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日本共産党渋谷区議会議員団

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議会報告
REPORT

牛尾まさみ区議団長は、区議会第3回定例会の本会議2日目の9月18日、日本共産党区議団を代表して、区長、教育長に代表質問をおこないました。

2024年第3回定例会代表質問 最終

2024.9.18 牛尾

 私は日本共産党渋谷区議団を代表して区長、教育長に質問します。
 質問に入る前に一言述べさせていただきます。
 岸田首相の総裁選不出馬表明は、統一協会との癒着や自民党の組織的犯罪ともいうべき裏金問題などに国民の怒りが沸騰し、追い詰められた結果です。日本共産党は、金権腐敗、くらしと経済、外交・安全保障、人権・ジェンダーのどの問題でも、国民が希望の持てる政治の実現に全力をあげます。
 それでは質問に入ります。

1、区民のいのちにかかわる国政問題について

戦争国家づくりについて
 岸田政権は、5年間で軍事費の2倍化をすすめ、4月の日米首脳会談で自衛隊を米軍の指揮・統制下に深く組み込み、日米一体で敵基地攻撃能力を運用する体制作りに合意しました。
 また、今年の通常国会では、経済秘密保護法、陸海空自衛隊の統合作戦司令部を創設する自衛隊法改正、イギリス・イタリアと次期戦闘機の共同開発をすすめる条約の承認などを可決させました。
 さらに、自民党総裁選では、憲法に自衛隊を書きこむなど9条改憲の大合唱です。
 いま求められているのは、軍事に頼るのではなく、憲法9条を生かした平和外交で東アジア全体を平和の地域にする外交努力です。
 区長は前定例会で、戦争をする方向に行っていると感じていないと答弁しましたが、政府の外交や国会の動き、9条改憲を競い合う事態は、日本の平和国家としてのあり方を踏みにじるものという認識はないのか、伺います。また、政府に対し憲法9条を生かした平和外交に転換するよう求めるべきです。見解を伺います。
 また、米国の核兵器使用の脅迫によって相手国を抑え込むという「拡大抑止」に関する初の日米閣僚会合も開かれました。拡大抑止はいざというときには広島、長崎の惨禍をためらわないという議論であり、絶対に許してはなりません。
 杉並区の岸本区長は、今年の原水爆世界大会へのメッセージで、核兵器の廃絶と平和の重要性について強調し、杉並区として非核平和の実現に向けた取り組みを続ける意思を表明しています。
 区長は、平和首長会議に参加する一人として、政府に対し、核抑止をやめ核兵器禁止条約の署名と批准を求めるべきです。また、広島、長崎市長も求めている来年3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加を政府に求めるなど、核兵器から区民のいのちを守る行動を起こすべきです。見解を伺います。

羽田空港都心低空飛行ルート
 9月の交通公有地問題特別委員会の羽田空港視察で、国は渋谷上空を飛行する南風時の夕方3時間の飛行便数は、ほぼ132便の予定どおりで、2023年度の部品欠落は1283個だと説明しました。
 しかし、固定化回避の検討状況についての説明はなく、次回の検討会の開催時期を聞いても、未定としか答えませんでした。
 日本共産党区議団が行っているくらし・区政に関するアンケート2024には、回答者の74%が直ちに中止すべきと回答を寄せています。
 港区では、6月に新たに就任した清家あい区長が、区議会議長とともに、羽田低空飛行ルートの固定化を避ける検討を加速するよう求める国土交通大臣あての要請書を提出しています。
 渋谷区議会では区民からの請願採択や4回の意見書を国に提出し、住民の間でも運動と世論が広がっていますが、区長は自ら行動しようとせず、区民の願いに背を向けています。
 区長は、羽田低空飛行による騒音や落下物の危険について、渋谷区民は受忍すべきと考えているのか伺います。また、アンケートなどで区民の声を聞こうともせず、国に住民への説明さえ求めようとしない姿勢を改め、港区のように議会とともに都心低空飛行を中止するよう申し入れるべきです。あわせて見解を伺います。

