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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

日本共産党区議団は、6月17日の第2回定例会の最終本会議で、牛尾まさみ議員が、「渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例」について、いがらし千代子議員が、「渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例」について、田中まさや議員が、「玉川上水旧水路緑道再整備工事(玉川上水旧水路笹塚緑道ほか)請負契約」について、それぞれ反対の討論を行いました。

議案第39号 渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例 反対討論

2024.6.17 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題になりました議案第39号 渋谷区区民住宅条例の一部を改正する条例に反対する討論を行います。

 本条例案は、区営住宅を除くライフピア西原の2DKタイプの住戸を区民住宅に転用するための改定です。
 現在、ライフピア西原の2DK住戸は、福祉人材住宅として12戸、借上げ等高齢者住宅として、9戸、合計21戸あります。区民環境委員会の質疑の中では、今後、空室が生じた場合、順次区民住宅に転用し、代官山アドレスで売却する16戸を確保する考えが示されました。福祉人材住宅12戸と高齢者住宅4戸が転用され、将来的には福祉人材住宅はなくなり、高齢者住宅も1DK12戸、2DK5戸に減ることになります。
 区は、福祉人材への居住支援は各所管部で行うとして、福祉人材住宅の転用を合理化しました。しかし、都や区の福祉部署が行っている介護従事者向けの居住支援策は、いずれも家賃補助制度であるうえに事業者負担があります。そのため利用が進んでおらず、支援を受けているのは区の制度でわずか8人、東京都の制度でも14人で、直接区が住宅を提供する事業の役割は重要です。また、高齢者住宅の申し込み倍率は30倍で増設が強く求められています。
 区は、区民住宅の使用料を12万円から20万円にすることを予定しています。現在の福祉人材住宅は所得に応じて1DKタイプが2万9400円から7万3900円、2DKタイプが5万8800円から12万3700円、高齢者住宅の2DKタイプは収入に応じて4万円から9万円で、区民住宅よりも安く設定されています。今、区が力を入れるべき住宅提供は、高い家賃に苦しむ低所得者のための区営住宅や、年金でも安心して住み続けられる高齢者住宅、人材確保が困難な福祉人材向け住宅です。
 渋谷区は、福祉人材住宅について、平成22年を最後に空き家が生じても募集を行わず、今年11月には、空き住戸5戸を区民住宅として募集する予定としています。借り上げ等高齢者住宅の募集は平成24年が最後で、今後、民間住宅2か所の借り上げ契約更新をせずに廃止しようとしています。今回の区民住宅条例の改定は、福祉人材住宅や高齢者住宅を減らして区の住宅施策を後退させるもので、到底認められません。
 以上、区民住宅条例の一部を改正する条例に反対の討論とします。


24,6/17 五十嵐

議案第37号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例について

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して、ただいま議題となりました議案第37号 渋谷区スポーツ施設条例の一部を改正する条例について反対の立場から討論します。

 本条例案は、本町学園第二グラウンドに、渋谷区本町区民施設アリーナ・スタジオ・グラウンド・庭球場を設置し、渋谷区スポーツ施設条例に追加するものです。

 反対理由の第一は、これまで無料だった本町学園第二グラウンドでの域住民が利用していたスポーツ施設が原則有料になるからです。
 これまでの本町学園第二グラウンドの運動場・庭球場・体育館は、教育を目的とした施設だからこそ、子どもから高齢者まで誰でも利用でき、少年野球チームをはじめ地域の約40団体は無料で利用できました。しかし、改正案では、施設はすべて団体使用となり、スポーツセンターなどのように個人利用はできません。また、利用料は、現時点では町会、消防団など公益性のある団体と、障がい者、高齢者の団体、ユナイテッド以外の団体は有料となります。
 これまで無料だった地域住民の40団体はグラウンド2時間単位で6000円、庭球場2000円、屋内のアリーナ9,900円、スタジオ2000円になり、5割免除にするとしている小学生の野球チームや中学生のサッカーチームもグラウンドは3000円、庭球場は1000円の負担が求められます。しかもテニス場の料金は、西原やスポーツセンターが1300円に対して2000円、グラウンドは二子玉川運動施設が2700円に対し6000円と高額な負担になっています。これでは、経済的理由でスポーツ施設が利用できなくなる住民も生まれ認められません。

 第二の反対理由は、これまで直営で区民に寄り添った運営をしていた施設を、今後は指定管理者の利益のための施設に変え、区民の声が届きにくくなるからです。
 条例案では、施設の運営、管理を本町区民会館のコミュニティ施設と同様に指定管理者に委ねることが規定され、区長からも指定管理にすることが表明されました。指定管理者は、スポーツ施設の使用承認・不承認、使用料の減額・免除、使用の取り消し・停止・または制限に関することなど広い権限が委ねられ、区の関与は後退し、区民の声は届かなくなります。さらに指定管理者の収益事業も区長が認めれば可能となり、収益を上げることができます。指定管理者の利益優先は認められません。
 本条例案は、これまで本町小学校の運動場と体育館を教育施設として管理し、子どもの成長と地域住民の健康維持の施設として無料で利用を認めていた施設を有料に変えるものです。さらに、指定管理者に収益を上げさせるやり方は、区民福祉の増進に責任を負う区の役割を放棄するもので認められません。引き続き教育施設として、誰でも無料で利用できるようにすることを求め、反対討論とします。


