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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ区議会議員は、区議会第2回定例会の本会議3日目の6月5日、日本共産党区議団を代表して、区長に一般質問をおこないました。

第2回定例会 一般質問

2024.6.5確定 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団として、区長に質問します。

1、介護、高齢者福祉について

 ①敬老金の復活を
 敬老祝い金は、渋谷区の財政が困難な時であっても守り続けてきた大切な事業です。区長は、民生委員の負担の重さや、区財政の持続性など、区の都合ばかりを並べ立てて、受給者数の6割、金額で昨年比1億2600万円余、半分以上を切り捨てましたが、高齢者は納得していません。敬老金は、条例で「高齢者に敬意を表す」事業として定められており、対象年齢で間引くことは条例の趣旨に反します。複数の民生委員からも、負担を軽減する工夫はいろいろできると聞きました。高齢者からは、「区長は私たちのくらしの大変さを少しもわかろうとしていない」などと厳しい批判が今も寄せられ、先月開かれたあるシニアクラブの総会では、敬老金の復活を求める発言に拍手がわいたと聞いています。
 今、高齢者のくらしは、食料品をはじめあらゆる生活必需品が高騰しているのに、年金はあがらず、悲鳴が上がっています。2万4千人の受給者のうち、約7000人は住民税非課税世帯の高齢者です。区長は、敬老金が高齢者の生活費の不足を補い、ささやかなゆとりをもたらしてきたことについて、どう考えているのか、伺います。高齢者に冷たい仕打ちとなる敬老金の削減は撤回すべきです。区長の見解を伺います。
 
②高齢者の見守りについて
 高齢者の見守りは、本人の体調や暮らしの不安をきき、求められる支援につなげるために、経験を積んだ専門職による訪問が最も効果的です。そして高齢者の情報が集まる地域包括支援センターを拠点に、関係者が協力して地域包括ケアの体制を作ることが求められています。
 そのためにも地域包括支援センターの人員を増やすとともに、港区で10年以にわたって実施されている、福祉の専門職員が積極的に地域に出向き、相談を受けながら必要な支援につなげる「ふれあい相談員」を参考にして、訪問支援の体制を強化すべきです。区長の見解を伺います。
 区が打ち出した見守りセンサーなど最新技術を活用したサービスは、補助的な見守り施策として位置づけ、希望する高齢者が安心して利用できるよう、既に実施している緊急通報システムも含め、利用者負担は無料にすべきです。区長の見解を伺います。

③熱中症対策を万全に
 昨年の熱中症による23区の死者は164人に上りました。今年も平年より高い日が多くなると予想されているため、早い時期からの対策が必要です。
 区が設置するクールシェアスポットを早期から周知するなど、熱中症の危険が高まった際に区民が速やかに回避できるようにすべきです。区長は熱中症特別警戒アラートが発令された際にハチパトの活用も含めた注意喚起を行うとしていますが、警戒アラートの発令段階から注意喚起を行うべきと考えますが、区長の見解を伺います。また、クーラー使用を推奨していますが、未設置や故障で使えなかったり、電気代が不安でクーラーがあっても使わず、熱中症になるケースが昨年も多発しました。低所得世帯や一人ぐらしの高齢者に対し、港、練馬、足立、江戸川区などで実施しているクーラー設置費助成を当区でも実施するとともに、電気代も補助すべきです。区長の見解を伺います。

④訪問介護事業所支援、介護従事者の処遇改善について
 訪問介護は住み慣れた自宅で暮らし続けられるよう支援する「在宅介護の要」です。ホームヘルパーの有効求人倍率が15・5倍に上る深刻な人材不足なのに、国は4月の介護報酬改定で、関係者の反対の声を無視して、訪問介護の基本報酬の2~3%引き下げを強行しました。
 訪問介護事業所の4割が赤字なのに報酬を引き下げれば、事業休止や倒産を招きかねません。区内の事業者からは、「介護報酬の引き下げで訪問事業所はどこも困りきっている。処遇改善加算を上乗せしても事業所の収入が増えるわけではなく、いつ休業や廃業する事業者が出てもおかしくない」と苦境を訴えています。
 区長は国に対し、訪問介護の報酬引き下げを撤回し、介護報酬の再引き上げを求めるべきです。また、区として、区内の訪問介護事業所の収支の実態を調査し、事業休止などが起こらないよう、必要な支援を行うべきと考えますが、合わせて見解を伺います。
 慢性的な介護職員不足を解消するためには、全労働者の平均より月6万円も低い介護従事者の処遇改善が欠かせません。東京都が開始した介護職員・介護支援専門員居住支援特別手当事業は、介護職員等に月1~2万円を支給するもので、介護事業者から歓迎されていますが、週20時間以上の勤務実績が求められるなど十分とは言えません。
 区内事業者が安定して職員を確保し、サービスを提供できるようにするためにも、短時間の非常勤も含め、職員全体の処遇改善が行えるよう事業所への支援を行うべきです。区長の見解を伺います。

⑤特養ホーム、グループホームの増設について
 昨年10月時点の特養ホーム待機者は328人で、平均待機期間は10カ月とのことですが、要介護4,5の方が193人もおり、施設の増設は引き続き急務です。
 区は幡ヶ谷社会教育館と隣接する東京都の住宅用地を一体にした施設整備の協定を締結しました。区の施設には、地域の要望が強い特養ホームなどの福祉施設を考えているのか、想定している具体的な内容について伺います。また、代々木2、3丁目の旧国家公務員住宅跡地も、引き続き特養整備の候補地として、国との交渉を進めていくべきです。区長の見解を伺います。