2、くらし、福祉を守る区政について

 区民アンケートは現在、中間集約の段階ですが、昨年より苦しくなったが41%、苦しいままで変わらないが30%、合計71%で、その要因として7割が物価高騰をあげ、医療、介護、税の負担増が2割弱、実質賃金や売り上げの減少が約1割となっています。

物価高騰対策
 労働者の実質賃金は、この10年間で34万円も減り、年金も実質マイナスです。米が不足して高値となり、出回り始めた新米の小売価格は3~4割も高騰しています。自治体にとって最大の課題は、物価高騰から区民のくらしを守ることです。
 新宿区では、今年2月から国が行う低所得世帯への給付金や子ども加算に上乗せして区独自の給付金を支給しました。板橋区では障がい者福祉施設に対し、在籍数一人当たり、入所施設は18500円、通所施設は14500円の物価高騰対策支援金を支給し、墨田区では、300万円を限度に原油価格・物価高騰等緊急対策資金を金利ゼロで融資しています。
 ところが、区長が提案した補正予算(第2号)には、物価高騰対策は全く盛り込まれておらず、区長発言でも区民のくらしについては何ら触れられていません。区長は、物価高騰のもとでの区民のくらしの大変さをどう認識しているのか伺います。
 東京都は9月議会にむけた補正予算に物価高騰対策として337億円を計上し、保育所や特養ホームなどの介護施設や事業所、障がい者施設、医療機関、公衆浴場、運送事業者などの中小事業所に、高騰した食材費や光熱費、燃料費に対する支援金を盛り込みましたが、区民への直接支援はありません。
 渋谷区独自に、物価高騰に苦しむ区民に広く行き渡る、直接支援と負担軽減をただちに実施すべきです。昨年度の繰越金を65億円も財政調整基金に積み増す補正予算を見直して、低所得者への給付金の支給、東京都が行う小規模零細事業者への燃料費や材料費高騰への支援に区も上乗せを行うべきです。区長の見解を伺います。
 区長は地域通貨ハチペイへのプレミアムを物価高騰対策と言っていますが、低所得者や高齢者など、ハチペイを利用できない人、しない人には支援が届きません。区民の誰もが利用できるよう、紙の商品券の発行やクーポン券の支給を実施すべきです。
 また、区長発言で、公共施設の使用料の見直しを表明したことは、公共の役割を投げ捨て、厳しさを増す区民生活に追い打ちをかけるもので認められません。値上げの検討はやめるべきです。あわせて区長の見解を伺います。

熱中症対策
 9月1日までの熱中症による救急搬送数は全国で8万5475人、東京では7366人に上りました。東京都監察医務院がまとめた東京23区の熱中症の疑いで亡くなった方は、6月から8月までの間に248人となり、屋内で亡くなった方の9割近い213人はエアコンを使っておらず、エアコンのない部屋で58人が、あるのに使っていなかった方が155人でした。
 先日も区内で70代の男性が亡くなられたと聞きました。区は、区内消防署の熱中症による救急搬送数は何件で、何人の区民が熱中症で亡くなっていると把握しているのか伺います。
 東京都監察医務院は「熱中症による死は予防が可能なので、暑い日はエアコンを使うようにしてほしい」としており、エアコンを使えない高齢者や低所得者をなくすことが重要です。
 生活保護世帯のエアコンの設置状況を、相談や、ケースワーカーの訪問、年度初めの所得調査などで把握すべきです。
 一時扶助のエアコン設置費は、生活保護受給か転居後の初年度しか認めず、修理費や更新は対象にしていないことを改めるよう国に求めるとともに、区独自に助成すべきです。
 生活保護を受けていなくても、高齢者や低所得者がエアコンをつけない一番の理由は、設置費用が出せないことや電気代が上がることへの不安があるからです。各区で実施や検討が始まっている低所得高齢者などを対象にしたエアコン購入費助成制度を当区でも創設すべきです。また、電気代補助についても支給を検討し実施すべきです。生活保護世帯への夏・冬の見舞金を今こそ復活すべきです。以上4点について区長の見解を伺います。