●議案第44号 玉川上水旧水路緑道再整備工事(玉川上水旧水路笹塚緑道ほか)請負契約 反対討論 田中正也

2024.6.17 本会議

 

 私は、日本共産党区議団を代表して、ただいま議題となりました議案第44号 玉川上水旧水路緑道再整備工事(玉川上水旧水路笹塚緑道ほか)請負契約について、反対討論を行います。
 本契約は、玉川上水旧水路の笹塚緑道と大山緑道の一部の再整備ついて、加勢造園株式会社と1億8150万円で工事請負契約を締結するものです。

 反対理由の第1は、本契約が、緑道再整備計画の一部であり、多くの住民の反対、見直しを求める声を無視して契約することは許されないからです。
 この計画は、総額113億円もの税金を投入し、農園などを整備し、指定管理者による管理を検討しています。本契約は、この玉川上水旧水路緑道2.6kmに及ぶ整備計画の一部であり、最初の工事となります。
 総務委員会の質疑でも、この工事で使用する園路舗装材であるテラゾは、緑道全体に使用すると答弁していることからも、この工事を突破口にして、今の緑道整備計画のまま強行し、既成事実化するものです。
 しかし、4月24日に区長も出席したササハタハツ会議では、住民から「今のままの緑道で、樹木の適切な管理を求める」「農園はつくらないで」「巨額の税金投入は許されない」「区が直接管理運営して」など、発言者の全員が、今の計画を進めることに反対ないし見直しの意見でした。その後の町会等での説明会でも反対の声が上がっており、住民合意がないことは明らかです。
 これらの声を切り捨てて、計画の一部である笹塚緑道と大山緑道の一部の工事に着手することは、トップダウンによる住民無視で許されません。

 第2の理由は、緑道整備事業の全体の予算も使用する資材もあまりにも高額であり、住民の納得は得られないことです。
 区長は、この間、計画の総事業費は100億円程度としていましたが、今定例会の本会議では今回の契約をもとに精査した結果110億円と10億円も増額しました。ところが総務委員会では、工事費58億9千万円、植栽6億7千万円、園路舗装材やベンチなどの資材に41億1千万円、トイレに6億3千万円と全体の事業費が約113億円とさらに3億円増え、どんどん膨れ上がっています。とりわけ、園路舗装材とベンチだけで41億1千万円、トイレの6億3千万円を合わせると47億円で、総額の46%を占めます。
 本契約には、植栽やベンチ、園路舗装材が含まれていませんが、区民環境委員会での報告や予算をもとに今回の工事に使う資材の価格を試算した結果、総額は1億3200万円余であり、ベンチは4基で約1500万円、1基375万円もします。舗装材のテラゾは9401万円で、単価は17万円/㎡と一般の価格の10倍以上も高額なものです。このテラゾは、現在の土の部分の園路も含めて、緑道の2.6km全体に使おうとしています。
 区は、代々木の緑道にテラゾを展示していますが、住民からは「樹木への負担になる」「土に比べて熱を蓄えやすいのでは」「水に濡れると滑りやすい」「修理にもお金がかかるのでは」などの疑問が出されており、テラゾの使用についても住民合意があるとは言えません。区は、廃材を利用するのでエコだといいますが、それだけの理由で、これだけ高額な舗装材やベンチを使うことに住民の理解は得らません。
 区民が物価高騰に苦しんでいるときに国保料や介護保険料を引き上げ、しかも高齢者が楽しみにしていた敬老祝い金を1億2千万円削減する一方で、113億円もの税金を緑道再整備に使うことは到底認められません。

 第3の理由は、多くの中低木を除去・廃棄することは許されず、現状の緑道を適切に維持管理することが、多くの住民の願いだからです。
 この間、住民は樹木の保存を求めてきました。本契約の工事では、15本の高木は残すものの、中低木の樹木は除去・廃棄し、緑道をいったん更地にしたうえで工事を行い、利用可能な中低木の樹木は移植して活用するとしています。こうしたやり方を緑道全体で行えば、膨大な中低木の樹木が廃棄されます。移植についても樹木に負担を与え、工費もかさむことになります。中低木の樹木も含めて、現状のまま適切に維持管理してほしい、との/住民の願いを切り捨てて、工事契約を締結することは認められません。
 以上、反対討論とします。

 

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