⑥介護保険制度改悪の中止を
 2000年にスタートした介護保険制度は、3年ごとの見直しのたびに制度改悪が行われてきました。厚労省は今後も、①要介護1,2の訪問介護と通所介護を保険から外す、②介護給付を要介護3以上に限定する、③利用料の原則2割負担、④ケアプランの有料化などを狙っています。「保険あって介護なし」の状態は、ますます深刻になっています。介護を受ける権利を保障するためにも、公費負担の引き上げこそ必要です。
 区民が安心して利用できる介護保険制度にするために、区長は介護給付に対する国の負担割合を引き上げることを求めるとともに、利用者負担増やサービスの切り捨てなどの制度改悪をしないよう求めるべきです。区長の見解を伺います。

⑦介護保険料、利用料について
 今年4月からの介護保険料基準額は、全国平均で月6225円、月211の値上げで、制度開始時の2・13倍になりましたが、自治体数では、据え置きや引下げが多数となっています。足立区は、800円の値上げ案についてのパブリックコメントで9割が反対だったことから、初めて引き下げを決断しました。昭島市も引き下げ、目黒、豊島区、府中、調布、日野、国分寺市が据え置いています。
 渋谷区は、基準額が月5960円から6170円に210円値上げされ、すべての保険料段階で値上げされました。第一段階の方は、1400円の値上げで、物価高騰による国民年金引き上げ額1750円のほとんどが帳消しにされ、ますます暮らしを切り詰めなくてはなりません。区は介護給付費準備基金を8億円取り崩して保険料軽減に当てたと言いますが、取崩し可能な基金は14億円あり、あと1億2千万円取り崩せば、被保険者の半数近い住民税本人非課税の第5段階までの引き上げはしなくて済みました。
 区長はなぜ、かつては全額を保険料軽減に当てたこともある介護給付費準備基金の取崩しを一部にとどめ、低所得者でも容赦なく保険料を値上げしたのか伺います。そしてとりわけ値上げが暮しに直結する低所得段階の保険料については、今からでも値上げを中止し据え置くべきです。区長の見解を伺います。
 また、介護事業者が報酬加算を活用し、食事代も引き上げが進んでおり、利用者の負担は重くなっています。区の介護保険利用者負担額助成の対象を住民税非課税世帯に広げ、預貯金額の制限をなくすべきと考えますが、区長の見解を伺います。

2、土地利用規制法の地域指定について

 4月12日に内閣府は、土地利用規制法にもとづく第4次区域指定の告示を行い、5月15日から施行されました。
 指定された184の注視区域の中には、港区のニューサンノー米軍センター、目黒区の艦艇装備研究所を重要施設として、その周辺約1キロメートルにある、恵比寿・代官山の全域と広尾の大半、東の約半分の地域が指定されました。
 このエリアには、何世帯、何人の区民が住民登録しているのか、伺います。
 注視区域では、内閣総理大臣が、①土地・建物の利用状況を調査し、②地方自治体や各省庁に土地などの利用者らの氏名や住所、国籍などの情報を提供させ、③必要があるときは、利用者らに直接、報告や資料の提供を求め、④重要施設等の「機能を阻害する行為」や、その明らかな「おそれ」があるときは、利用規制を勧告、命令することができるようになり、調査に応じなかったり命令に反した場合は処罰されます。
 注視区域の指定にあたっては、当該自治体の意見を聞くこととされています。世田谷区長は、自衛隊三宿・用賀駐屯地が監視区域に指定される際に、区域指定にどのような合理性があるのかの説明を求めました。渋谷区はどのような意見を国に伝えたのか伺います。
 注視区域の施行により、今後、住民情報の提供が国から求められることが予想されます。区長は個人情報の提供の要請にどう対応しようとしているのか伺います。

 どんな行為が「機能阻害行為」になるのかは政府の判断次第です。住民が日常的に監視されることになり、利用規制で土地の評価が下がる不安もぬぐえません。
 土地利用規制法は重要施設の機能確保を最優先にし、政府が進める「戦争する国」づくりに向けた日米軍事同盟強化の一環であり、「戦争準備のための国民監視をさらに進めるもの」と言わざるをえません。この法律は区民の人権を侵すものであり、区長は廃止を求めるべきです。見解を伺います。

3、羽田低空飛行ルートについて

 一昨年8月以来、国交省が設置した、羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会が開かれておらず、住民からは「ルートの固定化を押し付けるための隠れ蓑だ」という批判も起きています。
 区は、技術的方策検討会の検討状況と今後の見通しについて、住民に説明する場を設けるよう、国交省に求めるべきです。区長の見解を伺います。
 品川区が行った区民アンケートには8万7086人から回答が寄せられ、羽田新飛行ルートに全体の44%、航路下では6割以上が、生活や暮らしの中で「影響を受けている」と答えました。その内容はテレビの音や会話が聞こえない、窓を開けられないなど騒音によるものが約9割で、落下物など安全性にも62%の方が不安と回答しています。
 渋谷区でも広く区民の声を聞くために、アンケートを実施すべきと考えますが、区長の見解を伺います。
 固定化回避の検討が滞る中でも、落下物が数多く発生していることが明らかになっています。新飛行ルートの導入に伴って設けられた部品欠落の報告制度では、羽田到着便から発見された部品欠落は、この4年間で1798件に上ることが明らかになりました。コロナからの回復や円安で海外からの飛行便が増える中で、落下物事故のリスクはますます高まっています。区長は国に対し、新飛行ルートの中止を求めるべきです。見解を伺います。

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