 渋谷区では、75歳以上の独居高齢者と、老老世帯で要支援・要介護の認定を受けている世帯や見守りサポートの対象で心配される約6000世帯を対象に、地域包括支援センターが5月から9月にかけて訪問し、熱中症対策グッズを届けていますが、暑さを感じにくい高齢者には、危険な暑さとなる時期に訪問と声掛けをおこなうことが大切です。
 必要に応じて訪問活動ができるよう専任の担当者を置くなど、地域包括支援センターの体制を強化すべきです。
 また、高齢者自らが危険を感じた際に、援助を求められるようにすべきです。緊急通報システムの利用料を無料にして、設置が必要と認められるすべての高齢者宅に設置し、使用方法についても丁寧に周知すべきです。あわせて区長の見解を伺います。
 区が今年度行った、熱中症対策も改善が求められています。
 注意喚起では、ハチパトでの広報がおこなわれましたが、防災無線や掲示板、介護施設や医療機関などでのポスターの掲示など、あらゆる方法で周知すべきです。区長の見解を伺います。
 区や都の施設内に39か所設置したクールシェアスポットについて、利用状況はどうだったのか伺います。設置場所についても、ひがし健康プラザでは、エントランス奥に座ってくつろげる場所がありましたが、今は指定管理者のPRコーナーにされています。こうした場所にクールシェアスポットを設置すべきです。また、出張所の客だまりは他の利用者との輻輳を避けて会議室を開放するなど、暑さからの避難場所としてわかりやすく利用しやすいものに改善すべきです。区長の見解を伺います。

国民健康保険と健康保険証廃止について
 6月に今年度の国民健康保険料が賦課決定され、加入世帯に保険料通知が送られました。一人当たりの保険料は、医療分と後期高齢者支援金分の合計で16万1752円となり、昨年と比べ1万8674円、予算時に11%とされていた引き上げ幅を上回る13%の値上げとなりました。保険料通知発送後2週間の苦情、問い合わせは、2630件にのぼり、そのうち保険料と通知書の内容に関するものが1668件もありました。党区議団の区民アンケートでは、国保料が重く感じる、やや重く感じると答えた人が86%にもなっています。
 区長は、年収400万円の夫婦と学齢児2人の4人世帯で、61万8105円、協会けんぽの2・7倍、世帯収入の15・5%もの負担となる国保料を高いと感じているのか伺います。
特別区では一般財源を投入して保険料負担を軽減していますが、国は一般財源の投入を縮小・廃止するよう求めており、23区もこれに従う方針です。予算時の説明では特別区による一般財源投入がなければ、一人当たり保険料は17万5201円になり、さらに8746円の引き上げになると試算されています。
 区長は渋谷区国保の運営責任者として、他の医療保険制度と同程度の保険料になるよう、国の負担割合を増やすとともに、一般会計からの繰入の縮小廃止の押し付けをやめるよう求めるべきです。見解を伺います。
 立川市では、国保運営協議会で保険料の値上げに批判が噴出し、値上げを取りやめました。また、名古屋市では、子育て世帯や障がい者・児のいる世帯、ひとり親世帯や生活困窮者などの保険料を軽減しています。取手市では、今年度から18歳までの子どもの均等割を無料にしました。区長がその気になれば、保険料の軽減は可能です。渋谷区でも子どもの均等割の無料化や低所得者の保険料軽減を行うべきです。
 また、条例で定められている生活保護基準の1.1倍以下の世帯に対する申請減免の所得基準を引き上げ、低所得者の保険料軽減をはかるべきです。あわせて区長の見解を伺います。
 政府は国民や関係者の強い反対の声を無視して、12月2日以降、新たな保険証を発行せず、強引にマイナ保険証への移行をはかろうとしています。マイナ保険証で受診する際にはA4サイズの「資格情報のお知らせ」をあわせて持参するよう周知しています。5年ごとの更新も自分から手続きが必要となり、現在よりも煩雑になります。区民の間では12月から保険証が使えないのかと不安も広がっています。
 区は、12月2日以降も、現行の保険証が使えることや、マイナ保険証を持たない場合はどうなるかなど、正しい情報を区民に周知すべきです。区長の見解を伺います。
 本人確認ができないなどのトラブルや不具合が相次ぎ、直近のマイナ保険証による診療実績は全体の11%に留まっています。マイナ保険証の読み取り機のない医療機関では、紙の保険証しか使えません。
 渋谷区の国保加入者の直近のマイナ保険証登録率は何%なのか、区内でマイナ保険証が使えない医療機関の割合は何%になっているのか伺います。また、区長はこのまま保険証を廃止して混乱が起きずにマイナ保険証に移行できると考えているのか、伺います。
 国が強引に進めるマイナカードと保険証の一体化は、医療にかかれない区民を行政の側から作りだすものにほかなりません。区民アンケートでも76%の回答者が現行の保険証の存続や廃止の延期を求めており、「紛失しないか心配で子どもには持たせられない」「様々な問題が起きているにもかかわらず強行するのはおかしい。紙で十分、併用でよい」など、怒りと不安の声が寄せられています。
 区長は、国に対し、国民皆保険制度を破壊するマイナ保険証の押し付けをやめ、現行保険証を存続するよう国に求めるべきです。見解を伺います。

