権利が制限されています。保険料の値上げはやめ、誰もが無理なく払える保険料にすべきです。
 平均保険料が11.7%も上がっているのは、公費負担を大きく減らしたからです。新年度の国保料軽減のための国の負担は0で今年度比6167万円の削減、都負担は4200万円で1億1572万円も削減し、区も1億7232万円余を削減し、総額で約3億5千万円の保険料軽減の財源が減らされました。その結果、区民には大幅な保険料値上げがもたらされたことを厳しく告発するものです。
 新年度は均等割の大幅値上げにより、低所得者でも情け容赦なく重い負担となることは、皆保険制度を行政の側から危うくするもので認められません。協会けんぽとの保険料格差が広がっているのは、明らかに国の制度設計の問題です。
 渋谷区は、基礎的自治体が被保険者の実態を踏まえて国保料を決定する立場に立つべきです。特別区長会で合意した統一保険料をそのまま区民に押しつけ、区民の生活実態から見ればあまりに苛酷な20年連続の保険料引上げは、社会保障としての国民健康保険制度の否定につながるもので認められません。
 党区議団が提案した修正案には、子どもの均等割りの無料化など提案しました。4

後期高齢者医療事業会計予算
 2024年、25年度の保険料は、均等割で900円、所得割は0.18%の引上げで、一人当たりの保険料は11万1356円となり、6514円の値上げとなります旧但し書き所得が58万円以下の方は2024年度だけ、所得割が0.71%軽減され、最大で3200円程度の引き下げになりますが、25年度は大きく跳ね上がります。
 また、医療費窓口負担についても一昨年から2割負担が導入され負担は2倍にされました。急速な物価高騰の中で、実質年金額は下がり続けています。こうした中での保険料値上げは、高齢者のくらしと医療控えをますます深刻にするもので、認められません。
 そもそも、医療にかかる機会の多い75歳以上の高齢者だけで構成する医療保険制度をつくれば、高い保険料と窓口負担にならざるを得ないのは明らかです。高齢者いじめのこの保険制度は廃止して、元の老人医療制度に戻すことをはじめ、国の責任ですべての高齢者が安心して医療にかかれる医療制度を構築すべきです。

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