敬老祝い金
 敬老祝い金について、区民アンケートに約半数が75歳以上の全員に支給してほしいと答えており、「財政富裕区と言われる渋谷区が今までやっていた敬老金を削減してどうするのか分かりません」「前区政と比較しても後退している」「区長の税金の使い方で福祉を勝手に変えるな」などと批判が寄せられています。敬老金の配布時期を迎え、問い合わせや、削減への怒りの声が寄せられています。
 区長は、物価高騰で年金が実質引き下げとなるもとでの敬老金削減が高齢者に与える痛みをどう考えているのか伺います。そして高齢者の声にこたえて削減を撤回すべきです。区長に伺います。

訪問介護事業所への支援
 訪問介護の基本報酬が4月から2~3%引き下げられたことにより、今年に入ってからの倒産件数は介護保険創設以降最多の114事業者となり、訪問事業者が55件と半数近くを占めています。
 日本共産党区議団が8月に区内の訪問介護事業所に対して行ったアンケートには、「依頼は多いがヘルパー不足のためほとんどを断っている」「登録ヘルパー不足で常勤ヘルパーの負担が増え、休みが取れない」「報酬加算をもらうための研修やヘルパーのシフト調整が負担となっている」など危機的な状況や、「報酬引き下げで利益がなくなり職員の退職金準備も福利厚生費も充填できない。役員報酬もなしで運営している」「訪問は小規模事業所が多いため、大手よりも中小を支援する取り組みをお願いします」など、支援の必要性が訴えられ、中には「近いうちに事業所閉鎖する予定です」という事業所もありました。
 区長は介護事業所の安定した運営を保証するのは国の役割だとしていますが、事業所が閉鎖されて困るのは区民です。区内の事業者が安定してサービスを提供できるようにするのは区の責任です。区長は国に対し、介護従事者の処遇を改善するために報酬引き下げを改め、次回の改定を待たずに介護報酬の引き上げを行うよう求め、区としても処遇改善を行えるよう支援するべきです。見解を伺います。また、区独自に介護事業者の経営実態を把握するとともに、事業を安定的に運営できるよう家賃などの固定費や燃料費高騰に対する支援などを実施すべきです。区長の見解を伺います。
 区が実施する要支援者向けの訪問介護の家事援助サービスの担い手はなかなか見つからないのが現状で、利用したい人も地域包括支援センターも困っています。
 区民が家事援助を受けられない現状を改善するために、介護予防総合事業の緩和サービスAの報酬単価を国基準に引き上げるべきです。区長の見解を伺います。

高齢者住宅
 区長は平成18年に国が住宅建設法を廃止するなど政策転換をしたことを理由に区営住宅の増設を行う考えはないと答弁しましたが、高齢者が安心して区内に住み続けられるようにすることは区の責任です。区の住宅政策に区営住宅の増設と家賃補助の充実を据えるべきです。
 区営住宅の申し込み倍率は、高齢者単身向けが7月募集で22倍、世帯向けが3月募集で9倍となっており、なかなか当たりません。区がこれまで掲げてきた区施設の建て替え時に区営住宅を増設する方針を堅持すべきです。区長に伺います。また、区内の民間賃貸住宅も、家賃補助がなければ所得の少ない方は入居できません。住み替え家賃補助の限度額を引き上げるべきと考えますが、あわせて区長の見解を伺います。

風水害被害
 8月の台風10号では、局地的な豪雨と暴風に見舞われ、区内でも冠水や街路樹の倒木などの被害が出ました。区内の状況について、浸水家屋や道路冠水、擁壁の崩壊、倒木などの被害はそれぞれ何件か伺います。今回被害の出た場所での浸水対策や街路樹の倒木対策を速やかに行うべきです。また擁壁崩壊した住宅では高額な改修費がかかると聞きました。区内には傾斜地が多いだけに、区として支援策を検討すべきと考えますが、合わせて区長に伺います。

玉川上水旧水路緑道整備
 玉川上水旧水路緑道整備は、笹塚緑道の一部と大山緑道の一部の工事契約を強行しました。区長も意見を求めた千葉大学の藤井教授は、緑の役割を強調し、コンクリートのテラゾ材を遊歩道に使うことを厳しく戒めています。また、ファアームの設置や、一台400万円のベンチ、市価の10倍ものテラゾ舗装など、部材だけで41億円、総額で113億円にも上る整備費は、著しく高額なうえに温暖化に逆行するなど、住民の合意を得られていません。区は、大山緑道のテラゾ舗装を縮小してベンチも減らすとした一方で、笹塚緑道の説明会では、質問を工事についてのみに制限し、住民の意見を聞かないまま工事に着工しました。
 住民無視の工事強行は認められません。住民が納得していない計画は白紙に戻し、住民との話し合いを優先すべきです。また、樹木の維持管理を適切に行って区民が憩える緑道を守るべきです。区長の見解を伺います。

3、若者支援について

 渋谷区は若者にとって決して暮らしやすい自治体とは言えません。家賃をはじめ、高い物価が大きな原因です。家賃補助制度を実施することは、区内に住みたいと願う若者にとって大きな希望となります。
 若者向け家賃補助制度は、新宿区が学生や単身者、子育てファミリー世帯むけの、豊島区でも子育てファミリー世帯に対して実施しています。
 当区でもかつて実施していた若年単身、ファミリー世帯向けの家賃助成制度を復活させ、若者が希望を持って住める渋谷区を目指すべきです。区長の見解を伺います。
 区内に住む学生が、安心して学業に打ち込めるようにすることは、学生とその家庭に大きな励ましとなります。足立区では、大学や高等専門学校、専修学校に入学予定や在学している子どものいる家庭の生計維持者に対し、入学料162万円・授業料及び施設整備費573万円を上限に給付制奨学金を給付しています。家庭の経済的事情で大学進学をあきらめなくて済む制度として、区民からも歓迎されています。当区でも給付制奨学金制度を創設すべきです。区長の見解を伺います。

4、教育について

少人数学級
 少人数学級の実施と教員の増員は、一人ひとりの子どもに行き届いた教育を行うために不可欠ですが、未来の学校づくりでは、少人数学級を進める考えは示されていません。
 少人数学級をさらに進め、中学校での35人学級と小学校では30人学級を目指すべきです。教育長の少人数学級に対する考え方を伺います。また、国と都に実施を求め、区としても実施すべきです。教育長の見解を伺います。

新しい学校づくり整備方針
 統廃合による施設一体型小中一貫校化は、区が決めてから住民への説明が行われたことを区長答弁で認めています。学校は地域住民にとっても重要な財産であるのに、区は学校統廃合を決める際に区民の声を聞いておらず、区長の一存ですすめることは認められません。区長の見解を伺います。
 未来の学校整備方針が具体化される中で、広尾中学校では各学年2クラスしかなく、特別教室も縮小されます。また、松濤中学校はプールのない学校となり、スポーツセンター内の仮設校舎は専用グラウンドが確保できないことが明らかになり、保護者や学校関係者に不安が広がっています。
 区長は未来の学校づくりをバラ色に描いてきましたが、子どもの教育環境の悪化は知らせてきませんでした。トップダウンで決めた計画をこのまま推し進めることは認められません。新しい学校づくり整備方針は白紙撤回し、それぞれの学校のあり方については、広く住民の意見を聞くべきです。区長の見解を伺います。

神南小学校の建替え
 神南小学校の建替えは、区道をマンションの敷地とし、神南小学校の容積率をマンションに移転して実現可能となる市街地再開発事業の公共貢献として計画されています。
 区はこれまで区道や移転する容積率の鑑定評価の結果や神南小学校の建築費など、議会や区民が求める情報を、再開発組合との交渉が不利になるとの理由で一切明らかにしてきませんでした。神南小学校の関係者や住民に知らせないまま、計画を進めてきたことは認められません。
 今定例会の区長発言で、はじめて区道の鑑定額は約16億円、容積配分は約52億円だと明かしました。また、小学校の建替え費用は総額約114億円で約80億円を準備組合が負担し、34億円は区が負担することで事業を進める考えを示しました。しかし、この事業全体の資金計画については、区議会にも区民にも説明はありません。
 まず、総額114億円の小学校建て替え費用について、区はこれをどう検証したのか伺います。また、区が区道と容積率を差し出すことによって再開発準備組合が得る利益はいくらになるのか、伺います。
 この事業を中心になって進めているのは、特定業務代行者となった東急と清水建設です。市街地再開発の権利変換では、ホームズの権利者は現在の資産評価に見合う再開発ビルの権利床を受け取るとされているため、この事業で生み出される利益の多くは、東急と清水建設にもたらされます。
 公有財産を活用した事業だけに、区はこの事業全体の総事業費と建設費などの資金計画を把握し、議会と区民に明らかにすべきです。区長の見解を伺います。
 渋谷ホームズの権利者の中にも、開発手法やマンションの評価に疑問を持つ方も少なくないと言われ、再開発の合意形成ができるかは定かではありません。神南小学校の建替えは再開発事業の遅れからすでに1年間遅らせていますが、さらに先延ばしになる可能性も否定できません。
 こうした事態が起こるのは、区とデベロッパーが区民の意見も聞かずに、一体開発による学校整備を決めたことにあります。開発事業者の利益のために、学校や区道を差し出す計画は撤回し、神南小学校は、区が子どもたちの教育環境を最優先に学校関係者や地域住民の意見を聞き、自らの費用で責任をもって整備すべきと考えますが、区長の見解を伺います。

生涯教育
 社会教育館について、総務委員会に報告された「公共施設再配置の基本的な考え方」では、今後のサービスの方向性として、貸館機能が類似しているとしてコミュニティセンターへの転換を進めるとしています。
 生涯学習・社会教育活動の拠点である社会教育館は廃止するのではなく、かつて配置していた社会教育主事の復活など、社会教育施設として充実させるべきです。区長の見解を伺います。
 すでに、幡ヶ谷社会教育館の社教館まつりの説明会では、委託事業者である渋谷サービス公社の職員から、2026年3月で閉館になると報告され、利用者の不安が広がっています。
 区は幡ヶ谷社会教育館を東京都と合意した複合施設の中に整備すべきです。また、建替え期間中の代替施設を確保し、利用者の権利を守るべきです。区長の見解を伺います。

 図書館については、電子図書の普及状況を注視しながら、現状の供給量を引き続き確保するとしていますが、区内10館体制の維持については言及がありません。7月に行われた新渋谷図書館の説明会では、館内の配置図は映像のみで配布資料にはなく、後日、住民が求めた懇談会も開く考えはないと拒否したと聞いています。
 図書館を区民の大切な施設として位置づけ、区内10館体制の堅持と、建て替え時期を迎える3館についても継続してサービスを提供し、建て替え計画作成の段階から住民参加を保障すべきです。区長の見解を伺います。

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